肘の手術、リハビリを経て、実践復帰3戦目で初ヒットを放った大谷翔平選手。 試合後の報道陣の前で「今日は『感じ』が良かっ…
肘の手術、リハビリを経て、実践復帰3戦目で初ヒットを放った大谷翔平選手。
試合後の報道陣の前で「今日は『感じ』が良かった」という表現を何度か繰り返している大谷選手の言葉を聞いて2年前の事を思い出しました。
「大谷君、プレーしている時、最も大切にしている事は何ですか?」
「心地良さ、感じの良さですかね」
プロの世界に飛び込んで5年目のシーズン。球界を席巻してきた投手・大谷翔平と打者・大谷翔平。
誰も経験したことのない未知の世界でプレーする大谷選手がパフォーマンスを最大限に発揮する為に大切にしていることは一体どんなことなのか?
シンプルに彼の考えを知りたいと思い、試合前の打撃練習後に札幌ドーム内で聞いたことがありました。
「投手の時、打者の時、5年目を迎えて今、ゲームの中で大事にしていることがあれば教えてくれますか?」
僕の質問に対し、間髪入れず彼はサラっと返答してくれました。
「投げ心地の良さとか、いわゆる感じの良さですかね。その日、その時の『感じの良さ』が僕は大事だと思っています」
「この部分を、ここの技術を特に大事にしている」という答えではなかった為、一瞬、抽象的にも感じた大谷選手の返答でした。本当は細部にまでこだわり、神経を張り巡らせ、技術的な引き出しを常に増やしているはずです。
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対戦チームの元コーチから見た大谷翔平の強さと弱点(https://cocokara-next.com/athlete_celeb/shoheiotani-potential-02/)

ただ、その後、彼のプレーやコメントを聞けば聞くほど、そこは敢えて技術的な部分を細かく語ることはせず、最善の準備を行ったうえで、最後の最後はその瞬間、瞬間の感覚、感性を最も重要視しているという彼なりのメッセージだと感じました。
彼が自分の納得のいくある程度の好結果が出た時は、「打席の『感じ』が良かった」「ボールを見る『感じ』が良かった」「投げている『感覚』が良かった」という言葉を使っていました。
200日以上のブランクが空く中で、マイナーでの調整出場を経ず、まさにぶっつけ本番、大リーグの舞台で、いきなり3番DHでの公式戦出場という日本でも考えられない復帰を果たした大谷翔平。
復帰後3戦目でヒットを二本放ち、安堵の表情を見せる中で感覚の良さを語った彼に恐ろしい程の凄みを感じました。そこに天性の適応力と心地良くプレーする為に徹底的な準備を行ってきた努力の結晶を垣間見ました。
『感じの良さ』
『心地の良さ』
を大切にする24歳。
大リーグ挑戦2年目、大谷翔平の感覚はさらに研ぎ澄まされるはずです。
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
[文:田中大貴]
田中 大貴 (たなか・だいき)
1980年4月28日、兵庫県小野市生まれの38歳。小野高では2年から4番で打線の主軸を担った。巨人・高橋由伸監督にあこがれてか慶應義塾大学へ。4年春に3本塁打でタイトルを獲得。フジテレビ入社後は主に報道・情報番組とスポーツを担当。「とくダネ!」「すぽると!」ではバンクーバー五輪、第2回WBC、北京五輪野球アジア予選、リオ五輪キャスターなど様々なスポーツイベントを現地からリポートした。