23日、甲子園球場 阪神1-0ヤクルト 阪神が今季4度目の劇的なサヨナラ勝ちを収めた試合で起きたことだ。 九回、1アウト…

23日、甲子園球場 阪神1-0ヤクルト
阪神が今季4度目の劇的なサヨナラ勝ちを収めた試合で起きたことだ。
九回、1アウト満塁のチャンスで途中出場の糸原が右翼へサヨナラ打。三塁走者・梅野が生還し1-0のサヨナラゲームとなった。

歓喜する阪神ナインだったが、それは選手たちがハイタッチをしているときに起こった。福留が二塁走者だった植田に対し、真剣な表情で何度も言葉を問いかけていた。植田は戸惑いながら何かを答えていた。その光景を見ていた鳥谷や、糸原も驚いていた。
おそらくではあるが、二塁走者の植田が三塁に到達する前に歓喜の輪に入り、正規に進塁することを怠ったことに対する、ベテランの福留らしい指摘であった。1アウトだったため、仮にアピールがあっても結果は変わらないが、2アウトだった場合は、3アウトチェンジに。取り返しのつかないことになっていた。

これを冷静に指摘できることは「野球人・福留孝介」の素晴らしいところだ。

ちなみに今回の件を踏まえた上で、次のケースだとどうなるだろうか。

九回2アウト満塁、打者がフォアボールになった場合に今回同様、二塁走者が三塁に到達する前に歓喜の輪に入った場合。

アピールがあれば、アウトとなり無得点で延長回に突入!だと考える人が大半だと思うが、答えは『NO』だ。

【公認野球規則5.08(b)】に記載されているのだが、わかりやすく説明しよう。

満塁でかつ同点、あと1点でサヨナラのケース。打者にフォアボールや死球などで一塁が与えられた時のみ、その打者走者が一塁に触れる、かつ三塁走者が本塁に触れたら試合は終了となる。したがって他の走者は進塁しなくてもいいのだ。

このルールを知っていた人は果たして何人いただろうか?
個人的には、いくらルールに守られていても、マナーとしてしっかり進塁してから喜んでほしい。特にマナーのいい日本人にはなおさら思う。

このように野球のルールはかなり奥が深いが、公認野球規則(ルールブック)の記載が難しすぎる。今後も、NPBで12年審判員をやってきた経験をもとに、野球の正しいルールを解説していきたい。
この記事を読み、新しい野球の面白さに気がつく人が一人でもいてくれたら嬉しく思う。

文:元プロ野球審判 坂井遼太郎