「全仏オープン」(フランス・パリ/5月26日~男子6月9日・女子8日/クレーコート)の大会10日目、男子シングルス準々決勝。第7シードの錦織圭(日本/日清食品)は、世界2位のラファエル・ナダル…

「全仏オープン」(フランス・パリ/5月26日~男子6月9日・女子8日/クレーコート)の大会10日目、男子シングルス準々決勝。第7シードの錦織圭(日本/日清食品)は、世界2位のラファエル・ナダル(スペイン)に1-6、1-6、3-6のストレートで敗れ、ベスト4進出はならなかった。その錦織の試合を、WOWOWの解説であり、ロンドンオリンピック日本代表監督の村上武資さんが振り返った。

錦織は3回戦で4時間26分、4回戦は3時間55分とともにフルセットのロングマッチを制してベスト8まで進出したが、その身体は疲労困憊だった。ただ、「動けてないので、厳しい戦いになりましたけど、それよりもナダルが錦織選手対策をしっかりやってきているなと思いました」と村上さんは振り返る。

「サービスゲームでは両サイドとボディに分けて的を絞らせず、3球目も速い攻撃で精度が高かったです」

この試合、ナダルはファーストサーブポイント獲得率で76%を記録し、それも錦織をしっかり崩してショートラリーでポイントを獲得する場面が目立った。

「リターンゲームでは、いつも通りポジションを下げて、しっかりと回転量のあるリターンを返して、錦織選手にテンポ良く次の攻撃をさせないようにしていました。ラリーになったら、目線が低い打ち合いのなかだと、錦織選手の打つテンポが上がってくるので、非常に高く跳ねるボールを入れていました。錦織選手にテンポ良くプレーさせないような配球をしながら、打ち損じを引き出していました」

実際、錦織のファーストサーブポイント獲得率は44%と半分にも満たず、特に第2セットで錦織はファーストサーブを85%入れながら、1度もキープすることができなかった。錦織も試合後の会見で「簡単なポイントがなくて、自分のアンフォーストが増えて、悪い流れになった」と話している。

同大会自身初のベスト4への挑戦は3度目も阻まれたが、グランドスラム4大会連続ベスト8は錦織にとって初めて(「全米オープン」はベスト4)で、大舞台で安定した成績は残している。

タフな戦いをしてきた錦織だが、1ヵ月も経たない7月1日には、昨年初めてベスト8へ進出した「ウィンブルドン」が開幕する。「ウィンブルドン」で更なる高みにのぼることを期待したい。

(テニスデイリー編集部)

※写真は「全仏オープン」での錦織(左)とナダル(右)

(Photo by Julian Finney/Getty Images)