早稲田に現れたスーパールーキーコンビ。新しい環境に変わってからの振り返りと、初めての早慶戦に向けての意気込みを伺った。※この取材は6月25日に行われたものです。縦への突破が持ち味の西堂選手――前期リーグ第8節までは振り返っていかがでしたか…

 早稲田に現れたスーパールーキーコンビ。新しい環境に変わってからの振り返りと、初めての早慶戦に向けての意気込みを伺った。

※この取材は6月25日に行われたものです。


縦への突破が持ち味の西堂選手

――前期リーグ第8節までは振り返っていかがでしたか

西堂 一年生だからね、まだ、勝ちだす前はみんな迷いながらサッカーしててモヤモヤしてる感じで。ここ最近はみんなでやることを共有できてて吹っ切れた感じがあります。そこから流れが変わったかな。

山下 同じですね。良い流れというか、同じ方向を向き出したっていう感じですかね。

西堂 試合中もみんな本当に迷いながら、何してるかわからないって状態だったのが、最近はなくなって。よくはなってます。

――早稲田に入ってどうですか

西堂 練習参加を高3の6月ぐらいにして、雰囲気とかはその時に感じた通りで明るくて良い雰囲気だなと思ってきました。それはそのままで良かったです。

山下 練習参加にはあまり行かなかったんですかど、入ってからみんな声を出して、高校の時は声を出すチームじゃなかったのである意味新鮮でした。

西堂 高校よりもレベルも高いし。

山下 最初はきつかったけどもう慣れましたね(笑)。

西堂 ここ一週間ぐらいは早慶戦に向けてハードだけどね(笑)。

――個人のプレーはどうでしたか

西堂 やれないことはないって思います。ね?(笑)

山下 まぁ、うん。

西堂 あとはどこまで上にいけるかですね。成長したいです。突破して終わってるので、あとはアシストとかゴールとか具体的な数字にこだわってやっていくことが目標ではありますね。

山下 やれることはやれるんですけど、先輩たちがつくってるチームに乗っかってるだけなので、自分が試合を引っ張ってチームを勝たせる選手になれるようにしたいです。

――印象に残ってる試合はありますか

西堂 やっぱり東洋かな。

山下 初勝利だもんね。

西堂 ももくん(大桃海斗主将、スポ4=新潟・帝京長岡)泣いてたし、心打たれた。

山下 東洋だね、やっぱり。初めてリーグ戦で勝って紺碧の空歌えたね。

西堂 チームとして苦しかったし、ようやくって感じでしたね。。

――ここまでのリーグ戦のMVPには誰を選びますか

山下 自分はゴリくん(加藤拓己、スポ2=山梨学院)。やっぱり入ってきて正直ガラッと流れが変わったし、実際に勝ち始めたし。かなり大きい存在ですね。

西堂 自分は金田くん(拓海、社4=ヴィッセル神戸U18)ですね。常にハイレベルなパフォーマンスを見せてますし、あの人のプレースタイルが単純に好きってのもありますけど(笑)。

――アミノバイタルカップを振り返っていかがでしたか

山下 結局リーグ戦も順位が上のチームには勝ててないんですよね。法政にも負けちゃって。そこは現実なのかなと思ってしまいます。

西堂 でも早稲田ならってのもあるよね。まぁ法政は上田綺世がすごすぎる(笑)。

山下 普通に出てきたからね(笑)。でも勝てないわけじゃない、何かが足りない。

――チームとして足りないところは

西堂 守備力だと思う、失点が今年多いかな。得点力が下がった分頑張らないといけない部分だよね。

山下 守備に対する意識をあげないと。

西堂 ゴール前であっさり失点しないように対人とかを中心に練習でも取り組んだりしてます。

――お互いのプレーの印象はいかがですか

西堂 キックとキープ力。相手に取られないんですよ、自分は逆に取られちゃうことが多いですね(笑)。どんどん裏にその正確なキックでパスをくれ。

山下 早稲田の戦術がもうこいつ。とりあえず預けて前までいかせて、ラインも上げて。欠かせないです。あとは点を取ってくれるだけです(笑)。

――自分自身の評価はいかがですか

西堂 中央戦とかはチャンスがあったのに点取れなかったのでまだまだですね。1年ですけど、自分たちが突き上げて上級生が焦れば競争が生まれて活性化されるので、自分たちがやってやろうとは常に思っています。

山下 大学1年生ではあるけど、同じ世代でプロで活躍してる選手は日本でも世界でもいるし、関係ないかなって。

西堂 ここで出てるのは遅いくらいだよね。

山下 中心選手にならないとっていうのは思うね。チームから求められないといけないし。

西堂 高校の時は求められるプレーとやりたいプレーのギャップに悩むこともあったんですけど、今は外池さんが自由にやらせてくれるので。

山下 たしかに自由にやらせてもらってるよね。

――プレー以外の印象はいかがですか

西堂 知り合ったのは高1だね。二人ともグダグダするのが好きなんですよ。オフの日は一日中寝ることもありますね。

山下 それかめっちゃしっかり予定立てて出かけることもあるよね。

西堂 入間とか吉祥寺とか行ってるね。

山下 アウトレットと映画か。

西堂 同部屋なんで基本いる、って感じだよね(笑)。

山下 同部屋が同い年っていうのは大きい、本当に良い(笑)。めっちゃ楽、気使わなくていいし。


視野が広く、周りの選手を生かすことも得意な山下選手

――アンケートでお答えいただいた質問についてです。意外な一面をもった選手をあげてもらいました

西堂 山下は洗濯物たたむの上手なんですよ、お母さんみたいに(笑)。

山下 水野(雄太、スポ1=熊本・大津)です。ゲーマーなんですよ。携帯でずっとしてます。

西堂 俺もゲーム好きだけどあれはすごい好きだよね。

――中心選手は

西堂 金田くんですね。わけわからないぐらい走ってますね。客観的に見たら絶対面白い選手ですよ。

山下 ボランチで一緒に組んでて、ボール持つと絶対に顔出してくれるし、守備でもそこまでいくの?みたいなのあるし。攻撃のときもそこにあるの?ってなる。

西堂 すげぇなぁって思う。

山下 派手なフェイントとか目立ったプレーはしないけど、なんて言うんだろ。

西堂 影の支配者?(笑)

山下 そんな感じだよね(笑)。かっこいいよね。

西堂 視野がめっちゃ広いんですよ。

山下 自分はくわくん(鍬先祐弥、スポ4=東福岡)です。自分は守備得意じゃないんですけど、ボールを奪う力がずば抜けてる。参考にさせたもらってます。寄せるタイミングとかが強いっていうか上手い。

西堂 守備職人だよね。

――大桃主将の印象は

西堂 試合中誰よりも声出してるし、キャプテンとしてかっこいい。

山下 めちゃくちゃごつい(笑)。

西堂 怪獣みたい、いい意味で!(笑)。安心するし。

山下 本当に頼もしいです。

――4年生全体の印象は

西堂 ピッチ外でも就活だったりで忙しそうなのに、サッカーもあるから。

山下 大変なんだなって思う。

西堂 自分たちはサッカー頑張るのと、仕事をやるぐらいなので。

山下 俺らが4年になったときが楽しみじゃない?

西堂 そうだね、何なら3年ぐらいから!

――今後どんな選手になりたいですか

西堂 大学生の枠を超える活躍をしたいな。2、3年後にプロで活躍できるような。上田綺世級は目指さないと。

山下 今3年生だよね?

西堂 すごいよね、本当に。あれくらいになれるように頑張ります。

山下 けがだけは本当にしないようにしないとね。高2の夏から高3の春まで腰のヘルニアで離脱してたので本当に嫌ですね。

西堂 俺も合わせたら高校1年間分やってないんだよね。オスグッドで8ヶ月、シンスプリントで4ヶ月で計12ヶ月。

山下 1年棒に振るともうね。

西堂 本当に苦しかった。

山下 ちょこちょこけがするタイプじゃないことだけが良かったですかね。

西堂 高校の時はけがしても言いづらい雰囲気もあったりしたんですけど、この組織は全くないんですよ。ちょっと痛かったら別メニューにしてもらったりで未然にけがを防いでる感じがします。

山下 雄大くん(蓮川雄大、スポ4=FC東京U18)と太一くん(武田太一、スポ4=ガンバ大阪ユース)とか主力がけがしちゃってるけど。

西堂 それも良い意味で捉えるしかないよね。チームが苦しいときこそ、って。けが人が多いのはチーム全体で見たら良くないことだけど。チャンスでもあるよね。

山下 俺らもけがしないようにしないとね。

――早慶戦は見たことありますか

山下 ないです。

西堂 テレビで見ました。

――早慶戦のイメージは

山下 早慶戦と言えばラグビーってイメージが強いんですよ(笑)。いまいち分からないよね。

西堂 本当に未知の世界だよね。これが早慶戦か!ってなりたい。なりたくない?

山下 なりたいなりたい!観客もすごい多いし。

西堂 でも今年金曜日開催だし少ないのかな。

――早慶戦の目標を教えてください

西堂 まずは出るのが目標で、出たらアシストがしたいですね。最低でも。今の力量を考えればあわよくばゴールかな。

山下 出たらどうこうっていうのはあまりないんですけど、出たいですね。

西堂 出たら必死にやるしかないよね。

――注目選手はお二人とも加藤選手をあげています

西堂 あの人が試合を決めます。そういうことです。注目してくださいって言わずともされるよね。

山下 本当にすごいからね。

――最後に早慶戦への意気込みをお願いします

西堂 全身全霊で臨む。これが意気込みです。

山下 伝統ある一戦だと思うので…。

西堂 そういう固いのいらん(笑)。

山下 いいじゃん(笑)。チームの勝利に少しでも貢献できるように頑張ります。

――ありがとうございました!

(取材・編集 大山遼佳)


色紙にはそれぞれ「突破」「往なす」

◆西堂久俊(にしどう・ひさとし)(※写真右)

2001年(平13)3月27日生まれ。身長180センチ、体重73キロ。千葉・市船橋高出身。スポーツ科学部1年。終始笑顔で取材に応じてくださった西堂選手。「未知の世界」である早慶戦が迫り、ワクワクしているそうです。

◆山下雄大(やました・ゆうだい)(※写真左)

2000年(平12)8月23日生まれ。身長179センチ、体重73キロ。千葉・日体大柏高出身。前所属・柏レイソルU18。スポーツ科学部1年。同部屋の西堂選手とは仲良く、オフの日には一緒に映画など見に行くという山下選手。初めての早慶戦はピッチに立ちたい!と力強く語ってくださいました。