6月13日(木)から16日(日)にかけて、イタリアのサルディニア島で開催される2019年WRC第8戦ラリーイタリア・サルディニア。大御所WRCメディア、マーティン・ホームズによるラリー直前のWRCチーム近況をお届けする。 シトロエン ラ…

6月13日(木)から16日(日)にかけて、イタリアのサルディニア島で開催される2019年WRC第8戦ラリーイタリア・サルディニア。大御所WRCメディア、マーティン・ホームズによるラリー直前のWRCチーム近況をお届けする。

シトロエン



ラリーポルトガルでは、いい前進が見られることが期待されたが、走行順が不利となって大きな成果は得られなかった。

サルディニアでのチャレンジは、砂利掃きの影響が大きく、ポルトガルよりも気温が高くなると予想されている。ステージはよりテクニカルになるため速度域は低くなるが、両マシンとも同じようなセットアップとなる。両ドライバーが1日ずつサルディニアでテストを行い、ポルトガルとサルディニアの両戦に向けての作業を行った。マシンもポルトガルと同じ。

R5で参戦するマッズ・オストベルグは、サルディニア以降のプログラムは明かされていない。オジエはサルディニアに過去11回参戦しており、3回優勝している。

ヒュンダイ



ポルトガルで見られたダニ・ソルドとセバスチャン・ローブの燃料トラブルは特定されており、両車とも似たような症状でメキシコで発生したトラブルとも関連している。

サルディニアはポルトガルよりもラフで、特に2回目の走行は厳しくなる。チームは、マシンのプリペアのために拠点には3日間しか戻れていない。サルディニア向けのテストは5月中旬に行っており、アンドレアス・ミケルセン、ダニ・ソルド、ティエリー・ヌービルが1日ずつ走行した。シャシーはポルトガルと同じもの。

サルディニア戦とフィンランド戦の間、フィンランド向けのテストに加え、ヌービルはイプルーラリーに、ミケルセンはラリーエストニアに、ローブはラリーアルバ(クネオで開催されるイタリア選手権戦)にエントリーさせる計画。ローブは、サルディニア開催と同週末にはラリーボージュに参戦。その後、テレ・デュ・ホーバールにはR5で参戦する。ヤリ・フッツネンは、フィンランドでボヤンマーラリーにエントリーしている。

ヌービルはサルディニアで2回勝っており、ソルドはポディウムに2回上がっているが、ミケルセンは10回の参戦の中でポディウムには一度も上がっていない。

Mスポーツ・フォード



ポルトガルで起きたテーム・スニネンのブレーキトラブルは、ブレーキホースがバーストしたことが原因。最終ステージでクラッシュしたガス・グリーンスミスについて、ステアリングはパワーステージの序盤でダメージは受けていたと見られているが、破損したのはジャンプの際にサスペンションが完全に落ち込んだ際だった。

サルディニアは伝統的にポルトガルよりもラフで低速。例年以上に暑くなっており、砂利掃きの負担はサルディニアよりも格段に厳しくなると見られている。サルディニア向け用のテストは行わない。エルフィン・エバンスとスニネンはポルトガルと同じマシン、グリーンスミスのR5はポルトガルでアルベルト・ヘラーが使用したものを使う。

ルーカス・ピエニアチェクのWRC2プロは撤回された。それ以外のラリーにエントリーさせるプランが多く、エリック・カミリはイプルーラリーでMスポーツが発表したばかりの新R5マシンで登場。エバンスは、フィンランドの前にWRカーでラリーエストニアに参戦する。

サルディニアでは両ドライバーにポディウムフィニッシュの経験はないが、スニネンはWRC2、WRC3部門での優勝を経験している。


トヨタ



ポルトガルで発生したオィット・タナックのブレーキトラブルは、パイプが破損してオイルがなくなったことが原因と思われる。ヤリ−マティ・ラトバラとタナックのデイ2のサスペンショントラブルは全く同じものではないが、似たような症状とのこと。

サルディニアでの主な試練は走行順で、タナックは初日2番手スタート。ワークスチームから参戦する3台は、ポルトガルと同じマシンを使う。ユホ・ハンニネンが乗る1台はトミ・マキネン・レーシングからのエントリーとなり、今年の2月にマーカス・グロンホルムがスウェーデンで使用し、勝田貴元がイタラリーを勝ったシャシー2。

サルディニアに向けては、4人のドライバーが少なくとも1日ずつはテストを行った。場所はサルディニアとポルトガル。サルディニアではタナックは優勝1回、ラトバラはポディウム5回とグループN優勝1回、ハンニネンはIRC戦として開催された際に優勝しているほか、13年前にグループN優勝している。クリス・ミークは5回の参戦の中でのベストは16位フィニッシュ。
(Martin Holmes)