2020年東京五輪・パラリンピック会場となっている東京都の新設ボートコース、海の森水上競技場で行われた2019世界ボート…

2020年東京五輪・パラリンピック会場となっている東京都の新設ボートコース、海の森水上競技場で行われた2019世界ボートジュニア選手権が、11日に閉幕した。男女14種目50以上の国と地域の若き代表選手が集結しU-19の世界チャンピオンを決めるジュニア世代の世界最高峰の国際大会は、連日熱戦が繰り広げられた。

日本代表選手も多数出場したが、残念ながら全組準決勝に進むことはできず、順位決定戦に回る結果となった。しかし今後の国際大会に向けて代表選手の強化を図るため、またこの舞台を経験するという点において、重要な意味を持った大会となった。
ボート競技とは、水上の直線コースでオールを使いボートを漕ぎ、順位を争う競技だ。カヌーとは逆で進行方向に背を向けて漕いでいく。五輪では2000mの距離を争う。ボートに足を固定しレール上に設置されたシートが前後に動くため、主に脚力が大事になってくる。初めてボート競技を体感すると最初はお尻が痛くなるほど負荷がかかるもので、体幹の強さや持久力が重要となってくる。

また1人で漕ぐシングルスカルを除きボート競技は2人以上のチームで行うため、1人1人の能力はもちろんチームワークが求められる。クルー全員が一体となって戦う究極の団体スポーツとも言われている程だ。全選手の息や動きが揃わないと、リズム良く速くは進んでいかない。

観戦ポイントのひとつはスタートの迫力と、1500mを超えてからの0.1秒を争うラストスパートのしのぎ合いだ。今大会で最終日に行われた、決勝Aでも多くの組で最後デッドヒートが繰り広げられ、観客席からは各国を応援する大声援が送られていた。男子のクオドルプルに出場した島田隼輔(日本大学1年)選手も、1750m以降の1番苦しくなってくるところの選手たちの表情にも注目してもらいたい、と話していた。

迫力や技術、一体感を感じることができるボート競技、日本代表が東京五輪に出場するためにはまず8月25日にオーストリア・リンツで開幕する世界選手権で出場枠を獲得することからスタートする。

テスト大会を兼ねて行われた世界ボートジュニア選手権、観客席での各国の盛り上がりを見ると、五輪本番ではどんな雰囲気となるのか…大きな期待を抱かせてくれた。新設ボートコース、海の森水上競技場が世界に認められる会場となるためにも東京五輪は重要な位置づけとなってくる。
2020年東京五輪のボート競技は、7月24日男子シングルスカル予選で開幕する。
