立大に敗れベスト4で幕を閉じた団体戦の翌日からインカレでは個人戦が開幕し、1日目でベスト32が決定した。早大からは7ペアが出場(うち1ペアが棄権)し、小山舞主将(スポ4=和歌山信愛)・川村真帆(スポ2=東京・文大杉並)組と松井玲奈(社1=…

 立大に敗れベスト4で幕を閉じた団体戦の翌日からインカレでは個人戦が開幕し、1日目でベスト32が決定した。早大からは7ペアが出場(うち1ペアが棄権)し、小山舞主将(スポ4=和歌山信愛)・川村真帆(スポ2=東京・文大杉並)組と松井玲奈(社1=和歌山親愛)・高嶺彩羽(人3=沖縄・八重山)組が2日目へと駒を進めた。小山・川村組はベスト8入りの活躍をみせ皇后杯への出場権を獲得し、松井・高嶺組もベスト32の成績を収めるなど来季への明るい話題も残した。


ボレーをする花園

 早大選手らの先陣を切ったのは辰巳穂乃実(基2=埼玉・早大本庄)・富澤采加(教1=東京・早実)組。長いラリーを展開するも、相手より先にミスをしてしまい失点を重ね1回戦で姿を消すこととなってしまった。吉田優奈(社2=北海道・札幌龍谷)・山本沙奈主務(社4=和歌山信愛)組は2回戦で日体大の堀・平山組と対戦。長いデュースが続く試合となるが攻めの姿勢を見せ、試合の流れを引き寄せる。しかしファイナルゲームではネットやバックアウトなどのミスが増え、ここで敗退となった。須田葵衣(社2=群馬・高崎商業)・渡邊有希乃(社3=愛媛・済美)組も1回戦をファイナルゲームの末に勝ち上がるも、2回戦目では1ゲームを奪うにとどまり敗退した。下江遥花(スポ2=和歌山信愛)・花園優帆(スポ4=東京・国本女子)組はベスト32入りをかけて四回戦目を戦った。下江の気持ちのこもったプレーで先行されたところを追いつくも、際どいところを攻めてくれる相手に押し返すことができず、2日目へと進むことはかなわなかった。


プレー中、笑顔をみせる吉田・山本組

 2日目からは9ゲームでの試合となった。松井・高嶺組の2日目初戦、宮薗・河村組(日体大)戦では、「勢いに圧倒されて、1日目みたいに仕掛けていく姿勢がとれなかった」と高嶺が振り返るように最後の全日本学生選手権となる相手4年生ペアに受け身になってしまう。終盤、高嶺がボレーで得点を重ね1ゲームを取り返すも反撃の狼煙を上げることはできず、ゲームカウント3−5で敗れた。唯一勝ち残ったのは小山・川村組は2日目初戦でダブル後衛の中西・田村組(神戸松蔭女子)と対戦し、途中に川村が乱調するもすぐにいつものプレーを取り戻し、ベスト16入りを決めた。準々決勝進出をかけ今季4回目の対戦となる原口・上田組(明大)とも試合では、小山が積極的に攻め続け川村もボレーでの得点を重ねていき、相手が付け入る隙を見せずにストレート勝ちをおさめた。準々決勝では笠井・久保(日体大)組と当たることになった。小山は4年前のインハイ決勝で高校同期である笠井と同士討ちで当たっていたため、インカレでは順々決勝で当たってしまったことはショックであったと振り返る。攻めてくる相手に粘りをみせることができず敗北となり、試合後「4年前と一緒で実力不足です」と小山は語った。


ラリーをする松井

 結果として小山・川村組はベスト8入りを果たし、10月の皇后杯への出場権を獲得した。1年生の松井も初のインカレで2日目へと駒を進めるなど、今後の早大にとっても収穫のある大会となったかもしれない。皇后杯ではトップレベルの選手と当たることになるが、「残りの試合楽しんで終われたらなと思います。」と川村は語った。


ガッツポーズする小山

(記事、写真 河合智史)

コメント

小山舞主将(スポ4=和歌山信愛)・川村真帆(スポ2=東京・文大杉並)

――今回の結果はどうでしたか

小山 もちろん優勝はしたかったですけど、ここまで来れるとも思ってなかったし真帆がこんなに頑張ってくれるとは思わなかったので、結構満足しています。

川村 舞さんが3年連続ベスト8なので、最悪そこには入らないとと、むしろ最後に今までを越えたいなと思っていました。でも最後がゆきさんだったので、そこまでは絶対にいって今季ずっと負けてたので勝ちたいなとは思っていたんですけど、まあちょっとダメだったんで、目標的には最低基準はクリアしたんですけど達成はできていないかなという感じです。

――1日目はどうでしたか

小山 ゲームはとられたけど負けはしないなという、団体終わって気が抜けた感じではありましたけど良い感じで気が抜けたくらいで負ける気はしなかったですね。

――2日目の最初の相手はダブル後衛でしたが、どう戦おうとかありましたか

小山 関西の友達にいっぱい聞いて(笑)、徹底して片方を狙っていったんですけど、関西人らしいテニスでしたね。

川村 途中結構自分がやらかして競らなくてもいい相手に3ゲームとられちゃったんですけど、ファイナルゲームにいかずにギリギリ耐えられたので、そこは良かったです。

――明大戦はストレート勝ちでした

小山 お互い知っていると思うので、真帆にとっては(相手が)文大杉並の先輩だから勝たせてあげたいとなと思ったし、原口は年下なので4年生の意地を見せようかなと思ってやりました。

川村 今回対戦が4回目で結構苦手だったんですけど、逆にいつもやられるところは分かっていて、今回当たるだろうなとなんとなく自分の中でも想定はしていたので、焦らず入ることができて変なミスもなく、後衛が無双していたので特に何もすることなく。相手の前衛が前の試合でファイナルゲームまでいったこともあって疲れていたので、それにはすごい助けられました。

――最後の日体大戦は

小山 4年前にインハイの決勝で対戦している同じ高校の同期で、ここで当たっちゃうかみたいな感じで結構ショックでした。決勝で当たりたかったなという思いは強かったですけど、4年前と一緒で実力不足です。

川村 前も話したんですけど、前衛の差が出ちゃうなという。後衛は実力で言っても引けをとらないくらいなので、前衛のポイントの絡み方とか決定率とかフォロー、サーブレシーブとか全部でちょっとずつ差が開いたと思います。

――ペアで組むのは一区切りついた感じがありますが

小山 結構ぽんこつだったんですけど、去年、来年は川村と組むのかと思うと自分もっとしっかりしなくちゃと思って、でも意外と結構練習して付いてきてくれて、ここまで成長しくれるとも思わなくて、人って変われるんだなと思いました。なんなら文大杉並の先輩にも自分の力で勝つくらいまで成長しれくれたんで、今後はもっと成長してほしいと応援しています。

川村 高三の時に宮崎で競技者育成プログラムへ行ったときに、舞さんが大学2年生の時に一緒で、自分が早稲田に入ることは決まっていたので、冗談もあったと思うんですけど由佳さん(平31社卒)が引退したら、組むかもしれないと言われていて、結構自分のなかでは構えていたんですよ。組ましてもらったとしたらこっちとしてもうれしいし、なので前から意識はしていたんですけど、組んでみるとやっぱり強いので頼りすぎた部分もありました。今回の団体戦や個人戦も、背中で語るタイプなのでプレーで引っ張ってくれたり練習とかも締まってやるタイプなので、自分でいいのかなという感じはあったんですが、だんだん一緒に勝たせてあげたいという、最後どうにかしてでも、という感じでできることはやりたいと思って練習していました。最後まだ小山・川村解散せずに済んだので、残りの試合楽しんで終われたらなと思います。

松井玲奈(社1=和歌山親愛)・高嶺彩羽(人3=沖縄・八重山)

――お疲れ様でした。以前にペアを組んだことはありますか

高嶺 東日本学生選手権とか関東学生選手権では組んでいたんですけど、松井は1年生なので初全日本学生選手権でした。

松井 楽しかったです。めちゃめちゃプレッシャーがあったわけでもないので、高嶺さんが思いっきりやらせてくれて、楽しく1年生らしく向かっていけたと思います。

――どこまで行こうなどの目標はあったのですか

高嶺 特に話はしてなかったですね。自分的には皇后賜杯全日本選手権に行きたいなというのはありました。

――2日目はなかなか流れを掴めませんでした。振り返っていかがですか

高嶺 相手が4年生ペアだったので、最初勢いで圧倒されちゃって、自分たちも1日目みたいに仕掛けていく姿勢がとれませんでした。そこは悔いが残っています。

――話は変わりますが、この代で臨む試合も残りわずかとなりました。この代はどうでしたか

松井 半年しか自分は関わっていないですけど、大学は高校とはまた違うチームの作り方をするなと感じました。大学生で厳しい上下関係があったりとか監督に厳しく言われたりはないけれど、4年生さん中心にアドバイスしてくれたり、ダメなことはダメと言ってくれたり、大学生ってこういうのなんだと初めて感じたのがこのチームでした。学年ごとにいい個性があり、学年ごとのまとまりもあったのでいいチームだったなと思います。

高嶺 自分達の学年も一個上の学年も部員が少ないので、同じ学年ではないですけど、すごくコートの外では和気あいあいと仲良くやっていました。今回のインカレで、特に団体戦では4年生の方たちがすごい頑張っていて、4年生の意地を見たので良かったなと思います。