毎年恒例の硬式野球部ルーキー特集。今年も全国からトップレベルの選手が入部してきた。その中でも活躍が期待される注目の選手を全8回にわたって特集する。

 雪国で鍛え上げたスイングで六大学野球に挑戦だ。長南佳洋外野手(文1=八戸学院光星)は部員数100人以上をまとめ上げた主将としてチームをけん引。3年次夏には中心選手として甲子園出場を決め、前年成しえなかった先輩たちの雪辱を果たした。今春リーグ戦では5試合に出場し、初安打を放つなどレギュラー獲得へ早くも名乗りを上げている。

 東北出身としての誇りがあった。兄とソフトボールで遊んだことがきっかけで始めた野球。中学に上がると、4番を任されるほど打撃が向上。着実に成長を遂げていた。そんな中、次第に意識するようになったことは自分たちの代が甲子園100回大会であること。記念すべき大会に出場するため日々練習に励み、複数の高校から誘いを受けた。

 「自分の手で東北に優勝旗を持っていきたい」。一度も優勝したことがない東北の高校での全国制覇が長南の目標だった。そのため、関東からのスカウトを断り、青森県の強豪・八戸学院光星高進学を決意。雪国の過酷な環境での成長を誓った。

 

       

        自慢の打撃でチームをけん引する

 2度は繰り返さない。高校1年次の夏、スタンドで〝甲子園の魔物〟を目撃する。試合は愛知県代表・東邦高相手に7回で7点リードする展開。しかし「あんなに球場が変わると思わなかった」。徐々に追い上げる相手打線と応援は次第に観客の心をつかみ、球場全体が東邦への応援一色となった。打たれるごとに調子を増す声援の前になす術がなく、雰囲気に飲まれたチームは大逆転を許し敗北。しかし「1年生であの雰囲気を味わえて良かった」。甲子園では何が起こるかわからない、という覚悟が生まれた。

 迎えた高校3年次の夏、甲子園で待っていたのは2年前と同じ光景。相手は兵庫県代表・明石商高であった。地元代表校への声援が多く、大量リードするも会場の雰囲気は完全アウェーに。だが、ここで2年前の経験が生かされ「プレッシャーは感じなかった」と落ち着いてプレー。逆境を切り抜け、勝利を飾った。

 目指すは再び主将を務めること。そのため「同期には絶対負けたくない」。同じステージに立っている以上は1番を狙うのが長南の主義だ。立ちはだかるのは一段とすごみを増した大学の投手たち。「初めて打撃が難しいと痛感している」と高校の投手との力量の差に苦戦。だが、越えられない壁ではない。今春の法大2回戦では適時打を放ち、リーグ戦優勝に貢献。ここ一番で打てる頼もしさは長南の長所だ。

 目標はそれだけではない。「日本一を8連覇したい」と、この男の見据える先は壮大だ。強気な姿勢でチームを引っ張り、明大に新たな風を起こす。

 [久野稜太]

 

 ◆長南 佳洋(ちょうなん・よしひろ) 文1、八戸学院光星、174センチ・76キロ、右投左打、外野手

青森から東京に来て、人の多さに驚いた。人酔いした経験も。だが雪国出身のため、寒さには自信あり。

次回のルーキー特集は8月19日(月)岡本伊織内野手(商1=創志学園)です。お楽しみに!