プロを相手に引けを取らなかった。天皇杯初戦の相手はJ3・ブラウブリッツ秋田。立ち上がりから粘りの守備を見せ、前半30分に先制点を挙げた。その10分後に追加点を取り、最後は主将・佐藤亮がPKを決め3―0。7月3日に行われる2回戦へと駒を進…

  プロを相手に引けを取らなかった。天皇杯初戦の相手はJ3・ブラウブリッツ秋田。立ち上がりから粘りの守備を見せ、前半30分に先制点を挙げた。その10分後に追加点を取り、最後は主将・佐藤亮がPKを決め3―0。7月3日に行われる2回戦へと駒を進めた。


 攻撃陣が奮闘した。前半30分に小野寺のロングパスを受け取った森下がペナルティエリア手前からすかさずミドルシュート。「自分の(理想的な)形で決め切れた」(森下)と先制点を奪った。そしてその10分後には相手GKがはじいたこぼれ玉を詰めていた小柏が左足でシュートしゴールネットを揺らした。「今季掲げるJ1撃破のために」(佐藤亮)J3の壁に立ち向かった今試合。「全員が前へ前へ」(小柏)と積極的な攻撃姿勢が得点へと実を結んだ。

  最後に決めたのはまたしても主将だ。後半34分にPK権を獲得した明大。東京都トーナメント準決勝では試合終了間際にPKで逆転弾を挙げた佐藤亮が「栗田(大輔)監督から信頼されて送り出された」とキッカーとして名乗り上げた。「自信を持って蹴ることができた」と冷静にシュート。監督の期待に応えるゴールが決まり、そのまま試合終了。3―0の快勝でJ1・川崎フロンターレへの挑戦権を手にした。

  

  いざJ1王者へ。昨季総理大臣杯で大学日本一に輝いた明大は次戦、川崎フロンターレと戦う。まさに大学王者対プロ王者の一戦だ。「J1を倒して、大学サッカーの意地を見せたい」(森下)。学生らしい貪欲なプレーで相手を魅了し、全国に明治の名を知らしめる。

[佐々木崚太]

試合後のコメント 

栗田監督

――試合の総括をお願いします。

  「プロと対戦できる唯一の大会ということで気合が入っていました。相手がブラウブリッツ秋田ということで一瞬のスキもつくれないような緊張感の中で試合に臨みました。3ー0で勝てて本当に良かったと思います」

佐藤亮

――相手はどのようなチームでしたか。

 「前線に自分たちと同世代の選手が何名もいました。自分たちの世代では最高峰の選手でした。でも、大学で培っているハードワークをやっていけば通用するし、徹底すれば勝機はあると思っていました。それをうまく出せて良かったです」

森下 

 ――勝因を教えてください。

  「小手先ではなくてメンタルの部分で、J1を倒すという目標を自分たちの代が掲げて積み重ねてきました。その1つの壁を乗り越える心の準備ができていたからこそ3ー0という自分たちのサッカーができたと思っています」

常本

――川崎フロンターレ戦への意気込みをお願いします。

 「昨季はJ1王者を取っていますが、無理な試合ではないと思います。その試合まで一ヶ月くらいあるので、課題を徹底して潰して勝ちたいです」