先日開催されたATPツアー下部大会「四日市チャレンジャー」(日本・三重県四日市市/8月5~11日/ハードコート)において見事優勝を果たし、波にのっている杉田祐一(日本)が、鈴木貴男(日本)との…

先日開催されたATPツアー下部大会「四日市チャレンジャー」(日本・三重県四日市市/8月5~11日/ハードコート)において見事優勝を果たし、波にのっている杉田祐一(日本)が、鈴木貴男(日本)とのツアーコーチ契約解消に至ったと自身のツイッターに投稿した。「今年の2月から大会に帯同してもらっていた鈴木貴男さんとのツアーコーチ契約を解消することとなりました」「ウィンブルドンを始めチャレンジャー大会での復活のきっかけは貴男さん無しでは考えられません。最大の感謝と共にこのきっかけを活かしていかなければと強く思っております」と、鈴木への感謝の気持ちを綴り、理由は明記しなかったものの円満な契約解消であったことを示唆した。

また鈴木貴男は自身のウェブサイトで、「スケジュールなどの都合もあり、僕は、ウィンブルドンが最後の帯同になりましたが、その後のアメリカ(優勝)中国(準優勝)四日市(優勝)のチャレンジャーでは、本当に素晴らしい結果を残しました。ランキングも133位まで上がり、19日から始まる全米オープンの予選では、この勢いを持続させて更に上を目指してほしいと思います」と書いており、自身もいまだに現役選手として活躍しているだけに、スケジュール調整が困難だったことがうかがえる。

2017年には「ATP250 アンタルヤ」でキャリア初タイトルを獲得し、その年の10月には自己最高の世界ランキング36位を記録したという輝かしい成績を残した杉田だったが、その後は不振に悩んだ。今年に入り鈴木とチームを組み「最高のチームと共にもう一度世界のトップを目指していきます!!」と、新たな決意を表明していた。

その後、今年7月に行われた「ウィンブルドン」(イギリス・ロンドン/7月1日~14日/芝コート)で、予選を勝ち抜き本戦に出場するという快挙を成し遂げた杉田。続くATPツアー下部大会「レヴィン・ゴールディン&トンプソン テニス・チャレンジャー」(アメリカ・ニューヨーク州ビンガムトン/7月22~28日/ハードコート)での優勝を皮切りに、ATPツアー下部大会の「国際チャレンジャー成都」(中国・四川省成都/7月29日~8月4日/ハードコート)での準優勝、そして前述の「四日市チャレンジャー」での優勝と、ここ3週間で出場した試合の全て決勝まで進むという大躍進をみせている。

そんな杉田だが、約2年ぶり10個目のチャレンジャー・タイトルとなった「レヴィン・ゴールディン&トンプソン テニス・チャレンジャー」の優勝後のインタビューで「ATPツアーを回っていたときは、初戦からトップ選手との対戦ばかりで、1回戦敗退が10回も続いたこともありました」「夢見ていた舞台だったし、とてもいい経験をさせてもらったけれど、だいぶ自信を無くしてしまっていたんです」と、不振の頃を振り返った。

また、「どうテニスをプレーしていいのか分からなくなっていた時期もありました」「今回の優勝で自信がつきました。ATPのタイトルよりも大きい勝利です。ここ2年間は本当に苦しかったのですが、やっと調子を取り戻せました」と話しており、今月28日から始まる「全米オープン」での彼の活躍に期待が高まる。

(テニスデイリー編集部)

※写真は2019年度「ウィンブルドン」での杉田祐一

(Photo by Shi Tang/Getty Images)