今月19日英クイーンズ・クラブにおいて開催された、ATP500ロンドンの1回戦、デニス・シャポバロフとの対戦終盤に足を滑らせて転倒、右膝蓋骨(しつがいこつ)を骨折していたフアン マルティン・デ…

今月19日英クイーンズ・クラブにおいて開催された、ATP500ロンドンの1回戦、デニス・シャポバロフとの対戦終盤に足を滑らせて転倒、右膝蓋骨(しつがいこつ)を骨折していたフアン マルティン・デル ポトロが、早くも22日に無事回復手術を終えた。

デル ポトロのチームは「ヴィラロ医師、コトロ医師の両医師によって、骨の破片を取り除いていただき手術は大成功でした。」とバルセロナで行われた手術が無事に終わったことを報告した。今回の右ひざの怪我は、昨年10月にATP1000 上海の際に負ったものと同じ負傷だ。昨年はその後静養を続け、今年に入ってもわずか5大会の出場にとどまっていた。デル ポトロは手術前に自身のインスタグラムの動画投稿で、医師には手術が間違いなく最善の選択だと勧められたことを明かした。

「医師にはテニスのためだけではなく、健康面を考慮したうえでの最善の方法が何か尋ねました。」「また同じ思いをしなくてはならないなんて、想像もしていなかったので、本当に辛いですが、順調に回復してまた復活できることを期待しています。」と不安をにじませながら希望を見せた。

現在世界ランキング11位で、全米オープンの優勝経験もあるデル ポトロ、彼の輝かしいテニスの経歴は、まさに怪我との戦いの歴史でもある。若干19歳でツアー初優勝を飾り、その後も破竹の勢いでトップ選手に頭角を現し、翌年の全米オープンでフェデラーを下して優勝。まさに、順風満帆だったデル ポトロを、翌年の2010年に最初の悲劇が襲う。手首の怪我により戦線離脱を余儀なくされ、そのまま同年に手術を受けることになったのだ。順調に回復し、その翌年には完全復帰。

その後も足首やひざなどに故障は見られたものの、順調に見えた選手生活だった。しかしながら、2014年に又も手首を故障。今度は左手首の手術を受けることに。翌年試合復帰はしたものの痛みが取れず、再手術を行った。その後2016年に復帰、その後は順調だったものの、今度は昨年2018年、前述のようにATP1000上海の3回戦でボルナ・チョリッチとの試合中に転倒して膝を骨折。

マスターズ初優勝、2009年以来のグランドスラム決勝進出、世界ランキング3位を記録するなど好調なシーズンであっただけに、悔やまれるシーズン終了だった。その後は治療に専念し、今年の2月に復帰。また快進撃が見られるかと期待していた矢先の、再度の怪我であった。

まさに七転び八起きといった不屈の闘志で何度も這い上がってきたデル ポトロ。手首の故障時にはハードヒットを少なくし、スライスを多用するなどプレイスタイルを変える工夫をしながらランキング上位に返り咲き、2度のATPカムバック賞を受賞している。

「先日のATP500ロンドンでの試合が選手として最後の試合になるかもしれない」とのコメントもしているようだが、今回もまた復帰して、3度目のカムバック賞を獲得してほしいものだ。

*写真は2018「ATP1000上海」3回戦で治療を受けるデル ポトロ

Photo by Fred Lee/Getty Images

翻訳ニュース/ATPTour.com