写真=Getty Images 

「選手だけでは築けない。全員で作り上げた試合」

2015年のオフにラマーカス・オルドリッジがフリーエージェントになってスパーズへの移籍を決断した当時、トレイルブレイザーズは再建段階を迎えたと思われた。当時4年目のデイミアン・リラードの実力は誰もが認めていたものの、チームとしての力を考えると、激戦区である西カンファレンスのプレーオフ争いを突破できると考えたメディアは少なかった。

しかし彼らは、ことごとく下馬評を覆し、リラードのチームになってから4年続けてプレーオフに進出。そして、今年はレギュラーシーズン終盤にユスフ・ヌルキッチが離脱するアクシデントに見舞われたものの、ナゲッツとの『Game7』を制し、1999-00シーズン以来となるカンファレンス・ファイナルへと駒を進めた。

ブレイザーズは、選手だけでなく、コーチ、フロント、スタッフ全員が勝利に沸いた。この光景について試合後の会見で聞かれたリラードは、「球団全体の気持ちの強さを見せられたと思う。4年前に大きな変化があっても、自分たちは持ちこたえられた。当時、周りは自分たちが終わったと見ていた。僕自身も、球団も、これからどこに向かうかどうか定かではなかった。ただ、自分たちが築き上げたいと思う形を信じて、それを頼りに歩んできた」と、これまでの努力を誇った。

「やるべきことをやり、ハードワークを厭わず、お互いがお互いのためにプレーすることを重要視した。そういうチームの考え方を築けたと思う。そのためには、全員の力が必要だった。選手だけでなくて、コーチ、フロント、警備、広報、自分たちと日々一緒にいる全員の力が必要なんだ。全員が力を費やして生み出したもの。今日のような試合、『Game7』に勝って、全員で喜んだのは、僕たち一人一人がチームの一部だから。選手だけでは築けない。全員で作り上げた。そういう試合だね」

37点を奪い、第4クォーター残り12秒にはアイソレーションからステップバックミドルで勝負を決めたCJ・マッカラムは、ロシアでプレーしている兄のエリック・マッカラムから受けたアドバイスを会見で明かした。

「今日はアグレッシブにやれたと思う。実は、試合前に兄からメールをもらって、『小さくまとまるな。ミッドレンジからも打って、流れを掴んで、できる限りリムに向かえ』と言われたんだ。良いプレーができたと思う」

激闘を制したブレイザーズが、王者ウォリアーズへの挑戦権を手にした。次のラウンドでも、彼らは築き上げた集団の力で、強大な壁に挑む。