2019年のスーパーGTシリーズは、早くも第3戦に突入した。

 今シーズンは波乱含みの展開が続いており、開幕戦・岡山では大雨の影響でクラッシュが続出。雨脚は強まる一方で、レースは途中で赤旗終了となった。ゴールデンウィークに開催された第2戦・富士も、スタート直前に雨が降る展開。さらに、スタート直後には雷を伴う強い雨がサーキットを襲い、レースが一時中断されることにもなった。



鈴鹿サーキットの表彰台を独占したレクサスのドライバーたち

 そして第3戦、舞台は三重県・鈴鹿サーキット。今回は過去2戦とは一変して、5月25日の予選日、26日の決勝日とも晴天に恵まれた。

 ただし、5月下旬とは思えない暑さとなった。とくに予選は暑さが厳しく、気温が30度を超える真夏日。路面温度もピーク時で50度を超えるなど、今回も想定外のコンディションでレースを強いられることになった。

 戦前の予想では、ホンダ勢が有利と言われていた。なぜならば、ここ鈴鹿は彼らにとってホームコース。中高速域で旋回していくコーナーが多い鈴鹿サーキットは、もともとホンダが得意としているからだ。

 実際に、鈴鹿ラウンドでは過去10年で5勝を挙げており、現行車両のNSX-GTを導入してからは2017年、2018年ともに優勝を果たしている。昨年は予選・決勝ともにワンツーを独占し、ライバルに速さを見せつけた。

 しかし、いざレースウィークが始まると、速さを見せたのはレクサス勢だった。

 とくに調子がよかったのは、今季はまだ芳しい成績を残せていないナンバー36のau TOM’S LC500(中嶋一貴/関口雄飛)。公式練習セッションでトップタイムを記録すると、午後の公式予選では中嶋が順当にQ1突破を果たし、Q2では関口がほぼ完璧なタイムアタックを披露した。

 結果、36号車がポールポジションを獲得。2番手もナンバー37のKeePer TOM’S LC500(平川亮/ニック・キャシディ)が食い込み、レクサス勢が予選ワンツーを独占した。

 ホンダ勢の予選最上位は、ナンバー8のARTA NSX-GT(野尻智紀/伊沢拓也)の3番手。ただ、その他は軒並み中団グリッドに埋もれてしまった。

 また、ホンダ勢のドライバーに状況を聞いても、前向きなコメントは返ってこなかった。「決勝はちょっと厳しくなるかもしれません(8号車:野尻)」「朝の公式練習からグリップ感が得られていない(1号車:山本尚貴)」。予選の時点ですでに、流れはレクサスに傾いているようだった。

 そして、迎えた日曜日の決勝レース。気温はぐんぐん上がり、まるで2017年まで開催されていた8月の「鈴鹿1000km」を彷彿させるようなサバイバルレースとなった。

 日産勢は、レース序盤の17周目にナンバー23のMOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)が130Rでクラッシュして戦線を離脱。日産勢で唯一、上位争いに絡む走りを見せていたナンバー12のカルソニックIMPUL GT-R(佐々木大樹/ジェームス・ロシター)も、最終ラップに入るところでトラブルが発生し、マシンをストップさせてしまった。

 ホンダ勢も、レース中盤にナンバー17のKEIHIN NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット)がトラブルでリタイア。さらに、5番手を走行していたナンバー1のRAYBRIG NSX-GTも、ジェンソン・バトンが担当した後半スティントでGT300との混走で行き場を失い接触。左フロントタイヤがパンクするアクシデントに見舞われ、ポイント圏外への脱落を余儀なくされた。

 また、ナンバー16のMOTUL MUGEN NSX-GT(武藤英紀/中嶋大祐)もタイヤトラブルで後退を余儀なくされ、ホンダ陣営では8号車の4位入賞が最高位だった。

 そんなライバル陣営の苦戦を尻目に、レクサス勢は圧倒的な速さを見せつけた。

 スタートから36号車と37号車が先行し、そこにナンバー6のWAKO’S 4CR LC500(大嶋和也/山下健太)も加わり、三つ巴のバトルを展開。そのまま3台がレースを牽引し、1位36号車、2位27号車、3位6号車とレクサス勢が表彰台を独占する結果に終わった。一方GT300クラスでも、レクサスを駆るナンバー96のK-tunes RC F GT3(新田守男/阪口晴南)が優勝し、ホンダのホームコースでレクサスが大勝利を収めた。

 これにて、GT500クラスのドライバーズランキングは、第3戦で6位に食い込んだナンバー38のZENT CERUMO LC500(立川祐路/石浦宏明)が首位に浮上。36号車や37号車も一気にランキングを上げ、次はレクサス勢が得意とする第4戦・タイに臨む。

 シーズン開幕前は「レクサスが苦戦気味」という噂も流れていたが、鈴鹿では不安をまったく感じさせなかった。年間チャンピオン争いの流れも、少しずつ彼らに傾き始めている。