テイラー・フリッツ(アメリカ)が元WTAランキングトップ10の母キャシー・メイとの12歳の時に戦った混合ダブルスを語った。テイラー・フリッツはATPツアーで成功するという目標を突き進んでいるア…

テイラー・フリッツ(アメリカ)が元WTAランキングトップ10の母キャシー・メイとの12歳の時に戦った混合ダブルスを語った。

テイラー・フリッツはATPツアーで成功するという目標を突き進んでいるアメリカの期待の若手選手だ。成長を続ける彼だが、地元サンディエゴで開かれた、とある大会が彼の大切な記憶を呼び起こす。12歳の時、彼の母で元トップ10のスター選手でもあるキャシー・メイ・フリッツ(アメリカ)と組み、地元クラブの有名な親子大会に出場したのだ。

「最も大きい親子トーナメントの一つである大会が僕が住んでいるサンディエゴで開かれたんだ。迷う事なく僕らはプレーする事にしたよ」と話すフリッツ。「母は元トップ10の選手で当時もたくさんプレーしていたし、確実にあの大会で一番テニスが強かった母親だったよ」

「僕はまだ12歳で、母と僕はおそらくとても近いレベルだった。母の方が上だったと思うけど。大学生やそれより上の選手たちを相手にタフな戦いだったけど、準々決勝まで進んだよ」

準々決勝ではリードしていたが、キャシー・メイは予期せず、ふくはらぎを負傷してしまった。しかし、勝つ事に対しての執着心が強いテイラーは、歩くのも痛がる母親にプレーを続ける事を強いたのだった。

「試合の中盤で母親が負傷し、本来なら彼女はそれ以上プレーすべきではなかった。しかし僕はまだ12歳の子どもで、どうしても勝ちたかった。それで母にプレーを続け、勝利で終わるよう強要してしまったのさ」

「トーナメントでは3位になったけど、とてもおかしいよね。ろくに歩けない母にプレーさせてしまったのだから。今振り返れば、地元で開かれた、ただの親子大会なのに、子どもの頃の僕にとって、その時は勝つ事が全てだった」

フリッツのこのような勝利に対する情熱が前面に出てきている今年、21歳でランキング28位まで上げてきている。6月の「ATP250イーストボーン (Nature Valley International)」でサム・クエリー(アメリカ)に勝利し、見事優勝を飾り、先週の「アトランタオープン」でもアレックス・デミノー(オーストラリア)に敗れはしたが準優勝という好成績を残した。 フリッツは、母親のサポートがあったからこそ、今の自分があると認めている。母親であるキャシー・メイは可能な限りATP大会に帯同し、プライベートでも戦略面も含めて息子を支えている。

「コートで母と多くの時間を過ごし、たくさんのことを教えてもらった。それは、間違いなく僕の道を助けてくれたんだ。決断するときの助けにもなるし、トーナメントではコーチングもしてもらって、戦略的アドバイスも与えてくれるよ」

現在はロサンゼルスの近くに住んでいるフリッツだが、いつか1位になって母とともに、ビーチで勝利を祝う姿を見かけられる日が来るだろう。

「もし本当に望みが叶うなら、あの時のように戻る事もあり得ると思うよ。もう大学生相手に苦しめられることもないと思うし。きっと楽しめるだろうね。」

そんな思い出を語ってくれたフリッツは、ATP1000モントリオール(Coupe Rogers)2019年で世界ランク44位のホベルト・ホルカシュと対決予定。 

*写真は2019年ATP250 イーストボーン(Nature Valley International)で優勝したフリッツ

Photo by Mike Hewitt /Getty Images

翻訳ニュース/ATPTour.com