「全米オープン」(アメリカ・ニューヨーク/本戦8月26日~9月8日/ハードコート)女子シングルスの1回戦に、ひときわ目立つ対戦カードがある。初日にアーサー・アッシュ・スタジアムで行われる、セレ…

「全米オープン」(アメリカ・ニューヨーク/本戦8月26日~9月8日/ハードコート)女子シングルスの1回戦に、ひときわ目立つ対戦カードがある。

初日にアーサー・アッシュ・スタジアムで行われる、セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)対マリア・シャラポワ(ロシア)だ。

共にグランドスラム覇者である、彼女らのライバル関係は2004年までさかのぼる。オフコートでも犬猿の仲と揶揄される2人の試合は、常に注目を浴びてきた。米テニスメディアのBaselineが発表した、2人の因縁の対決トップ3を紹介する。

2004年度「WTA ファイナルズ」

この年のシャラポワは、「ウィンブルドン」を含む4タイトルを獲得しており、みなぎる自信とともに「WTA ファイナルズ」に出場した。当時17歳のシャラポワは、正確なショットでポイントを積み重ね、4-6、6-2、6-4とフルセットで勝利。

一方ウイリアムズは、この年、膝の怪我に悩まされ、約8ヵ月の休養を余儀なくされており、2つのタイトル獲得にとどまっていた。本調子ではない状態で出場したこの試合では、さらに腹部の痛みを感じていたという。

ウイリアムズは、さらに長い休養を避けるためか、負担をかけない抑えめのサービスで挑み、シャラポワの猛攻撃を受けることになった。シャラポワがウイリアムズから勝利をもぎ取ったのは、この試合が最後である。

2005年度「全豪オープン」準決勝

ウイリアムズが、2-6、7-5、8-6でシャラポワに勝利。接戦を制し、前年度の「ウィンブルドン」と、「WTAファイナルズ」の雪辱を果たした。この試合シャラポワは、2セット目と3セット目、どちらもサービング・フォー・ザ・マッチまでウイリアムズを追い込んだが、3度訪れたマッチポイントをものにすることができず敗れた。

ウイリアムズはその後、決勝戦で、リンゼイ・ダベンポート(アメリカ)を倒し優勝。前年度に負け越していた、シャラポアとダベンポートの2人を倒してからの、自身7つ目、18ヵ月ぶりのグランドスラム優勝とあって、ウイリアムズにとっては大きな勝利だった。

2010年度「ウィンブルドン」4回戦

6年前には、センターコートでの決勝戦で、ウイリアムズを圧勝したシャラポアだったが、この年の対戦では形勢が逆転。6-7、4-6と、スコアの上では僅差での敗戦だが、19本のサービスエースを叩き出したウイリアムズに完敗した。2009年に負った肩の怪我は、シャラポワの自信を失わせてしまったのか、いいショットは随所に見られたものの、大事な局面でシャラポワのプレーは精彩を欠いた。

2人が戦う、「全米オープン」1回戦は、日本時間27日午前8時に行われる予定だ。ウイリアムズは、今大会に優勝することで、テニス史上最多、24個目のグランドスラムタイトル獲得を達成したいところだ。しかし、先日の「ロジャーズ・カップ」決勝戦を、怪我で途中棄権しており、その後のコンディションが心配される。シャラポワも、今シーズン約6ヶ月の戦線離脱を、余儀なくされた右肩の怪我に、いまだ悩まされている。

両者が最後に対戦したのは、2016年の「全豪オープン」。ウイリアムズが6-4、6-1で勝利している。これまで21回の対戦では、19勝2敗とウイリアムズが大きくリードしている。今大会第8シードのウイリアムズと、世界ランキング81位のシャラポワ、久しぶりの因縁の対決の軍配はどちらに上がるのか、結果が楽しみだ。

(テニスデイリー編集部)

※写真は2015年度「ウィンブルドン」でのセレナ・ウイリアムズ(左)とマリア・シャラポワ(右)

(Photo by Julian Finney/Getty Images)