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「こんなことになるなんて考えたこともなかった」

昨年のオフにウォリアーズから制限付きフリーエージェントになったパトリック・マコーは、球団から2年400万ドル(約4億4000万円)の契約を提示されたが、サインしなかった。

トレーニングキャンプ、プレシーズン、2018-19シーズンが開幕してからもウォリアーズから提示された条件に合意しなかったマコーは、昨年末、キャバリアーズと300万ドル(約3億2800万円)で契約。マコーは、移籍を選んだ理由に「自分試しをしたかったこと」を挙げた。

「プレータイムを求めていたと言えるかもしれないけれど、とにかくもっとチャンスが欲しかった。それは、必ずしもプレータイムだけじゃなくて、自分自身にとってのチャンス。ウォリアーズに不信感があったわけでもないし、彼らの決断についても何も思っていない。でも、リーグには競い合っている若い選手が多い。自分もそうありたいと思ったんだ。彼らのように自分にもやれると思った」と、マコーは移籍に至った顚末を『The Undefeated』に語った。

キャブズと契約したものの現実は厳しく、わずか3試合に出場した後で解雇された。その後マコーは、ラプターズと最低保障額で今シーズン終了までの契約を結んだ。ラプターズでは、レギュラーシーズンの26試合に出場し、平均13.2分のプレーで2.7得点、1.7リバウンド、1.0アシストを記録。結果的にウォリアーズ時代よりも出場時間は短くなったが、彼はラプターズへの移籍を後悔していない。

「自分をシーズン終了まで受け入れてくれたチームの仲間、コーチ、球団には感謝しているんだ。この夏にどうなるかなんて分からないけれど、このチームでの時間を楽しめている」

奇しくもマコーは、5月30日から始まるNBAファイナルで、古巣と激突する。もしシリーズで出場時間を与えられれば、所属チームこそ違えど2年続けて別カンファレンスからファイナルに出場するNBA史上3人目の選手になる。これまでに同様のケースとなった選手は、1982年にセブンティシクサーズの一員としてファイナルに出場し、翌83年にレイカーズのメンバーとしてファイナルに出場したスティーブ・ミックス。それから、1998年のファイナルにはブルズの一員として出場し、翌99年にはスパーズの選手として出場したスティーブ・カーしかいない。

なかなか契約が決まらず、レギュラーシーズンで古巣と対戦する機会を得られなかったマコーは、今回のファイナルについて「クレージーだね。なんとも言えない気持ちになると思う」と答えた。

「今シーズンは、まだウォリアーズ戦に出場していないんだ。最後にウォリアーズのみんなと一緒だったのは、クリーブランドで優勝した時。いろんな感情が出てくると思うけれど、準備はできている」

チームの2連覇に貢献したとはいえ、ウォリアーズファンからはブーイングで歓迎される可能性もある。だがマコーは「ブーイングされるかは分からないけれど、楽しみなんだ」と言う。

「ファイナルの雰囲気で、どういうことになるのか楽しみ。ファンに求められていることは分かっているつもりだよ。本当にクレージーだね。こんなことになるなんて考えたこともなかった。信じられないよ」

紆余曲折あったものの、マコーは、優勝を決めるステージにラプターズの選手として臨む。現代NBAの最強王者として君臨する古巣に胸を借りるつもりで、彼は自分の力を試そうとしている。