ニック・キリオス(オーストラリア)ほど、多くの称賛と共に酷評も受けている選手はなかなか、いないだろう。それは、彼が子供時代から変わっていない。「俺は、すごく太った子供だったんだ」と、ATP50…

ニック・キリオス(オーストラリア)ほど、多くの称賛と共に酷評も受けている選手はなかなか、いないだろう。それは、彼が子供時代から変わっていない。「俺は、すごく太った子供だったんだ」と、ATP500 ワシントンD.C.(シティ・オープン)準決勝が終わった後、記者にそう語ったと米テニスメディアTennis World USAが報じた。

身長193cmで体重85㎏という、すらりと背が高くて細身の現在の彼の姿からは想像もつかないが、ジュニア時代のキリオスは全く違う体型をしていたようだ。「他人の意見なんて聞く必要ない。」

「コーチや先生にも、俺が選んだテニスの道で成功することはないと言われたよ。人はそういうネガティブな意見に左右されがちだけど、俺は多くの人間が間違っていることを証明してるんだと思う」

「世界で一番の選手を倒したこともある。そして、俺は自分のやり方でやってきてる。そのスタイルを変える気はないよ。そんな俺のやり方にインスパイアされる人もいると思っている。他人の意見なんて聞く必要ない。自分をコントロールして信じることさ。それ以上に大切な事なんて、無いんだよ」とキリオスは続けた。

「ニックはおもしろい」

キリオスが倒した準決勝の対戦相手であり、今大会でのダブルスパートナーでもある、現在世界ランキング5位のステファノス・チチパス(ギリシャ)は「彼を大好きな人もいるし、嫌う人もいるけれど、テニス界には彼みたいな選手が必要なんだと思う。そうでなければ、全てがシリアスすぎてしまう。彼はおもしろいよ」「ニックは過小評価されている。僕たちのライバル関係は、先行きが明るいと思っている。今後何度も対戦することになるだろうね」とキリオスを称賛した。

キリオスはその後、決勝で現在世界ランキング9位のダニール・メドベージェフ(ロシア)に7-6(6)、7-6(4)で競り勝ち今季2勝目を挙げた。これにより5日発表の世界ランキングでは、52位から27位にランキングを上げ、43週ぶりにトップ30に復帰。

今回対戦したメドベージェフも「プレー意欲があるときのニックがどれだけ強いか知っているから、本当にタフなマッチだった」と語っている。今後も"勝利への意欲"を持続させた、強いキリオスの活躍を期待したい。

(テニスデイリー編集部)

※写真は2009年3月オーストラリアでプレーするニック・キリオス(Photo by Karleen Minney/Fairfax Media/Fairfax Media via Getty Images)