波乱の1日だった。シングルス4回戦が行われた本戦5日目、優勝候補の羽澤慎治(環2・西宮甲英)がまさかの敗北を喫した。また、ダブルス2回戦では佐々木健吾(環2・高松北)・成燿韓(総2・埼玉栄)組に次いで慶大の看板ダブルスである福田真大(商4・慶應湘南藤沢)・今村昌倫(環3・清風)組が3回戦を前にして敗退。慶大男子部で残るはシングルスの今村とダブルスの川島颯(総3・名古屋)・田中隆輔(環3・秀明英光)組の単複1本ずつのみとなった。

2019年度全日本学生テニス選手権大会

2019年8月17日@岐阜メモリアルセンター

シングルス4R

 〇 今村昌倫 2 {3-6、6-4、7-(5)6} 1  小林雅哉(早大)
 ● 羽澤慎治1 {2-6、7-5、1-6} 2  田形諒平(筑波大)

ダブルス2R

 ● 福田・今村0 {2-6、ret5-3} 1  川島・田中
●    佐々木・成0 {3-6、3-6} 2  中屋・河野(近大)

シングルス4R

 第1セット。序盤からお互い慎重で落ち着いたプレーを見せていたが、調子が悪かったのか、今村はミスが目立った。積み重なるミスと、前後に揺さぶる相手の戦略による失点が影響し2回のブレイクを奪われ、このセットを3-6で落とす。

劣勢で迎えた第2セット。1ゲーム目から相手にブレイクを許したが、今村は粘る。自らのサービスゲームをストレートでキープすると、第6ゲームでブレイクを奪い返す。そして続く第7ゲーム、炎天下で繰り広げられた長いデュースを制し、今村が試合の主導権を握った。ここがターニングポイントであったと言っても過言ではない。相手のミスも増え、第1セットで苦しめられた前後の揺さぶり、ドロップショットも攻略した今村が6-4でセットを奪い、同点に追いつく。

そして最終セット。今村は勢いそのままに、試合前半とは打って変わって、相手をねじ伏せるような攻撃的なプレーで試合を運ぶ。相手をベースラインに釘付けにする強烈なストロークが輝きをみせる。しかし相手も負けてはいない。左右に走らせるプレーで今村を翻弄し、両者互角の試合展開に。そして試合はタイブレークへ。どちらが勝ってもおかしくない激しい攻防。勝利の女神は今村に微笑んだ。第1セットこそ先行きが怪しい試合展開となったが、勢いに乗った今村が逆転勝利を収めた。

去年のインカレで準優勝を果たした羽澤慎治(環2・西宮甲英)。第1セットは、ストロークが安定せず、相手ペースに。2-6でこのセットを落とす。続く第2セットも相手が優位に試合を進める。しかし、4-5と迎えた第9ゲームでサーブが冴え、エースを連発。このゲームを取り、スコアをイーブンに戻すと、直後の2ゲームを連取し、第2セットを獲得する。勝負の第3セット、羽澤が第1ゲームをキープし、幸先に良いスタートを切る。だが、このゲーム辺りから足の状態が悪化。それ以降、一つのゲームを奪えず、無念の敗退を喫した。

ダブルス2R

佐々木・成ペアの試合は、特に大きなミスもなく、両者互角な展開で試合が進む。佐々木のネットプレー、成の強力なサーブ。どちらも調子が良く見えた。しかしこの均衡が破れたのは、奇しくも今村の試合と同じ第7ゲーム。ブレイクを奪われると、続く2ゲームも連取され、3-6で第1セットを落とす。目立ったミスがない分、相手の確実なボレーや意表をつくレシーブがこの結果を招いた考えられる。

ダブルスとはペア同士で励まし合えるのが強みと言いたくなるほど、第2セットに臨む佐々木・成ペアの雰囲気、勢いは良かった。しかし、プレーは相手が一枚上手。第1セット同様、慶應ペアの死角を突く確実なストローク、徐々にギアを上げてきた相手の力強いサーブに力及ばず。惜しくも3-6でこのセットも落とし、0-2で試合に敗れベスト16となった。

Cコートでは川島・田中組と福田・今村組が激突。なかなか調子が上がらずにミスを重ねる福田・今村組に対し、積極的にネットプレーを仕掛ける川島・田中組が第1セットを優位に進め先取する。続くセットでは福田・今村組が巻き返しを見せ5-3まで進めるも、ここで2人が途中棄権を選択し思わぬ形で同士討ち対決は終了。川島・田中組が3回戦へと進むこととなった。

(記事:萬代理人、堀口綾乃、結城和臣 写真:萬代理人、堀口綾乃、結城和臣)

羽澤慎治(環2・西宮甲英)

――今日の試合を振り返って

相手は、同い年の筑波大の選手でした。結構楽しみにしていた部分がありましたが、試合が始まると緊張してしまいました。足が硬くなり、ミスが早く出てしまい、あっさり第1セットを取られました。第2セットはあまり流れがよくありませんでしたが、ぎりぎりのところまで踏みとどまり、粘り強くプレーすることで第2セットを取りました。しかし、ファイナルセットは1-0のところで足がつり始めました。サーブがしっかり打てなくなり、しっかり動けなくなりました。そして、痙攣が足だけでなく、手とか腹筋などにも上がりました。普段痙攣はしませんが、第1セットで力を入れてしまったのが最後の痙攣に繋がったと思います。

――第2セットの追い上げを振り返って

4-5相手サーブで負けを覚悟しましたが、ミスを減らして、相手にプレーをさせることであったり、チャンスがあれば自分から前に攻めるというのを終盤にできました。それがうまくいったと思います。

――今大会を振り返って

シングルスに絞って、優勝を狙っていましたが、そこまで悔しいです。まだまだ力不足ですし、こういうところで勝ち切れるように頑張りたいです。

――リーグ戦に向けての意気込み

リーグ戦で負けられない試合が続くので、それに向けて勝つための練習をして、まず王座に行けるように頑張りたいです。

佐々木健吾(環2・松山北)・成耀韓(環2・埼玉栄)

――今日の試合振り返ってみて

(佐々木)シングルの試合からダブルスの今日の試合まで日程が空いてしまい、調整するのが難しかったですね。試合感という部分が試合序盤で噛み合わず、なかなか自分たちの流れに持っていくことができませんでした。また、相手は結構勢いで戦ってきて、自分たちの一番の武器である、「自分たちから勢い出して戦う」ということができませんでした。

(成)2人で去年の結果を上回ることを目標に試合に臨んだのですが、去年と結果が変わらず負けてしまったことに悔しい気持ちでいっぱいです。また、僕らが特別何か悪かったわけでも、だからと言って特別何かが良かったわけでもなく、正直何が起きたのか、どうして負けたのか、試合が終わってもよくわかっていなくて。チームワークがどうこうということではなく、ただ相手が上手かったという部分もあると思います。しかし、佐々木とペアを組んで1年以上経ち、何がミスで何が入ったなど、試合の詳しいことはお互い十分理解し合っています。だからこそ、今日の試合負けて、しかしこうした気持ちが残ることに、疑問を感じます。

――インカレ全体を通して見つかった課題など

(佐々木)去年からずっと課題だったサーブに1年間取り組んできましたが、結局まだまだサーブが未熟で、シングルスも予選決勝で負けてしまいました。今日のダブルスの試合でもブレイクを2回もされているので、サーブにら磨きをかけていく必要があると考えます。また、シングルス、ダブルス共に、自分の武器であるネットプレーをもっとしっかり決め切れるように頑張りたいです。

(成)大会に出る前から自信があり、ベスト8に入りたい思いも強かったのですが、そのことで空回りすることが多かったように思います。今回わかった課題は、メンタルが荒れるといった点です。シングルスですと、自信があったショット入らなくなり自信がなくなっていったり、ダブルスですと、いつもだと取れてるポイントが取れなかったりなどといった感じです。何か変えようとしても上手くいかず、結果思考が固まってしまいました。また、試合で緊張して、感情的になったりナーバスになったりということもありました。技術よりメンタル面から鍛えたいです。

――今までより改善できた、上手くできた点、そのために意識した点など

(佐々木)自分たちの調子が良くない時は、2人でナーバスになって暗い雰囲気になっていくという悪い流れがあります。ペアを組んで1年間経つのでわかりました。今日は劣勢の場面が多かったのですが、そのように暗い雰囲気にはならず、自分たちを自分たちで盛り上げました。楽しくではないですが、明るい雰囲気で勢いを出してやっていくというのを意識しました。

(成)シングルスではネットプレーのポイントが少なかったのですが、ファーストポイントから前に出てポイントとれるようになり、攻めに対する意識が前と変わったのかなと思います。その反面で、それが課題として挙げた空回りに繋がったような気もします。ダブルスでは、やはり最初から本当に勝ちたい気持ちを前面に出し、ファーストポイントから声を出して、きつくなった時もそのきついそぶりを見せずにもう一回互いに声を出し合うことを意識しました。2人で会話する機会がないと焦ってきてしまうので。

――今後に向けて意気込みを

(佐々木)インカレは終わってしまいましたが、この1.2週間後ぐらいにはまた別の大会、リーグ戦などが始まります。この大会で負けてしまったからといって、今年1年が終わったわけではないので、今日のような負けを繰り返さないように反省して、次に望んで行きたいかなと思います。

(成)ダブルスに関しては去年の結果を超えることを目標にしていました。なので今後の大会でも、去年の結果を超える、その記録を塗り替えられるように頑張ります。シングルスでは、去年などと成績はあまり変わっていません。その壁を超えないと、チームの軸となるプレイヤーにはなれないと思うので、もう一回結果を出すことだけを考えて、目先の試合から準備していきたいです。