開幕3戦全てストレート勝ちと勢いに乗る早大。春季関東大学リーグ戦(春季リーグ)4戦目は前日の武蔵短大戦でストレート勝ちし、波に乗る宇都宮大と対峙した。「自分たちのプレーができた。」(井上)課題としていた立ち上がりは不安を見せるどころか、黄…

 開幕3戦全てストレート勝ちと勢いに乗る早大。春季関東大学リーグ戦(春季リーグ)4戦目は前日の武蔵短大戦でストレート勝ちし、波に乗る宇都宮大と対峙した。「自分たちのプレーができた。」(井上)課題としていた立ち上がりは不安を見せるどころか、黄金ルーキー中澤恵(スポ1=大阪・金蘭会)を中心とした攻撃で序盤から自分たちのリズムで試合を構築していく。2セット連取し迎えた第3セットでは拮抗(きっこう)した試合展開を見せたものの、正念場で富澤結花主将(スポ4=東京・文京女学院)のスパイクがブロックを貫き宇都宮大を振り切る。セットカウント3−0(25−18、25―17、28−26)。得点差以上に溢れ出す勝つ『空気』がコートにはあふれ、宇都宮大を圧倒した。

 課題としていた立ち上がり、先制点は宇都宮大に取られたものの、川治えみり(社3=北海道・旭川実業)、井上裕利惠(スポ3=岡山・就実)を中心とした守備が序盤から機能し確実にペースをつかんでいく。徐々に点差がつき始めた中盤には井上が4連続サービスエースを奪うなど一気に加速。ピンチサーバーとして起用された池田華(社3=韓国・ヨンサンインターナショナル)もサービスエースを奪うなど終始流れを明け渡すことなく第1セットを奪う。


巧みなサーブで得点を稼ぐ井上

 第2セットでもその勢いを失う兆しはない。今年注目の一年生二枚看板、中澤、山下日和(社1=千葉・市立船橋)が躍動する。山下のクイックで攻撃にいいリズムを作ると、中澤のバックアタックが炸裂。一年生コンビでこのセットの半分以上の得点を叩き出し、第2セットも連取する。ストレート勝ちでの連勝を4に伸ばしたい第3セット。序盤にミスが生まれるなど連続失点を喫し、なかなかリズムに乗り切れない。苦しい試合展開の中、試合の流れを変えたのはピンチサーバー梨本未央(社3=東京・駒場学園)だった。4点ビハインドの展開からサービスエースを決めるなど、空気を一変させ5連続得点で逆転に成功する。その後は取っては取られの緊迫したシーソーゲームに。早大は安定したディグ、ブロックフォローから攻撃の端緒を探る。我慢の時間が続く中、富澤主将が相手ブロックの間を破るスパイクを放つと、最後は山下のブロックで勝負あり。見事粘り勝ち、ストレート勝ちでの連勝を4とした。


守備の中心としてチームに貢献する河治

 今年のチームに流れている『勝つ』空気。精度の高いサーブ、持ち前の『粘り』あるディフェンス、橋本美久(社2=福島・郡山女大附)の持ち味が光るバリエーションの増したコンビバレー。様々なプレーがしっかり輝きを放っているからこそこの空気が生まれている。しかし、この『勝つ』空気を生む一番の要因は、プレーの合間合間にこぼれる笑顔だろう。富澤主将を中心に『一部昇格』の絶対使命の下、全力でバレーを楽しめているからこそ『勝つ』空気が生まれている。まだまだ春リーグ第4戦。ようやく折り返しを迎えようとしている。春リーグが終わりを告げる時、コートには一体どんな空気が流れているのだろうか。それは選手たちのコートに咲く選手の笑顔が暗示している。

(記事 遠藤伶、写真 友野開登、安岡菜月)

セットカウント
早大25-18
25-17
28-26
宇都宮大
スタメン
レフト 富澤結花(スポ4=東京・文京学院大女)
レフト 中澤恵(スポ1=大阪・金襴会)
センター 齋藤友里(社2=千葉・敬愛学園)
センター 山下日和(社1=千葉・市立船橋)
ライト 井上裕利惠(スポ3=岡山・就実)
セッター 橋本美久(社2=福島・郡山女大附)
リベロ 河治えみり(社3=北海道・旭川実業)
コメント

富澤結花主将(スポ4=東京・文京学院大女)

――あらゆるプレーでレベルアップが感じられる今季、ここまで振り返っていかがですか

今のところは下位から当たっているので力は出せているのかなと思うんですけど、もっと圧倒していかないといけないなと思っています。なのでもっと詰めるべき部分だとか課題はあるので、そこを詰めていかないと上位のチームと当たった時にやられるという不安があるんですけど、今日の試合の最後は攻められた時に我慢できて勝てたのでこういった試合をしていけたらなと思います。

――今年のチームの強さが見られた試合だったと思います。今日の試合を振り返っていただけますか

相手が波に乗っているチームだったので怖さはあったんですけど、1セット、2セットと自分たちのバレーができたでよかったです。でも、気が抜けたり相手も自分たちの対策ができてきたりっていう中での3セット目で、自分たちのミスもあり苦しい場面はあったんですけど、今年は我慢ができていて自分たちも落としたくない思いがあったので勝ち切れたことは収穫かなと思います。

――要所での富澤選手の得点が光りました。ご自身のプレーを振り返っていただけますか

今日はやっとスパイク打てるようになったかなと思います。これからもっとレベルを上げていけるように頑張ります

――主将としてチームを盛り上げる場面も目立ちました

作ってます(笑)私が伝えたいことあるのに話せなくてみんな笑ってるだけです(笑)みんながちゃんと分かってくれるんでありがたいです(笑)

――来週以降の試合に向けて意気込みお願いします

相手の対策ももちろんですけど、狙っているのは優勝しての1部昇格なのでしっかり頑張っていきたいと思います。

井上裕利恵(スポ3=岡山・就実)

――きょうの試合を振り返って

自分たちのつなぎができたのでよかったです。

――これまで1セットも落とすことなく4連勝と勢いに乗っているチーム、ここまでの戦い振り返っていかがですか

先週の2戦は自分たちの理想のプレーができずに相手のリズムに合わせてしまった感覚があったんですけど、今週は先週よりも自分たちのプレーができたのでよかったです。

――第1セットには4連続サービスエースなどご自身の活躍が目立った試合でした

サーブポイントを取ろうっていうよりも、ミーティングで狙う人を決めていたのでそこをしっかり狙えたらサービスエースになっちゃいました(笑)

――守備面での貢献も目立っているここまでですが振り返っていただけますか

一年生が決めてくれているので自分がしっかり拾わないといけないっていう気持ちでやっています。ブロックも去年に比べて機能しているので、後ろもレシーブが見やすいし拾いやすいです。

――来週の試合へ向け抱負をお願いします

来週は今週よりも強い相手になるのでもっと詰めるところをしっかり詰めてミスなく勝てるように頑張りたいです。

河治 えみり(社3=北海道・旭川実業)

――きょうの試合を振り返って

今週いっぱいは、自分を中心にキャッチが課題でした。ノータッチミスを無くすという課題でやっていて、全体としていくつかミスはあったんですけど、この前よりも改善できていたのでこのまま頑張っていけたらと思います。ここ最近の二試合はブロックが良くて自分たちの流れを作れる場面が多かったし、今日はサーブが良くて、チームのいいところが見れた試合だったと思います

――3セット目、相手にリードされる場面がありましたが、タイムアウトの際にはどのような話をされましたか

相手の攻撃が変わったというよりは、自分たちの心の緩みというか、そういうものが出てしまうシーンが3セット目にはあったので、もっとこうしよう、というよりも、もう1回引き締め直して自分たちのバレーをしよう、という声掛けが多かったです

――3セット目の終盤、サーブカットがきれいに上がって一点ずつを取り合う展開となりました。冬の練習の成果が出たと思われますか

そうだといいな、と思います(笑)

――これからのリーグ戦の意気込みをお願いします

前半戦があと三試合あるので、これまでストレートで勝ってきたことに安心せずに、残りもストレートで勝ち切れるように課題を詰めてやっていきたいと思います

橋本美久(社2=福島・郡山女大附)

――今日の試合を振り返っていただけますか

昨日の試合がブロックも決まったりサーブも攻められたりいいリズムでしたが、きょう始まる前に監督に「昨日は昨日、きょうはまた一からだから」というのを言われて、みんなで気持ちを新たにリセットして頑張ろうとなったので、1・2セットは勝ち切ることができて、最後3セット目は少し競りましたがそれも勝ち切ることができたので良かったと思います。

――第1セットと第2セットの序盤は拮抗していましたが、そのときはどのような心境でしたか

サーブは誰を狙うとかブロックはゆっくり飛ぶとか色々ミーティングで話したことがあったので、そういうことを意識していました。私はセッターとしてアタッカーがしっかり打ち切れるようにプレーしました。

――第3セットは苦しい展開でしたが、プレーしているときの心境はいかがでしたか

ずっと3点差か2点差でいっていたので、どこかで巻き返さないといけない、逆転しないといけないという焦りは少しだけあったなと思います。

――昨年サーブに苦手意識を持たれていましたが、今年はサーブが好調のように感じます。冬の期間で何か準備はされましたか

サーブをすごい重点的にやっていた訳では無いですが、サーブ練習が短い中で、結花さんが「3分しかないから目標を決めて打ってね」とみんなに言っていて、ゴムを付けているんですけど、ゴムの下を通すとか速いサーブを打てるように意識するとかそういう練習をこれまでやってきました。

――先ほど目標を決めてサーブ練習をするとおっしゃっていたと思いますが、橋本さん自体はどういう目標をもって練習されてましたか

低く打つためにゴムを張るんですけど、その下を打てるように強いサーブで打てるように意識しています。また、角を狙うところにコーンを置くんですけど、そこを狙いつつ低いサーブを打てるようにというのを意識して打っていました。

――次の試合への意気込みをお願いします

来週もどんどん強いチームと当たってきますが、ワセダがこれまでやってきた粘りのバレーっていうのを崩さないように、相手に合わすことなく自分たちのバレーをしていきたいと思います。