5月ながら最高気温は31度まで上昇し、強い日差しが照りつける中、全日本選手権(全日本)2日目が行われた。予選と敗者復活戦を合わせて、男子部からは5艇、女子部からは4艇が出漕。女子ダブルスカル、男子舵手なしクォドルプルが準決勝進出を決めた傍ら、4艇が敗者復活戦に回り、3艇が今大会から姿を消した。

 時刻は8時40分、トップバッターとして登場したのは女子舵手なしペア。レースは一橋大が先頭に立ち、思うように差を詰められない。このまま組2位でフィニッシュし、決勝進出を懸けてあすの敗者復活戦に臨むことになった。続く中尾咲月(スポ1=三重・津)と宇都宮沙紀(商3=愛媛・今治西)のダブルスカルは、成立学園高にスタートから先行を許してしまう。しかし、「中盤で結構粘れてそこで(他艇を)離せた」(中尾)と1500メートル付近でトップに躍り出ると、ゴール手前での成立学園高のスパートをかわし、準決勝の切符をつかんだ。残る2艇もこの流れで次なるステージへ駒を進めたいところであったが、全日本のカベは高く、あすの敗者復活戦で挽回を期す結果に終わった。軽量級女子ダブルスカルは、鹿屋体育大と拮抗(きっこう)した展開で、終盤に艇を伸ばし切れずに2着でゴール。総合6位にとどまった昨年の全日本と同じクルー編成で挑む女子舵手なしクォドルプルは、「驚くくらいいいな」(安井咲智、スポ3=東京・小松川)という好感触の前半とは打って変わり、後半は隣の中部電力の追い上げに対応できずに5着となった。


成立学園高をかわし、先頭でゴールへ向かって漕ぐ女子ダブルスカル

 男子部の軽量級舵手なしペアと舵手なしフォアは、レース後半に他艇から引き離され、前者は敗者復活戦へ進み、後者は敗退を喫した。そんな中、前日社会人相手に善戦した舵手なしクォドルプルの1年生クルーが、会心の漕ぎを見せる。龍谷大との差を着々と縮めていくと、ラストスパートで振り切って1着でゴール。森長佑(スポ1=福井・若狭)は「表彰台に上れるようにやっていきたい」と意気込んでおり、ルーキイヤーからメダル獲得を目指す。しかし、この日の男子部も女子部と同様、勝ち上がったのは1艇のみとなった。男子舵手付きフォアは日体大と東北大に水をあけられ、敗退が決定。男子エイトは、藤井拓弥主将(社4=山梨・吉田)が「隣のレーンの慶応とずっと競っていたんですけど、そこに全体的に気を取られてしまった」と敗因を語り、前を走る明大と日大の後塵を拝して準決勝進出ラインの組2着入りはかなわなかった。


2着までに入ることができず、落胆する男子エイト。準決勝進出を逃し、今大会から姿を消した

 やはりきょうのレースでは、女子ダブルスカルの中尾、男子舵手なしクォドルプルの中島湧心(スポ1=富山・八尾)、森長、菅原陸央(政経1=秋田・本荘)、越智竣也(スポ1=愛媛・今治西)の活躍が目を引いた。日本最高峰の舞台である今大会も折り返しを迎え、ルーキーたちがさらに上のラウンドでどんな漕ぎを披露するのか必見である。そして上級生は後輩たちから刺激を受けたに違いない。最終日進出へ、激戦必至の3日目を迎える。

(記事 石井尚紀、写真 加藤千咲)

結果

▽男子部

【軽量級舵手なしペア】

【予選】

S:牟田昇平(商2=兵庫・三田学園)

B:岡本真弘(商2=東京・早大学院)

7分13秒26 【4着 敗者復活戦へ】

【舵手なしフォア】

【敗者復活戦】

S:舩越湧太郎(社3=滋賀・膳所)

3:鈴木利駆(スポ3=静岡・浜松西)

2:中川大誠(スポ3=東京・小松川)

B:川田翔悟(基理4=東京・早大学院)

6分32秒05 【5着 敗者復活戦敗退】

【舵手なしクォドルプル】

【敗者復活戦】

S:中島湧心(スポ1=富山・八尾)

3:森長佑(スポ1=福井・若狭)

2:菅原陸央(政経1=秋田・本荘)

B:越智竣也(スポ1=愛媛・今治西)

6分18秒56 【1着 準決勝へ】

【舵手付きフォア】

【敗者復活戦】

C:山田侯太(商3=東京・早大学院)

S:岩松賢仁(スポ2=熊本学園大付)

3:土屋夏彦(スポ4=山梨・吉田)

2:牟田宜平(商3=兵庫・三田学園)

B:船木豪太(スポ2=静岡・浜松北)

7分00秒04 【3着 敗者復活戦敗退】

【エイト】

【敗者復活戦】

C:徐銘辰(政経4=カナダ・セントアンドリューズ)

S:田中海靖(スポ3=愛媛・今治西)

7:坂本英皓副将(スポ4=静岡・浜松北)

6:髙山格(スポ4=神奈川・横浜商)

5:堀内一輝(スポ4=山梨・富士河口湖)

4:菅原諒馬(商4=東京・早大学院)

3:瀧川尚歩(法3=香川・高松)

2:藤井拓弥主将(社4=山梨・吉田)

B:川田諒(社4=愛媛・松山東)

5分57秒95 【3着 敗者復活戦敗退】

▽女子部

【舵手なしペア】

【予選】

S:三浦彩朱佳(文3=青森)

B:木下弥桜女子主将(スポ4=和歌山北)

8分6秒37 【2着 敗者復活戦へ】

【ダブルスカル】

【敗者復活戦】

S:中尾咲月(スポ1=三重・津)

B:宇都宮沙紀(商3=愛媛・今治西)

7分29秒20 【1着 準決勝へ】

【軽量級ダブルスカル】

【予選】

S:南菜月女子副将(教4=新潟南)

B:尾嶋歩美(スポ3=埼玉・南稜)

7分34秒05 【2着 敗者復活戦へ】

【舵手なしクォドルプル】

【予選】

S:安井咲智(スポ3=東京・小松川)

3:藤田彩也香(スポ3=東京・小松川)

2:宇野聡恵(スポ2=大分・日田)

B:松井友理乃(スポ3=愛媛・今治西)

6分59秒41 【5着 敗者復活戦へ】

コメント

【男子エイト】

2:藤井拓弥主将(社4=山梨・吉田)

――きのう徐選手(銘辰、政経4=カナダ・セントアンドリューズ)にインタビューさせていただいて、「緊張感からいいリズムが出せなかった」とお聞きしましたが、きょうの敗者復活戦はいかがでしたか

きのうに比べると、改善点をつぶして自分たちが持っているものはしっかり出せたかなという思いはあるんですけど、レース展開的に隣のレーンの慶応とずっと競ってたんですけど、そこに全体的に気を取られてしまったというか。今回は2艇しか(準決勝に)上がれないんですけど、2位に入るというより真横に集中してしまって一番やらなきゃいけない2番以内に入るというところが疎かになってしまったかなという感じです。

――きのうのレースを受けてきょうはどのようなプランで臨まれましたか

きのうのレースは不完全燃焼というか、レース前いい感じに積み上がっていたものが出せなくて、全員が全員うまく漕げなくて、いつも通りに漕げなくて変なところに力が入って疲れたなという感じでした。それをきょうはいつも通りにしましょうということを意識したのと、あとはきょうのレースは全てのクルーが大学生だったので百戦錬磨の実業団がいるわけではないからアグレッシブに攻めていこうというところをポイントとして臨みました。

――日大や明大が前に出始めた場面はいかがでしたか

僕はうしろの方に乗っていて、バウペアは比較的日大を意識していたんですけど、他の人たちにどうだったか聞いたら「そこまで意識できなかった」と言っていて、結構明治には出られてしまったんですけど2番手の日大に意識がいってたかというと少し弱かったというのが反省点ですね。

――今後は全日本大学選手権(インカレ)に向かって練習していくのでしょうか

そうですね。大会自体はインカレしかもうないので、インカレに向かって課題をしっかりつぶして、そんなに時間が長くあるわけではないんですけど着実にやっていくしかないかなと思います。

――今後に向けて一言お願いします

今回、男子部はかなりふがいない結果と言いますか、新人の1年生は健闘してくれているんですけど、上級生に関しては本当にふがいない結果に終わっていて。なのでこの悔しさやうまくいかなかったこの気持ちをばねにして、インカレでは頂点に達したいなと思います。それは絶対に不可能ではないと思うので、今回の悔しさをいかに切らさずに貪欲な気持ちでいけるかというところにかかっていると思うので、その貪欲な気持ちをみんなで持って前に進んでいけるチームづくりをやっていければなと思います。

【男子舵手なしクォドルプル】

3:森長佑(スポ1=福井・若狭)

――お花見レガッタと同じく、1年生クルーですが

お花見のリベンジのような感じで、(シートの)場所は変わってるんですけど、同じクルーです。

――クルーの雰囲気はいかがですか

最初は言い合いもあったんですけど、大会が近づくに連れて、船の動きも良くなっていって、意見交換もし合えて、いい感じで臨めました。

――昨日のレースを振り返られていかがですか

前半が良かったんですけど、1000メートルを過ぎたあたりで、東レ滋賀が上げてきたのに対して、粘り切ることができなくて、落ちてしまいました。

――昨日の結果を受けてきょうのレースはいかがでしたか

今回のレースは昨日と違って前半で出られてしまって、気持ち的に焦った部分もあるんですけど、あまり出られ過ぎなかったのて、1800メートルくらいから上げることができて、昨日と比べて後半のリズムとかは良かったです。

――早大に進学された理由はありますか

早慶戦に憧れて、エイトに乗りたいというのがあって、早稲田を選びました

――実際に入ってみていかがですか

先輩も優しくて、過ごしやすいです。

――全日本選手権での目標をお願いします

あしたどこまで付いていけるか分からないですけど、Aファイナルに行って、表彰台に上れるようにやっていきたいです。

【女子舵手なしクォドルプル】

S:安井咲智(スポ3=東京・小松川)

――今回のクルーは昨年の全日本選手権となぜ同じなのでしょうか

今年の女子の目標が舵手なしクォドルプルでの優勝だったので、去年から引き続きでいこうとなっていて、早慶戦からの期間だったりとか今までのオフシーズンでの個人のレベルを総括して、同じメンバーになったと思います。

――早慶レガッタや代表U23代表選考などがありましたが、どのような準備期間でしたか

早慶戦が終わってから1カ月あったんですけど、学校が始まって少しドタバタしてる感じはありました。

――きょうのレースを振り返っていかがでしたか

1000メートルまでは自分たちでも驚くくらいいいなという感じで、そんなに疲労感もなかったんですけど、1250〜1300メートルあたりで隣の中部電力が追い上げてきた時に、自分たちで逃げることができなくて、雰囲気が良くなくなってしまって、本来ではしない後半の動きが始まってしまいました。

――あしたのレースはどのように臨みたいですか

きょうと同じ初めの1000メートルでいって、デンソーがいるので、デンソーと離れることなく付いていって、自分たちの持ち味である粘りを、最後まで声を出し合ってみんなで意識を統一してやっていきたいです。

【女子ダブルスカル】

中尾咲月(スポ1=三重・津)

――きのうの予選のレースを振り返って

きのうは早稲田のOGの米川さん(志保、平31スポ卒=現トヨタ自動車)と榊原さん(春奈、平28スポ卒=現トヨタ自動車)と当たってて、沙紀さん(宇都宮)と「そのペアは飛び抜けているから気にせずに確実に2位を取ろう」と話していて、最初スタートを失敗してしまったんですけど、落ち着いて自分たちの想定していたレースができたので結構いいリズムをつかめてよかったです。

――今大会はどのような目標を設定していましたか

Aファイナルに進出することです。

――きのうを踏まえてきょうのレースプランは

スタートでは出しすぎずに横並びか少し出るかくらいを狙っていたんですけど、きょうも結局失敗してしまってちょっと出遅れたんですけど。レースプランとしては最初は横並びで中盤で少し出て、最後の500メートルでラストスパートで上げてというイメージでした。そのプラン通りではなかったんですけど、中盤で結構粘れてそこで(他艇)を離せたので、そこがきょうの勝因だったかなと思います。

――あすの準決勝はどのようなレースにしたいですか

きょうも少しスタートを失敗してしまって出遅れたので、あすはしっかりスタートを決めて、スタートで出られたら周りも見られるし自分たちでレースをコントロールできるので。あすもトヨタ自動車さんと当たっているので、そこはあまり気にせずに自分たちのペースでレースをつくっていけたらと思います。