オフェンスとディフェンス、それぞれのトップを務めるオフェンスリーダーRB高瀬滉平(政経4=東京・早大学院)とディフェンスリーダーDB高岡拓稔(商4=東京・早大学院)の2人に、早慶戦へ向けた意気込みを語っていただいた。 ※この取材は3月1…

  オフェンスとディフェンス、それぞれのトップを務めるオフェンスリーダーRB高瀬滉平(政経4=東京・早大学院)とディフェンスリーダーDB高岡拓稔(商4=東京・早大学院)の2人に、早慶戦へ向けた意気込みを語っていただいた。


※この取材は3月10日に行われたものです。

 

「1つ1つのプレーのクオリティを上げて、個人の力で勝つ」(高瀬)


FBとして要所でのボールキャリーに期待が懸かる高瀬選手

――お二人はオフェンスリーダーとディフェンスリーダーということですが、それぞれの役割について

高岡 その名の通りトップとして、ディフェンスを束ねるリーダーの役割をしています。オフェンス、ディフェンス、キッキングにそれぞれリーダーがいるので、その3人がそれぞれで頑張るという感じです。

高瀬 オフェンスを束ねるというところで、プレーでも日ごろの姿勢でも引っ張っていかなければいけない存在だと思っています。

高瀬 幹部の次くらいだよね、重要度的にいうと。

――それぞれの役割への就任はどのような経緯で決まりましたか

高岡 自分は昨年のディフェンスが結果としては満足のいく結果が得られなかったので、それを立て直したいという思いが強くて、新4年生になるにあたって就任しました。経緯としては昨年の結果を鑑みて、自分がディフェンスを立て直すという思いで立候補しました。

高瀬 僕は昨年はめちゃくちゃ練習して、めちゃくちゃ良いユニットだと思って甲子園ボウルに挑んだんですけど。結果全然通用しなくてそれが悔しかったです。それでもっとハードに練習に挑戦的にやらないといけないと思って、それが一番体現できるのは自分だと思ったので立候補をして、そういうユニットを作りたくて今やっています。

――池田直人主将(法4=東京・早大学院)の印象はいかがですか

高岡 チームの誰よりもストイックですね。そこまでやるっていうくらいストイックな男なんですけど、それでいて人の意見もちゃんと聞けるやつなので、チームの顔としてすごい頼りがいがあるかなと思います。

高瀬 話すのはすごい下手なんですけど。(笑)日頃の行動であったり姿勢だったりっていうのがすごい伝わってきてついていきたいと思えるリーダーだなと思います。

――昨シーズンを振り返っていかがですか

高瀬 結構自信を持ってオフェンスユニットとして関学に臨んだんですけど、関西の壁っていうのを再確認しましたね。関西っていうのは一段階も二段階もレベルが違うなっていうのを身をもって感じました。

高岡 ディフェンスはオフェンスと違って関東リーグの段階から結構苦戦して。1年間のプロセスの部分で、間違ってはいないと思うんですけど、細部にこだわり切れていなかったなと思います。それが甲子園での関学戦に対しても前半で片をつけられてしまったように顕著に出て、細かいところを攻めきれなかったというのが昨年の思いですね。

――昨年の反省を踏まえて、今年はどのような点を強化していますか

高瀬 オフェンスは昨年もそうだったんですけど、1つ1つのプレーの精度を上げるっていうところですね。作戦の部分で色々な種類のプレーを使うのではなくて、1つ1つのプレーのクオリティを上げて、個人の力で勝つというオフェンスを作りたいなと思っています。

高岡 ディフェンスも緻密さというポイントでは昨年よりも意識して取り組んでいます。アサインメントうんぬんというよりも、ディフェンスはアジャストの世界なのでどういうプレーが来た時にどう止めるんだっていうのを一人一人がしっかりイメージできるような練習をして、1つ1つのプレーに対する止め方っていうのをイメージできればどんなアサインメントを使っても止められると思っているので、今はその土台作りをしています。

――オフェンス、ディフェンスそれぞれのスローガンなどはありますか

高瀬 オフェンスは昨年と同じ『Play Hard』です。プレーで、練習も常にハードにやり続けるし、試合でもプレーが始まってから終わるまで常にハードにやり続けるっていうことで昨年から継続して同じものにしています。4年生のオフェンスの幹部のポジションリーダーと話し合って、満場一致で決まりました。

高岡 ディフェンスは『Just do it』っていうNIKEのやつです。これは新しいディフェンスコーディネーターの櫻井コーチから提案を受けたものを僕が吟味して、ディフェンスリーダーの僕が決めたっていう形ですね。意図としては日頃の練習から細かいポイントまでこだわり抜いて、緻密に練習からを積み重ねていって、試合では練習で積み上げてきたものをただやるだけ。試合では思いっきりやるだけの状態にするっていう意味が込められています。それは昨年足りなかったところだし、今年はそれを絶対に遂行できるようなユニットにしたいという意味を込めて、そのスローガンにしました。

――今お名前が上がりましたが、今年から山田コーチから櫻井コーチにコーディネーターが変わりましたが、何か変化はありましたか

高岡 体制としては選手の意見を取り入れてくださるので、そういったところは変わらないですね。ただ、櫻井コーチは櫻井コーチで色々な経験をされてきているので、その経験を基に練習の方法を変えたりだとか、1ヤードとかセンチ単位での議論を重ねたりだとか、結構細かいですね。山さん(山田コーチ)は山さんで、昨年1年間ディフェンスの幹部で一緒にやってきて信頼関係が築けているので、今年もアドバイスとかはもらえればなと思っています。

――オフェンスコーディネーターは変わらず坂本コーチですが、印象はいかがですか

高瀬 いつも積極的に話しかけてくれたりして、話しかけやすい環境を作ってくれているのでありがたいですね。話の最初はくだらない話をしたりもしているんですけど。(笑)その中でもオフェンスの話に関して、どうやってうまくやっていくかっていうような話はしっかりとコミュニケーションを取ってます。

――春シーズンはオフェンス、ディフェンスそれぞれにとってどのような位置付けとして捉えていますか

高瀬 春はとりあえずこの力を伸ばすというところで、フットボールをきれいにやるんじゃなくて自分たちの力を思いっきり出す。きれいなフットボールをせずに、思いっきりやっていきたいなと思っています。

高岡 ディフェンスはとにかく1試合1試合どれだけ自分のやりたいことをできるかというところにフォーカスして、相手に合わせることなく自分たちのフットボールを1試合1試合どんな相手だろうとやるっていうことをテーマにしてやろうと思っています。次の試合のためにこの試合は手を抜くとかいうことはなしで、1試合1試合全力でやるという感じですかね。

――お二人にとってアメリカンフットボールの魅力とはなんでしょうか

高瀬 僕はポジション柄そうなんですけど、思いっきり体をぶつけるというところで他のスポーツにはないことですし、負けたり勝ったりすることもあるんですけど、そこは他のスポーツにはない刺激的な部分だなと思います。

高岡 激しさの中にも、少しミスをするだけでもうまくプレーが決まらなかったりとかっていう緻密さがあるので、そこを構築していくのは魅力かなと思います。

――お二人がアメリカンフットボールを始めたきっかけは何でしたか

高瀬 僕は中学の時は野球をやっていたんですけど、10人くらいしかいない弱いチームだったので全然勝てなくて。スポーツで勝ちたいと思っていて、たまたま高校に入った時にアメフト部が日本一をとっていたので、自分は体がでかくて足も速かったので、ここなら入ってみたいと思って始めました。

高岡 完全に親の影響ですね。(笑)親の影響でフラッグフットボールを初めて小学校6年生の時に早大学院と駒場の関東決勝の試合を見て学院がタイブレークで勝った試合を見て、早稲田でフットボールしたいなと思ったんですね。それで早稲田にフットボールをするにはどうしたらいいかなってなった時に、「学院じゃん。」となったので、学院に高校で受かってアメフトを始めました。

――そんなお二人にとってアメフトの存在とはどのようなものでしょうか

高岡 僕にとっては人生の8割くらいがアメフトなので、まさに人生ですね。アメフトがなかったら自分の人生を語れないので。本当に。小学校2年生の時からフットボール漬けなので。

高瀬 なんだろう。。。恋人ですかね。(笑)辛い時期もありますけど、それを乗り越えたら頑張ったら楽しいことがたくさんあるので、恋人ですかね。

――高瀬選手はRBの中でもFBというポジションで、観客から注目されづらいポジションではあると思うのですが、FBというポジションの役割をご説明いただいてもよろしいでしょうか

高瀬 FBというポジションは確かに目立たないんですけど、その中でもキーブロックといってプレーサイドのプレーに携わることが多いのでそこに対しては責任感を持ってやっていますし、その裏のプレーで、機会は少ないんですけど、ボールを持つプレーもあるので、一回一回のプレーの責任を持ってやっているポジションですね。

――ここに注目してほしいというポイントはありますか

高瀬 やっぱりブロックですね。RBが走る方のブロックを担当していることが多いので、僕たちのブロックでRBの走るルートを開けているので、そのブロックを見ながらボールを持っている人を見てもらえたらなと思います。

――高岡選手は早稲田のディフェンスはこれまでも様々な守備体型を敷いてきましたが、そこに対しての難しさは感じられていますか

高岡 考え方をシンプルにすればやることは明確ですし、池田が入れば何とかなるでしょうっていう。(笑)

高瀬 器用だからね。

高岡 まぁ、特殊な体型を使っているからといって止められるってわけでもないので、結局個の力が左右してくる部分が大きいので、僕はオールジャパンが11人揃ったチームが最強だと思っているので。その中で何のアサインメントを使うかなので。何を使うかにこだわるんじゃなくて、それをどう使いこなすかっていうところにこだわろうと思っています。

――昨年の4年生の主力が抜けたCBのポジション争いはいかがですか

高岡 今かなり競争中で、試合経験のあるCB永井(雄大、商4=東京・早大学院)とかが候補ではあるんですけど。下級生を見ていても勢いのある選手が何人もいるので、そことの競争かなという感じですね。チーム内で競争する中でリーグを代表するレベルになって欲しいなと思っています。

――スタメンで出る選手を最終的な決定はどのように行なっていますか

高岡 最終決定はコーディネーターなんですけど、ポジション主任とポジションコーチも交えて議論きて決めていく感じですね。

「僕にとっては人生の8割くらいがアメフト」(高岡)


4年生として、下級生の台頭が著しいDBユニットを引っ張る高岡選手

――慶大の印象はいかがですか

高岡 慶応の毎年のイメージなんですけど、気持ちを前面に出してくるというか反則ギリギリの勢いでハードにプレーしてくるという印象はありますね。

高瀬 相手のディフェンスは思いっきりが良くて、一か八か思いっきりプレーしてきてそれが当たればいいかみたいな感じで、割り切ったディフェンスをしてくるので、怖いところはありますね。

 

――お二人にとって早慶戦とはどのような存在ですか

高岡 やっぱりテンション上がりますね。

高瀬 イベントだな。やっぱり他の試合と比べても観客の数がだったりが多いですし、早慶戦が自分たちの公式戦としての初めての試合になるので、モチベーションを高めて楽しみにしています。

高岡 楽しみだし、絶対に勝ちたいところですね。

――オフェンス、ディフェンスのキーマンとなる選手はどなただと思いますか

高瀬 オフェンスは中野玲士(商4=東京・早大学院)だと思っています。伊織さん(元山、平31卒部=大阪・豊中)と片岡さん(遼也、平31法卒=東京・早大学院)だったりが抜けた中で、RBの中で誰が活躍するかという中で昨年まで中々チャンスがもらえなくてうずうずしていた彼が暴れてくれればなと思います。自分と学院の頃から7年間やってきている同期なので。

高岡 ディフェンスはDB高橋(弘汰、法3=東京・早大学院)ですかね。昨年の早慶戦ではMVPを取ったんですけど、1年経った今。彼が昨年の自分を超えられるかっていうのは今年のディフェンスにとってもターゲティングポイントかなと思っています。彼がいいディフェンスをしてくれればディフェンスも締まるので、あいつがしっかりとできるかはカギになってくるかなと思います。

――重要になってくるポジションはどこだと考えていますか

高岡 ポジションとしてはディフェンスではDLですね。昨年から伊藤コーチが来てくださって、DLのスタート部分を強化してくださっているんですけど、今年は昨年以上の爆発的なスタートでロスを支配できるかっていうのは、早慶戦がこれまでのオフの成果が見れる機会だなと思っているのでDLのみんながどれだけ良いパフォーマンスを見せてくれるのか楽しみです。

高瀬 僕たちも同じようにOLですね。慶応と戦う上で一番重要になってくるのはあれだけ勢いのあるDLをどれだけOLが前で止めてくれるか、前に押し込んでくれるかでランもパスも変わってくると思うのでOLの活躍に期待したいです。OLは下級生がすごくやる気があって根性もありますし、練習後とかも残って自主練をしたりウエイトトレーニングとかもしっかりとやっていている姿を見ていて、やる気っていうのを感じるのでぜひ早慶戦で注目してもらいたいなと思っていますし、期待もしています。

――ラストイヤーで迎える早慶戦ですが、そこへ向けた意気込みをお願いします

高瀬 毎年そうなんですけど、楽しむということですね。早慶戦ということでお客さんもたくさん入って楽しめると思うので、残りの期間をしっかりと練習して詰めるところは詰めて準備して臨みたいと思います!

高岡 ディフェンスは昨年の悔しい思いを晴らすというところで、練習から細かいところをこだわり抜いていきたいと思います。僕らの目指すディフェンスっていうのは今の時点ではまだ完成はしていないと思うんですけど