本格的な夏が始まり猛暑日を記録する中、行われた東日本学生選手権大会(東日本インカレ)の初戦。全日本学生選手権大会(インカレ)の出場のためにも初戦で勢いづけたい早大。初戦の相手は仙台大だった。試合は格下の仙台大を圧倒する展開に。多彩なテクニ…

 本格的な夏が始まり猛暑日を記録する中、行われた東日本学生選手権大会(東日本インカレ)の初戦。全日本学生選手権大会(インカレ)の出場のためにも初戦で勢いづけたい早大。初戦の相手は仙台大だった。試合は格下の仙台大を圧倒する展開に。多彩なテクニックで相手を翻弄し、確実に得点を重ねていく。また、鉄壁のディフェンスや、GKのファインプレーも飛び出し、攻撃権が仙台大に移ることはないまま早大が32―14という大きな点差をつけて勝ち星を挙げた。

 前半開始直後、RW青沼健太(社2=千葉・昭和学院)が速攻で決め、その後連続して2得点を決める早大。仙台大の7メートルスローも守りきるなど、相手に攻撃のチャンスを与えなかった。6分からは仙台大のシュートも決まり始め、6―4の接戦となる。しかし、青沼の左サイドからのシュートやLB山本慶(スポ3=長野・屋代)の速攻、LW清原秀介(商4=東京・早実)のループシュートなどが決まり、なんと9連続での得点に。また、隙を見せないディフェンスで相手に得点を許さず、一気に仙台大を引き離す。17ー6で大幅なリードをしたまま前半を折り返した。


シュートを狙いに行く清原

 後半でも早大が終始相手を圧倒する展開に。前田理玖(スポ3=福井・高志)の左サイドからのシュートが決まり、GK中村匠(スポ2=千葉・市川)の好セーブも飛び出すと相手に隙を与えない。清原が「今まで試合にあまり出ていなかったメンバーも出して全員が点を取れるということを目標にする」と述べたように早大は後半戦中盤から春季リーグでは出場が少なかった選手を投入し始めた。村井達也(スポ2=富山・高岡広陵)のノールックパスから前田がゴールネットを揺らすと、島田将平(社学3=神奈川・鎌倉学園)が右サイドからシュートを叩き割る。最後まで早大が試合を牽引し、32―14で仙台大との試合を制した。


後半戦大いに活躍した前田

 今回の試合は早大の圧倒的な勝利となったが、選手にとっては満足のいく試合にはならなかったようだ。清原は「自分たちの実力が全て出し切れなかった」と試合を振り返り、青沼も同様に「イマイチ流れの良い時にのれなかった」と語った。確かに今回、何度かあったミスはインカレや秋季リーグでは命取りになってしまうようなミスであったと言えるだろう。インカレ出場を決めるのはもちろんのことだが、すぐ後に控える秋季リーグでこの試合で見られた課題をどこまで克服できるかに期待がかかる。

(記事 高橋さくら、写真 稲葉侑也、杉原優人)

結果
東日本学生選手権大会
早大3217−6
15−8
14仙台大
GK 羽諸大雅(スポ4=千葉・市川)
LW 小林春慶(スポ4=長野・屋代)
LB 青沼健太(社2=千葉・昭和学院)
PV 中村祐貴(スポ3=北海道・札幌西)
CB 宮國義志(社4=沖縄・浦添)
RB 山本慶(スポ3=長野・屋代)
RW 清原秀介(スポ4=東京・早実)
コメント

清原秀介(商4=東京・早実)

――きょうの試合全体を振り返ってみていかがですか

東日本インカレ自体が初めてだったので、そういう面では今まで経験したことがないような試合展開でした。自分たちとしてはやりきれなかったと言いますか、課題というわけでもないですけど自分たちの実力が全部出せなかったところがありました。

――東日本インカレに向けて何か対策はしてこられましたか

関東学生春季リーグ、早関、早慶明定期戦からの課題としての『速攻のつなぎ』を今までずっと練習してきたので、そこを意識して臨みました。

――今回は大きく相手に差をつけての勝利となりましたが

当たり前のようにそのような試合をしなければいけなかったので、逆にもっと点差をつけなくてはいけなかったです。

――残る2試合をどのように主将として率いていきたいですか

きょうで東日本インカレの試合の雰囲気がわかったので、最初から相手を突き放す気持ちで、最後は今まで(試合に)出ていないメンバーも出して全員が点を取れるというのを目標にしていきたいです。

前田理玖(スポ3=福井・高志)

――勝利の感想をお願いします

初めての大会で実力差があるというのはわかっていたんですけど、油断せずに、この一戦を勝ちきればあとの2試合も流れに乗れるとミーティングで話していたので、最初から勢いをつけていけて、最終的にかけたのは良かったのかなと思います。

――試合全体を振り返っていかがでしたか

シュートミスだったり、関東でやってはいけないようなミスがまだあって、ここで優勝することが最終目標ではないので、それは肝に銘じないといけないと思いました。

――前田選手は後半からの出場でしたが、何か意識したことなどはありますか

春季リーグはスタメンで出ていて、途中出場というのはメンタル的にも難しかったですが、前半で相手の動きを見て特徴などを捉えられたのでそれは大きかったかなと思います。

――次戦への意気込みをお願いします

最低目標は勝利なんですけど、上を目指していく中では、個人としてもゲームの内容も上のレベルを目指してやっていきたいです。

青沼健太(社学2=千葉・昭和学院)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

初戦ということで、これから秋リーグとかインカレとかを戦っていく上での初戦だというつもりでチーム全体としてやってきたつもりだったんですけど、いまいち流れのいいときに乗れなかったり、少し味方のミスが続いたときに先陣切ってプレーする人が誰もいなかったので、そこは課題だなと思います。

――きょうの自身のプレーについて

基本はいつもオフェンスだけ出場していたんですけど、きょうは1枚目DFから速攻に繋げるということでいつものサイドの人よりも違う色を出せるようにというのは意識してやってました。

――早く試合を決めようという印象を受けましたが、何かチームとしての意図はありましたか

早く試合を決めようというよりはしっかり自分たちのハンドボールをして、その結果大差をつけて勝つという
イメージをもっていたんですけど、あまり波に乗れない部分があったので、そこはもう少し改善して行きたいなと思います。

――審判の判定へのアジャストが少し難しかったように見えましたが、何か意識したことはありましたか

基本的にリードしていたので、審判(の判定)どうこうというよりかは自分たちのプレーというのを意識していたんですけど、僕個人としては審判に話し掛けてどういう基準で(反則を)取っているのかを聞くようにはしました。

――あすの試合に向けた一言をお願いします

あすもきょうと同じような展開になることが考えられるんですけど、しっかりと自分たちのハンドボールをしていって、その中で自分の味を出せるように頑張りたいと思います。