アウディ(Audi)は英国で4~7日に開催されたグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード(Goodwood)の会場にて、新たなカスタマーレーシングモデル「R8 LMS GT2」をアンヴェールした(現地5日の発表・公開)。近年、カスタマー…

アウディ(Audi)は英国で4~7日に開催されたグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード(Goodwood)の会場にて、新たなカスタマーレーシングモデル「R8 LMS GT2」をアンヴェールした(現地5日の発表・公開)。

近年、カスタマーレーシングモデルの開発~市販、そしてチーム支援に積極的な姿勢を見せているアウディ(アウディスポーツ)が、グッドウッドで新たに「GT2」マシンを公開した。

かつてアウディのプロトタイプマシンの主戦ドライバーを務め、ルマン24時間レースで個人最多9勝(総合優勝回数/アウディで7勝)を誇る“レジェンド”トム・クリステンセンらによってアンヴェールされたマシンの名は、「R8 LMS GT2」。その470kW(640hp)という出力は、11年におよぶカスタマーレーシングプログラムの歴史において最もパワフルだという。

アウディにとってはGT3、GT4、TCRといった諸カテゴリー用に続くカスタマーレーシングモデルのリリースとなるが、それらに比べるとGT2というのは最近のレース界ではあまり耳にしない単語である。アウディは今回の発表資料のなかで「R8 LMS GT2は将来のレーシングカテゴリーを創造するレースカー」「GT2は2020年には欧州と北米で活況を呈する」としており、近未来のGT2カテゴリーの発展に向けて牽引役を担おうという意欲が垣間見える。

GT2に関しては、世界のハコ車レースに大きな影響力をもち、インターコンチネンタルGTチャレンジなどの上位シリーズを展開する団体「SRO」が注力していく意向を昨年から示してもいる。数字が示すようなGT3の上という位置付けではないようで、様々な意味でプロ化が進むGT3に対し、ジェントルマンドライバーでも扱えるパワフルなマシンのカテゴリーとしてGT2を“再生”する意向と見られている(今回のアウディの発表資料にも、GT2は現在のGT3とGT4の間のギャップを埋める、という表現あり)。

R8 LMSのなかでも最もパワフルなバージョンとなる「R8 LMS GT2」の価格は33万8000ユーロ(約4056万円)+税とされ、今年12月にデリバリー開始予定となっている。