デトマソ・アウトモビリは、英国で開催された「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード2019」において、『デトマソP72』(De Tomaso P72)を初公開した。デトマソは1959年、イタリアに設立された名門ブランドだ。1971年に…

デトマソ・アウトモビリは、英国で開催された「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード2019」において、『デトマソP72』(De Tomaso P72)を初公開した。

デトマソは1959年、イタリアに設立された名門ブランドだ。1971年に発表したスーパーカー、『パンテーラ』が有名。しかし、2003年に創始者のアレハンドロ・デトマソ氏が死去したのを受けて、会社としてのデトマソは2004年に解散している。

デトマソ・パンテーラは、イタリアンスーパーカーの名車の1台。イタリアのデトマソ社と米国のフォードモーターが共同で開発し、1971~1994年に生産された。エンジンは、フォードモーター製の5.8リットルV型8気筒ガソリンを搭載していた。

新生デトマソ・アウトモビリは、英国で開催されたグッドウッドフェスティバルオブスピードにおいて、デトマソP72を初公開した。デトマソ創業60周年の節目に合わせてのブランド復活となる。

◆1960年代のデトマソP70に敬意を示して開発

新生デトマソ・アウトモビリは、香港を拠点とするアイディアル・ベンチャーズ(IdealVenture)がオーナーを務める。AMG(現在のメルセデスAMG)の創設者のハンス・ヴェルナー・アウフレヒト氏と、シボレー『コルベット スティングレイ』やシェルビー『デイトナ コブラ クーペ』のデザイナーのピーター・ブロック氏も、デトマソP72のプロジェクトに参画しており、5年間の期間をかけて開発が行われた。

デトマソP72は、1960年代のデトマソ『P70』プロトタイプレーシングカーに敬意を表してデザインされた。P70は1964年、キャロル・シェルビーの依頼を受けて、デトマソが製作したプロトタイプレーシングカーだ。

◆アポロの新型ハイパーカーとカーボン製モノコックを共用

デトマソP72は、ドイツのスポーツカーメーカー、アポロオートモビルの新型ハイパーカー、『インテンサ・エモツィオーネ』(IE)と、カーボンファイバー製モノコックシャシーを共用する。インテンサ・エモツィオーネは、アポロ初のハイパーカーだ。迫力の大型リアウイングにガルウイングドアなどのディティールが、強い存在感を発揮する。

ボディサイズは全長5066mm、全幅1995mm、全高1130mm、ホイールベース2700mm。アポロオートモビルによると、エアロダイナミクス性能は「LMP2」カテゴリーのレーシングカーに匹敵するという。ミッドシップに搭載されるのは、自然吸気の6.3リットルV型12気筒ガソリンエンジン。最大出力780hp/8500rpm、最大トルク77.5kgm/6000rpmを引き出す。

オールカーボン製シャシーなどの採用により、車両重量は1250kgに抑えられた。前後重量配分は、45対55。トランスミッションはパドルシフト付きの6速シーケンシャル。インテンサ・エモツィオーネは、0~100km/h加速2.7秒、最高速335km/hの性能を発揮。300km/hで走行中、1350kgものダウンフォースが得られる設計としている。

◆1台75万ユーロで72台のみを生産

デトマソP72のパワートレインは、現時点では明らかにされていない。ミッドシップレイアウトを採用し、トランスミッションはMTを組み合わせる。室内は2シーターとした。

P72はFIA(国際自動車連盟)の「LMP2」レギュレーションに適合するよう設計されており、72台のみを生産する。価格は、およそ75万ユーロ(約8780万円)を想定している。

デトマソ P72(グッドウッド2019)《photo by De Tomaso》

デトマソ P72(グッドウッド2019)《photo by De Tomaso》

デトマソ P72(グッドウッド2019)《photo by De Tomaso》

デトマソ P72(グッドウッド2019)《photo by De Tomaso》

デトマソ P72(グッドウッド2019)《photo by De Tomaso》

デトマソ P72(グッドウッド2019)《photo by De Tomaso》

デトマソ P72(グッドウッド2019)《photo by De Tomaso》

デトマソ P72(グッドウッド2019)《photo by De Tomaso》

デトマソ P72(グッドウッド2019)《photo by De Tomaso》

デトマソ P72(グッドウッド2019)《photo by De Tomaso》