先月13日、バスケットボール界では大きな出来事が起こった。NBAファイナル2019第6戦で、トロント・ラプターズがゴールデンステイト・ウォリアーズに114-110で勝利し、球団史上初のリーグ制…

先月13日、バスケットボール界では大きな出来事が起こった。NBAファイナル2019第6戦で、トロント・ラプターズがゴールデンステイト・ウォリアーズに114-110で勝利し、球団史上初のリーグ制覇を達成。アメリカ合衆国外から優勝チームが出たのは、NBA設立から73年で初めてのことだ。その勝利を祝い、18日に現地では盛大な優勝パレードが行われ、ウィンブルドンの地に居るカナダ人テニス選手たちも、遠くから祝福のメッセージを届けた。

中でもネクストジェネレーションATPファイナル期待の若手選手、デニス・シャポバロフはインタビューで、「カワイ!お願いだから来期もラプターズに残ってプレーして!」と同チームのスター選手カワイ・レナードのラプターズ残留を懇願した。「カワイは、カナダに来てシーズンを通して毎試合、全てを出し尽くしてくれた。尊敬してる。本当にすごいことだよ。彼は生涯トロント、ひいてはカナダの英雄として称えられるはずさ。」と興奮をあらわにした。

シャポバロフと、同じくカナダの選手フェリックス・オジェ アリアシム、ミロシュ・ラオニッチは、ラプターズのNBA優勝を祝福し、チームのチャンピオンシップTシャツを身に着けて写真撮影を行い、その模様はラプターズのインスタグラムでも紹介された。「信じられないよ!トロントにとっても、カナダにとっても、彼らの成し遂げたことは、バスケットボールだけに留まらない!国中が一丸となって試合を見届けたんだ!本当にすごいこと!嬉しいよ!この1年間頑張ってきた選手たちには、心からおめでとうと言いたい!」とシャポバロフは続けた。

2016年ウィンブルドン男子ジュニアシングルスで優勝した経験を持つシャポバロフ、今年はATPマイアミでも準決勝へ進むなど躍進しており、ウィンブルドンでも活躍を期待したが、すでに初戦でリカルダス・ベランキスに敗れている。

また18歳のオジェ アリアシムは、昨年ランキング152位で、ウィンブルドンに出場していなかったものの、現在は自己最高の21位に付けており、ウィンブルドン初参戦では奮闘してくれることだろう。初戦では同じくカナダのバセック・ポスピショルと対戦し、すでに勝利を収めており、順当に勝ち上がると4回戦でノバク・ジョコビッチと対戦する可能性がある。

元世界3位のラオニッチは、ウィンブルドンの芝は得意のようで、過去4回準々決勝以上に駒を進めており、2016年には決勝も経験している。2019年も初戦はすでに突破しており、ドロー上ではジョコビッチやナダル、フェデラーといった3強とは別の山にいるため、かなり上位に食い込む確率が高いだろう。

ところで、前述のトロント・ラプターズは、NBA30チーム中、現在アメリカ合衆国以外の国に拠点のあるただ一つのチーム。チーム名の"Raptor"とは恐竜の一種ラプトルを表しており、創立した1995年に大ヒットしていた映画「ジュラシックパーク」から名づけられた。カナダ出身で世界的に人気のあるラップ歌手ドレイクをチームのアンバサダーとして起用しており、若者ファンの取り込みに成功している。そんなラプターズは、2018年に大手ハンバーガーチェーンのマクドナルドとスポンサー契約を結び、面白い確約を得た。

それは、ラプターズが1試合でスリーポイント・シュートを12回決めた場合、オンタリオ州のマクドナルドでMサイズのポテトを無料で配布するというもの。まさかマクドナルドも、ラプターズがこんな躍進をするなどと思いもしなかったのだろう、70万食ほどと予想された数は、最終的に200万食を優に越したという。じつはラプターズとマクドナルドがこの契約をした、たった18日後に、ラプターズはチームの中心選手だったデマー・デローザンを他のチームに放出し、その代わりにスリーポイント・シュートを得意とするカワイ・レナードとダニー・グリーンを獲得したという。トロントの住民は、彼らのおかげで無料のポテトを大いに楽しんだシーズンとなったことだろう。

一方マクドナルドはだいぶ痛い出費となったようだが、無料ポテトを入手するには同社のアプリが必要だったため、多くの人がアプリをダウンロードしたようで、長い目で見ればいいプロモーションだったはずと、今後に期待をしているようだ。

写真はラプターズの優勝パレードに集まる人々の上空写真

Photo by Tom Szczerbowski / Getty Images

翻訳ニュース/ATPTour.com