21日、全日本スーパーフォーミュラ選手権(SF)第3戦の金曜フリー走行(予選前日のコース専有走行)が宮城県のスポーツランドSUGOで行なわれ、DOCOMOダンディライアン勢が1-2タイム、若手の福住仁嶺(ふくずみ にれい)が一番時計をマークした。

シリーズ第3戦の舞台は東北地方のモータースポーツの中心地、スポーツランドSUGO。12時40分から実施されたSF金曜フリー走行時の空は、いつ雨に転じてもおかしくないような曇天だったが、ピット近傍にいる限りにおいて、セッション中に明確な雨の降りは感じられなかった。とはいえ、今回のレースウイークは季節柄、やはり通常以上に空模様を睨みつつの展開にはなりそうだ。また、この日の温度条件はこの時期にしては低めだった。

SUGOでの金曜フリー走行は、走行枠が当初予定50分でそのあとにスタート練習という流れ。車両回収による中断があり、走行枠は5分延長されて55分となったが、そこでトップタイムを刻んだのは#5 福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING/エンジンはホンダ)だった。同じチームで走る昨季王者 #1 山本尚貴を0.024秒差で2番手に従える1分04秒812をマークしている。

#5 福住はセッション終盤、2種類あるドライ路面用タイヤのうちの軟らかい方(ソフト)のニューを履いてベストタイムを出した。金曜フリー走行ではタイヤの状態等々の要因により、他車との同一線上での仕上がり比較は難しく、福住も「他の人たちがどれくらいソフトのニューを使っていたかが分からないですし、このセッションの結果にはあまりこだわっていませんけど」と前置きするが、「最後にS(ソフト)を履いた時の感触はわるくなかったです。チームで2台そろって常に前にいるのもいいことだと思います」と、出足の良さを感じさせた。

ホンダ系の若手有望株である福住は、2016~18年は欧州のフォーミュラレースを主戦場にしていた。SFには昨季も参戦しているが、フル参戦となるのは今季が初で、前戦の九州オートポリス、今回の東北SUGOと、昨年レースを戦っていないコースでのラウンドが続いている。しかもオートポリスはまったくの初めて、SUGOも全日本F3時代以来4年ぶりのレースになるという。「でも、そのあたりは(不慣れなコースが多い)海外のレースを戦ってきた経験が生きているのかなと思います」。22歳の新進気鋭は頼もしい。

そして福住は、昨季もSFではチーム無限で山本尚貴と僚友だった。この日のセッションではベストタイム的には僅差で先輩に勝ったが、「最初からバーンとタイムを出せるナオキさんみたいな選手はなかなかいないと思います。今日もM(ミディアム)でも最初から速かったですし、あれは(ドライバーの)技術的なところだと思いますので、僕も近づきたいです」と、福住は敬意を込めて語りつつ、偉大な王者と切磋琢磨しながら新車ダラーラSF19の速さを極めていく覚悟を見せる。

開幕から貫禄の2戦連続2位で目下ポイントリーダーの山本と、そこに堂々挑む若手・福住。良好なチームワークという土台の上に、良き競い合いの図式を見せる今季のDOCOMOダンディライアン勢は、やはり注目度の高いチームだ。今回の予選~決勝の戦いぶりも楽しみになってきた。

3番手タイムは#64 A.パロウ(TCS NAKAJIMA RACING/ホンダ)で、金曜はホンダ勢が1-2-3。トヨタ勢最速となる4番手は前戦オートポリスの優勝者 #19 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL/トヨタ)だった。先週のルマン24時間レースで優勝した#36 中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM'S/トヨタ)と、2位だった#18 小林可夢偉(carrozzeria Team KCMG/トヨタ)、彼らもこのSUGO戦へと転戦してきている。金曜は#36 一貴が17番手、#18 可夢偉が19番手。

さて、今回は3段階(Q1~Q3)ノックアウト方式予選のQ1が2グループ分割で実施されることが焦点のひとつになっている。1周が短いコースでの混雑等を考慮しての措置で、Q1は10台ずつ、A組とB組に分かれて走ることが事前に発表されていた。

<今回の予選概要>2カーエントリーのチームはQ1のA、B各組に1台ずつが入る。グループ分けは抽選。各組上位6台がQ2に進出し、Q1で最も速いタイムを記録した組の7~10位が予選13位以降の奇数順位となり、もう一方の組の7~10位が予選14位以降の偶数順位に入る。Q2とQ3は組分けなしで、通常通りQ2が12台、Q3が8台での実施。走行時間はQ1が各組10分、Q2とQ3は各7分。

そしてQ1のグループ分け抽選が金曜夕刻のドライバーズブリーフィングの前に実施された。その結果は以下の通り。

<A組>
#5 福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING/ホンダ)
#3 山下健太(KONDO RACING/トヨタ)
#7 A.マルケロフ(UOMO SUNOCO TEAM LEMANS/トヨタ)
#16 野尻智紀(TEAM MUGEN/ホンダ)
#17 塚越広大(REAL RACING/ホンダ)
#20 平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL/トヨタ)
#37 N.キャシディ(VANTELIN TEAM TOM'S/トヨタ)
#39 坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING/トヨタ)
#51 H.ニューウェイ(B-Max Racing with motopark/ホンダ)
#65 牧野任祐(TCS NAKAJIMA RACING/ホンダ)

<B組>
#1 山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING/ホンダ)
#4 国本雄資(KONDO RACING/トヨタ)
#8 大嶋和也(UOMO SUNOCO TEAM LEMANS/トヨタ)
#15 D.ティクトゥム(TEAM MUGEN/ホンダ)
#18 小林可夢偉(carrozzeria Team KCMG/トヨタ)
#19 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL/トヨタ)
#36 中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM'S/トヨタ)
#38 石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING/トヨタ)
#50 L.アウアー(B-Max Racing with motopark/ホンダ)
#64 A.パロウ(TCS NAKAJIMA RACING/ホンダ)

どちらの組も日本勢7:海外勢3という比率になった。全体的な印象としては、A組が若手主体で、B組に実績と経験が豊富な日本人選手が多く集まった、というところか(チャンピオン経験者4人=山本、国本、中嶋、石浦は全員B組)。一概には言えないが、B組に入ったSFキャリア1~2年目の海外勢には少々厳しい戦いとなる可能性も?

SF第3戦の3段階ノックアウト方式予選は明日(22日)の13時20分開始予定。観戦する側にとっては、緊迫の予選がQ1-A組、Q1-B組、Q2、Q3と“4セッション”楽しめることになる。