オリックスは前監督の福良淳一氏が6月1日付でゼネラルマネジャー(GM)に就任すると発表した。編成部長を兼任してチーム強…

 オリックスは前監督の福良淳一氏が6月1日付でゼネラルマネジャー(GM)に就任すると発表した。編成部長を兼任してチーム強化の責任者となる。福良氏は成績不振を理由に昨季限りで監督を辞任し、今季は育成統括GMを務めていた。


 異例のシーズン途中での就任。5月初旬に打診を受けたという福良GMは「投手は若い選手がいっぱい出てきた。課題は野手。どう育てていくか。足りない部分は補強する」と会見で抱負を語った。

 オリックスでのGMは、2004~2005年まで務めた中村勝広氏以来、2人目となる。

 球界におけるGMの定義は決められているわけではない。言い換えれば、GMの数だけ、異なる職種が存在しているとも言える。ただ広義では選手の編成面の責任者であり、チームの総責任者となるだろう。

 古くは日本ハムの大沢啓二や、西武、ダイエーの根本陸夫ら、名乗らずともGM的な活動をしてきた名士は多い。近年では阪神、楽天での星野仙一。では、日本球界で初めて「ゼネラルマネジャー」を名乗ったのは誰なのか。

 1994年11月、低迷するロッテが招へいしたのが広岡達朗GMだった。3年契約で再建を託された。広岡GMはボビー・バレンタイン監督を就任させ、フリオ・フランコ、エリック・ヒルマン、ピート・インカビリアと大型補強を敢行。チームは1985年以来のAクラスとなる2位に躍進。再建は順調に進むかに見えた。

 だが、その裏ではメジャー流の休養もうまく取り入れるバレンタイン監督と、日本式根性論や管理野球を推す広岡GMの確執が、埋めようのない溝を生んでいた。

 就任1年目で結果を残したバレンタイン監督を、広岡GMは解任という荒療治に出る。だが翌年チームは5位と失速。広岡GMも3年契約を1年残し、シーズンオフに解任される憂き目にあった。

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 続いてGMの役職を名乗ったのが、2003年秋にオリックスで誕生した中村勝広GMだった。2005年オフに仰木彬監督が勇退し、後任監督に就任。GM職は2シーズンで離れた。

 球界再編に揺れた2004年オフには多くのGMが誕生している。新球団・楽天はマーティー・キーナート氏が初代GMに就任。日本ハムでは高田繁氏が球団初のGMとなり、ソフトバンクの王貞治監督はGM兼任となった。日本ハムはその後、山田正雄氏、吉村浩氏と歴代GMが系譜を継ぎ、球団を拡張してきた。

 対照的に、一代限りで終わったのが2014年シーズンから就任した中日の落合博満GM。監督時代のような手腕は発揮できず、後継者もつくれてはいない。

 巨人も2011年シーズンに清武英利GMが誕生し、以降、原沢敦氏、堤辰佳氏、鹿取義隆氏と計4人が歴任したが、強化に成功したとは言い難い。昨季限りで鹿取GMが退任した後は後任を置かず、復帰した原監督に「全権監督」として託すとフロントは明言している。

 今季から就任した楽天・石井一久GMは、ここまで混戦のパ・リーグで首位争いを繰り広げるなど、補強が一定の評価を集めている。福良GMの手腕が本格的に問われるのは来季以降からだろうが、続くことができるか。先人たちの失敗や挫折も糧とし、再建に挑む。

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[文/構成:ココカラネクスト編集部]