松永製作所は、日本障がい者バドミントン連盟に所属する強化指定選手の協力を得て、世界初となるカーボン製の最新型バドミントン車いすを研究・開発し、評価用試作機を製作した。同社のバドミントン車いすは、これまでフレームの素材にアルミを使用していたが…
松永製作所は、日本障がい者バドミントン連盟に所属する強化指定選手の協力を得て、世界初となるカーボン製の最新型バドミントン車いすを研究・開発し、評価用試作機を製作した。
同社のバドミントン車いすは、これまでフレームの素材にアルミを使用していたが、今回、フレーム素材にCFRP(炭素繊維強化プラスチック)を採用。車いすバドミントン競技では前後に小刻みなダッシュ&ゴーが要求され、腕や手首への負担が大きくなることから、軽量化ニーズが強く求められていたため、CFRPを使用し、軽量化と剛性(捻じれの力に耐える性質)の最適化に取り組んだ。
陸上競技など他の一部の競技では、競技用車いすにCFRPが既に採用されているが、バドミントンではフレーム全体にCFRPを使用した車いすは世界初となる。今回、開発を行っているパラバドミントン車いすは、従来型の同社アルミ製から20%以上の軽量化が目標。また、強度はCFRPの積層方法の工夫により、XYZの3軸全ての方向で従来よりも高く(たわみ変化量が少ない)仕上がる予定だ。
カーボンは、1つの型で1つのパターンのサイズしか作れないという課題があるが、今回は1つの型でも座幅や座面高などの変更ができる。また、シートの安定性・安全性の向上も目指しており、3Dスキャンを使用し、選手の体型に合わせたシート形状に削り出したシートにより通常ポジション時の姿勢保持をしやすくすること、臀部とシートとの摩擦を減らし褥瘡防止につなげる技術開発を行う。
評価用試作機は、素材メーカーやスポーツ用品メーカー、福祉装具メーカーなどと連携して開発。主なコンソーシアムのメンバーは、東レ・カーボンマジック、アシスト、ティーディーシー、ディマンドクリエイションとなっている。今後、評価用試作機を代表選手に試乗してもらい、改善点の指摘を受け、開発にフィードバックしていくことで完成を目指す。
世界初!フレームにカーボンを使用したパラバドミントン車いすを共同開発