ご存知の通り、6月からルールの一部が改正。正確には『5月31日を初日とする節から』ということで、紛らわしいと思ってしまったのは筆者だけだろうか?そのルール改正であるが、ファンが車券購入の際に最も気になるところは……選手が先頭誘導員を追い抜くタイミングではなかろうか。

競輪の競走は333m(前橋は335m)、400m、500mバンクで行われる。「333mは先行有利」だとか「500mは先行不利」などというファンの声を聞くことがあるけれども、逆に500mバンクでは先行選手が良いのではないかと、筆者は考えてしまう。なぜならば、333mは勝負所で後方に置かれると、巻き返すのは苦しくなる。500mの場合は巻き返す機会が残されている。単純に長走路は先行選手に不利とはならいだろう。
さて、肝心の追い抜いて良いタイミングについては

1=333mバンクでは残り2周半、青板バックから
2=400mバンクは残り2周の赤板
3=500mバンクは打鐘から

要するにそれ以前に先頭に立ってはいけないということだ。そして、先頭誘導員の1周のタイムが1秒短縮。また、打鐘開始前からスパートして、他の選手に追い抜かれ、先頭で決勝線へ到達した選手から5秒以上離れてゴールしたら失格と判断される。


果たして、この改正がどのような影響を与えたのか?先頭誘導員への追い抜きに関しては6月6日の宇都宮F1の第2Rで横田政直(群馬103期)が打鐘前に先頭に立ったことで失格となった。横田はこの時、2着入線だった。ゴール直後、横田の2着で車券を持っていたファンは多かっただろう。しかしながらの判定に一瞬、ファンは何が起こったのか理解できなかったのではなかろうか。ここで言いたいのはファンに対する説明が十分であったか?ということだ。説明というのはインターネット上や印刷物で発表するだけでなく、現場、場外に足を運ぶファン一人、一人に説明が行き届いていたかである。
「ちゃんと事前に発表しているし、それを見ない人間がいけない」という言い分もあるだろう。確かに見ていない人間が悪いのも事実だが、ファンの年齢層、親切かつ丁寧な対応は然るべき。通り一辺倒の説明に終始していたら、きっとファンは離れていくだろう。普通の社会であれば、そうであっても構わないのかも知れないが、競輪界は異質、同じだと考えてはならない。
勿論、失格を犯した横田の責任が一番重く、ルールを把握していたのか?ということが追及される。競りにおける斜行や押圧は審判の判断によるところが大きいが、先頭誘導員の追い抜きは言い逃れができない。

このような事例から今後、500mバンクでの車券購入は難しくなってくるように思える。先行選手はそれこそ打鐘まで動けないとなると、仕掛けるポイントに微妙なズレが生じる。以前のルールであれば、もう少し早目に動きがあるから、内に詰まるようなことはなかった。そして、先頭誘導員のペースが1秒速くなることで、後方から抑えていくのに脚力を使ってしまう。結果、末の粘りを欠き、ゴール前では後続に抜かれてしまうシーンが増えてくるだろう。
ただ、決まったルールで走るのがプロ。選手がシッカリ自覚すると共に、関係者はもっと親切な対応が求められる。それと年に1度だけでも選手に対して、ルールに関する試験を実施するのはどうであろうか?知っていて当たり前なのだが、知らなかった選手、試験の点数で合格点に達していなかった選手にはペナルティーを与える。自覚を促す意味でも実施する価値はあるように思えるのだが。