WRCポルトガルのフィニッシュ後に行われたイベントカンファレンスの内容(抜粋)。チリで大クラッシュを喫し、3週間後にポルトガルを迎えたティエリー・ヌービル。大波乱のラリーを走り切り、2位フィニッシュでタイトル争いのダメージを最小限に抑えた自分のリザルトに一定の満足を見せた。

●WRCポストイベントカンファレンス出席者



1位:オィット・タナック=OT(トヨタ・ガズー・レーシングWRT)
1位:マルティン・ヤルベオヤ=MJ(トヨタ・ガズー・レーシングWRT)
2位:ティエリー・ヌービル=TN(ヒュンダイ・シェル・モビスWRT)
2位:ニコラ・ジルスール=NG(ヒュンダイ・シェル・モビスWRT)
3位:セバスチャン・オジエ=SO(シトロエン・トタルWRT)
3位:ジュリアン・イングラシア=JI(シトロエン・トタルWRT)
カイ・リンドストローム=KL(トヨタ・ガズー・レーシングWRT)

Q:オィット、素晴らしい勝利だった。フィニッシュでは、これまでで一番ハードな勝利だと言っていた。一段落した今、まだそのように考えているか。
OT:そうだね、これまでで一番ハードな勝利の一つである事は間違いない。ハードな週末は何度もあったが、このラリーを自分たちのように勝つ事はタフだった。まず、金曜日は流れは良さそうだった。スタート順から考えればいい位置につけた。土曜日の午前、数km走ったところでブレーキラインが破損し、ブレーキがなくなった。その後はかなり厄介になったが、それでもラリーをリードしてサービスに戻ってこれた。午後も面白い展開で別のトラブルがあったが、どうにかリードしてまとめられた。今日は道は格段にスムースだったので、ポジションキープを目指して戦えた。

Q:走行順を考えれば、信じられないようなタイムも出していた。
OT:レッキの段階で、初日は難しくなると見ていた。ルーズだったし、走行順の影響が大きいように思えた。結果的に、最初のステージをスタートした時点でマシンのフィーリングがよく、バランスが取れていたのでうまく行った。

Q:今日のパワーステージでは、セバスチャン・オジエよりも速かったことは明らかだった。なぜ、終盤でスローダウンしたのか。
OT:話せば長い。パワーステージはロングステージだった。まず、少し戦略的に考えて、一年が終わった時点で1点が運命を左右する事もあると思った。パワーステージポイント抜きで考えれば、セブよりも3ポイント上につけるところだった。彼よりも速くなくてはならないと思った。プランとしては、できるだけポイントを獲得しようと思った。でも、クリスがミスをした事で全てが変わった。セブがポディウムに上がる事になって、ポイントでは並ぶ。サルディニアで砂利掃きを避けるために、少しペースを落とさなくてはならないと分かった。そして、ティエリーが僕らの間に入ったので、自分はさらにポイントを逃した。



Q:マルティン、素晴らしい週末になったが、今の気分は。
MJ:正直、僕らがポディウムの真ん中にいるのはミラクルだよ。今日は、ずっとスムースに走れて出来る限り速く走る事ができた。

Q:ブレーキとダンパーにトラブルを抱えたが、オィットはそれを克服した。どう思ったか。
MJ:マシンがいつものように走らないのは、ストレスが溜まるものだ。このコンディションでは、それがいつまで続くのか分からない。オィットはスローダウンしなかった。だから、ここにいる。

Q:ティエリー、2位だが、ラリーチリでアクシデントがあり、このリザルトで自信をつかまなくてはならないのでは。
TN:その通りだ。チリで大クラッシュを喫した後にここに来て、どうなるか分からなかった。フィーリングはよかったし、怖さもなかった。テストでも、速さがあった。最初のステージでは、またステージの途中で止まりたくなかったから慎重になり過ぎた。すごくナローで、11秒遅れになった。かなり驚いた。すぐに立て直して、セッティングを変えてSS3までにはいいリズムをつかんだ。どちらにしても、リザルトが変わる事はなかっただろう。オィットはずっと、自分たちよりも速かった。常にギリギリまで攻めたが、2位を誇らしく思っているよ。

Q:ヒュンダイは今回、戦略を駆使した。自分のアドバンテージにつながったと思うか。
TN:自分の考えとしては、特に目新しい事でもない。自分のチャンスを高める事にはつながったが、禁止されている事は何もしていない点は強調したいね。自分たちはチームとして一丸となって、出来る限りの事をしようと試みていた。2位と、パワーステージでの4ポイントはいいリザルトだ。

Q:ニコラ、ラリーチリがあって今回のこのリザルト、今の気分は。
NG:まず、チリの後、しっかりリカバリーしてイベント前のテストに参加するまでに、自宅に戻ってから2〜4日間、休みを取った。時差ボケがあったし疲れていた。いい選択だったと思う。マシンに戻る事が待ち遠しかったし、最初のステージのスタートラインについた時のフィーリングもよかった。

Q:セバスチャン、ラリーポルトガルで3位、でもヒュンダイやオィットの戦略もあった。選手権リーダーとしてサルディニアを迎えるが、今の気分は。
SO:色々な事が起こった。でも、今はハッピーな気分だ。タフな週末になるとは思っていた。ポルトガルは、これまで見た事がないほどドライだった。自分の走行順では厄介だったが、週末を通して戦い抜いたし、獲れたポイントも満足だ。イベント前テストで取り組んだ事はうまく行ったし、正しい方向に前進している。目には見えにくいけどね。

ライバルの戦略については、言う事は何もないし、それをするべきではないとも言えない。自分のチャンスは小さくなったが、プッシュは続けたし、自分の仕事を粛々と続けてポディウムに立った。戦略を使う事に対して、自分は気にしない。ダニ・ソルドには感謝しなくちゃならないしね。アンドレア・アダモはステージの途中で止まってミークの前でチェックを受けろと言っていたが、彼はそれを拒否していた。彼は本当にジェントルマンだよ。

Q:今日の午後、リザルトを変えるためにTCに遅着することを少しでも考えたか。
SO:少しも考えなかった。1、2ポイント失うべきだったかもしれないが、最終的にそうなのかは誰にも分からない。自分たちは1ポイントでも失いたくはない。獲得することが大変なんだからね。

Q:ジュリアン、この週末について話を聞かせて。
SO:自分たちのコンディションは厳しかったし、サルディニアでも大きな試練が待っている。いいバトルができたし、通常の方法での戦いもあり、自分たちもスペクテイターも楽しめた。シーズンは昨年と同じような感じで進んでいる。昨年は、最終戦の最終ステージまで戦っていた。他のフィンランドやドイツなどは、かなり性格が違うから面白くなりそうだね。

Q:カイ、今回のオィットとマルティンのパフォーマンスについてどう思うか。
KL:彼らには初日を終えた時に、彼らのドライビングにどれだけ感銘を受けているか、話したよ。あの走行順で上位とオィットのタイムを比較すれば、見事な内容である事が分かる。

Q:ドラマチックなラリーだった。金曜日を終えた時点でトヨタは1-2-3、そして今日をスタートした時点では 1-2だった。それをキープできなかったことはショックだったか。
KL:ドラマが多すぎた。今回の週末では、ヤリ‐マティの件は残念だった。本当にいい走りをしていた。SS13でオィットのトラッキングが黄色に変わった時には、心臓発作になりそうだったよ。そして今日は、クリスがトラブルに見舞われた。もちろん、勝利についてはうれしいよ。オィットとマルティンはいい仕事をしてくれたが、一方で残念なこともあった。

記者席からの質問
Q:オィット、シーズンの最終戦で1ポイント差でタイトルを逃したら、どんな気分になると思うか。
OT:もし1ポイント差で逃したら、それは自分がいいシーズンにできなかった、つまりまだ遅いという事だと思う。

Q:ドライバーの立場から、ラリーオフィシャルから与えられたスタート間隔は、このダストに対してどう思うか。
SO:自分たちに意見を聞くべきだと思う。ダストがかなりひどかったのは明らかだ。4分間隔にするのが適切だった。もちろん、2分間隔だったら自分たちにとっては好都合だっただろうね。それならラリーを勝っていた。ダストの中でドライブするのは、安全とは言えない。(状況を)推測する際には、僕らドライバーの意見がもっと反映されるべきだと思う。