全日本フィギュアシニア強化合宿に参加した三原舞依

 昨シーズンの三原舞依は、なかなか思いどおりにならない体調やコンディションのなか、持ち前の頑張りで、メダル争いに踏みとどまって戦っていた。万全でない状態だったこともあり、タイトルはひとつも取れず、表彰台を逃す4位に甘んじた試合が2大会(NHK杯と全日本選手権)あった。今季もまた、持病(関節に痛みが出る若年性特発性関節炎)と付き合いながらの戦いとなる。

 7月15日の全日本シニア強化合宿で久しぶりに見た三原は、少々心配になるくらいほっそりしていた。これについて本人はこう話している。

「オフシーズンは春からトレーニングを主にやっていて、陸上でのトレーニングをレベルアップさせつつやってきました。陸上トレーニングに力を入れた理由は、やっぱり基礎体力が本当にないので、つけていかないといけないということで、だいぶ前から続けていたトレーニングをちょっとレベルアップしてもらったという形です。春先にやっていた時点ではすごく手応えがあったんですけど、いまは(体力を)ちょっとまだ戻せていない状態なので、体力を戻すことに重点を置きながらやっています」

 ロシアの若手が続々とシニアに参戦してくる今季、三原はショートプログラム(SP)、フリーともに、挑戦的なプログラムを作ってきた。

「昨季はフリーが2シーズン目だったので、久しぶりにSPもフリーも両方とも新しくなったなと感じながら練習に取り組んでいます。やっと夏にフリーが完成して、SP、フリーともに振り付けが終わりました」

 SPは『La Gitana』でデイビッド・ウィルソン氏の振り付け。フリーの『フェアリー・オブ・ザ・フォレスト&ギャラクシー(ピアノバージョン)』は、三原が憧れる浅田真央のプログラムを長年手がけてきたローリー・ニコル氏が担当した。

「SPはデイビッドさんからは『スパイシーにやってほしい』と言われたんです。ピリッとくるような強い表現や柔らかい表現をやりつつ、女性らしく、ちょっと強い女性を演じ切れたらいいなと思っています。2年前にやっていたタンゴのプログラムがいま生きているなとすごく感じています。

 フリーは『フェアリー・オブ・ザ・フォレスト』という曲と、『ギャラクシー』のピアノバージョンを組み合わせた曲なんですけど、すごくきれいな、最初から最後まですごく大好きな音楽で、初めてローリー・ニコルさんに振り付けをしていただいたプログラムになります。トロントで2週間ほどスケートに対する思いとか、手の動かし方、目線の送り方とか、すごくたくさんのことを学ぶことができたので、それを全部込めて演じていきたいと思っています」

 現役引退まで浅田とタッグを組んできたニコル氏に自分のプログラムを振り付けてもらうことは、念願だったという。

「こんな日が来ることが信じられないくらいうれしくて。お会いした時には、夢かなと思うぐらいびっくりしてしまいました。いろいろな選手たちのプログラムを見ても、ローリーさんの振り付けはスケーティングやスケートに対する思いを感じます。憧れの選手をずっと見てきた先生なので、(そのニコル氏にも)憧れがずっとありました。振り付けをしていただけるとは思っていなかったので、しっかりと頑張りたいです」

 新しいジャンプとしてトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)にも挑戦しようとしていたが、体調面で不安がある状況では中断せざるを得なかったようだ。

「春の合宿ではだいぶやっていたんですけど、いまはまだちょっと取り組めていない状態です。とにかく今は体力を戻すことを一番にやっています」

「しっかり戻すので、待っていてください」と言う三原。2015年の終わりに病気が判明してから、この難病とつきあいながら世界のトップスケーターに成長してきた19歳には「希望」と「目標」がしっかりとある。まずは体力をつけて、戦えるコンディションを整えてリンクに戻ってきてほしい。そして、今季もまたトレードマークの「舞依スマイル」を見せてもらいたいものだ。