「全米オープン」(アメリカ・ニューヨーク/8月26日~男子9月8日・女子7日/ハードコート)男子シングルスでベスト8進出を決めた、第3シードのロジャー・フェデラー(スイス)。試合後の記者会見で…

「全米オープン」(アメリカ・ニューヨーク/8月26日~男子9月8日・女子7日/ハードコート)男子シングルスでベスト8進出を決めた、第3シードのロジャー・フェデラー(スイス)。試合後の記者会見で、前日に感動的なオンコートインタビューを行った大坂なおみ(日本/日清食品)とココ・ガウフ(アメリカ)について語った。

女子シングルス3回戦で、注目の一戦だった大坂とガウフの初対決。結果的には大坂が6-3、6-0で快勝したが、大坂は試合後にガウフの元に歩み寄り、通常は勝者のみが受けるオンコートインタビューを一緒に受けようと誘った。

ガウフはその誘いを「泣いちゃうからと一旦は断ったんですが、もう一度やろうと促されてインタビューをやることにしました」と明かした。大坂に声をかけられて思わず涙してしまったガウフは、インタビューでも時折しゃくり上げながら答えていた。そして、涙ながらに大坂への感謝を語った。

そのことを思い、大坂も涙する場面があったが最後は笑顔に。一方のガウフは自身のインタビュー後もバッグを背負ったまま大坂の話を横で聞き、再び抱き合い、健闘を称え合った。そんな両者の心温まるインタビューに、会場からは大きな歓声が寄せられた。

フェデラーは、この様子を観ていたかと記者から質問されると「第2セットの時に、観ていたよ。その後、彼女たちが二人で会話していたことに気がついた。二人ともインタビューを受けるだろうから、どんなことを言うのか聞いてみようと思ったよ」と答えた。

「素敵な瞬間だったと思う。二人の選手の人となりが出ていてね。あの夜はある意味ではテニスという競技自体の勝利でもあった、大坂だけじゃなくてね」

そして自身が15歳だった時と比較して、ガウフを次のように称賛した。

「ココもそう、きちんとした振る舞いをしていた。15歳でああした振る舞いができるのは、信じられないほど素晴らしい。僕が15歳の時なんて、あんな風に立派な振る舞いをすることは考えもしなかったからね。もちろん、すべて自分にのしかかってくる。疲労困憊もしているだろう。やっと終わって、ホッとする部分もある。結果としては悔しいものだ。それでも僕としては、あれは大きな意義のある瞬間だったと思うよ」

「ココはウィンブルドン以来、このアメリカで大躍進を見せた。ある意味で素晴らしいエンディングだった。あのインタビュー、それに、単に第2セット6-0だったということよりもむしろ、歩み出て行って素晴らしい大喝采を受けたこと。選手たちがこのツアーで互いのことを思いやっているということを、良い形で示すことができたと思う」

(テニスデイリー編集部)

※写真は「全米オープン」でのフェデラー

(Photo by Matthew Stockman/Getty Images)