いよいよ開幕のグランドスラム「全仏オープン」(フランス・パリ/5月26~6月9日/クレーコート)。大会初日の第2試合(日本時間20時頃開始予定)には、第7シードの錦織圭(日本/日清食品)が早く…

いよいよ開幕のグランドスラム「全仏オープン」(フランス・パリ/5月26~6月9日/クレーコート)。大会初日の第2試合(日本時間20時頃開始予定)には、第7シードの錦織圭(日本/日清食品)が早くも登場する。その少し前に今回は、活躍が期待される錦織が2018年同大会で見せた名プレー「ポール回し」のシーンを紹介。

紹介するプレーが飛び出したのは、2018年の3回戦第2セット。

錦織はその大会、1回戦から地元フランス勢との3連戦。特に2回戦の難敵ブノワ・ペール(フランス)には、フルセットの激闘の末勝利をおさめた。そして迎えた3回戦は、ジル・シモン(フランス)との対戦だった。

試合前に錦織が「すごく長いラリー戦になると思う」と予想していた通り、序盤からタフなラリー戦に。しかし20本を超えるラリーが続くなか、錦織が早々にブレークを奪うと、その1ブレーク差を守って第1セットを先取した。第2セットに入ると勢いをさらに増し、一気に2ブレークアップ。

そして錦織の5-1で迎えたリターンゲームに、その素晴らしいショットが飛び出した。

ファーストポイントを奪い、0-15とした次のポイント。錦織が山なりのスピンショットを織り交ぜたところ、それが少し浅くなりシモンに打ち込まれた。錦織が下がりながらそれを何とか返すも、シモンがすぐ前に詰めてショートクロスに決めにいった。しかしその決め球にそこまで勢いがなく、錦織はコートの幅を右端いっぱいまで使ってバウンドに追い付く。

するとコートの右サイドラインよりかなり右外から錦織が放ったカウンターショットは、ネット端に立っているポールの右横を鋭く通り抜け、相手側のライン内ぎりぎりに突き刺さった。

これにはフランスの観衆も「おぉー」と大歓声、アウェーなど関係なく拍手喝采となった。さらには後ろにいた線審もニッコリと笑顔を見せた。

この試合、後半に向かうほど会場の観衆からケイコールとジルコールが飛び交った。日本人の観衆も多く集まったのに加え、3試合フランス選手と戦う姿を見てきた地元観衆も、錦織のプレーに徐々に惹きつけられたのではないだろうか。

その試合終始自分から攻め続けた錦織は、シモンをストレート快勝で下した。

いよいよ開幕する2019年の「全仏オープン」。錦織の初戦相手は、地元フランス期待の22歳カンタン・アリス(フランス)だ。相手の地元観衆をも魅了する、錦織のプレーに期待したい。

(テニスデイリー編集部)

※写真は2018年「全仏オープン」でシモンに勝利した錦織圭

(Photo by Clive Brunskill/Getty Images)