4月11日から14日にかけ、今シーズン最後の公式戦となる世界フィギュアスケート国別対抗戦がマリンメッセ福岡で行なわれた。6カ国が男女シングル各2人、ペア1組、アイスダンス1組の4種目で争い、各種目で高ポイントを獲得したアメリカが1位。連覇…

 4月11日から14日にかけ、今シーズン最後の公式戦となる世界フィギュアスケート国別対抗戦がマリンメッセ福岡で行なわれた。6カ国が男女シングル各2人、ペア1組、アイスダンス1組の4種目で争い、各種目で高ポイントを獲得したアメリカが1位。連覇を目指した日本は2位となった。

 男子シングルスはSP、フリー共にアメリカ勢がワンツーフィニッシュを飾り、日本の宇野昌磨がそれに続いた。一方の女子シングルスは、上位の顔ぶれが変わる混沌とした戦いに。そこで坂本花織、紀平梨花と競い合った世界の女子スケーターたちにスポットを当てた。

【1位・アメリカ】

ブレイディ・テネル(21歳)

【国別対抗戦】SP 74.81(4位・9ポイント)/FS 150.83(2位・11ポイント)

 3月の世界選手権で7位に入った勢いをさらに加速させ、アメリカの優勝に貢献した。特にフリーは完璧な滑りを披露し、自己ベスト(世界選手権の143.97点)を大きく上回った。国別対抗戦では順位に反映されないが、総合得点の225.64点は世界選手権の2位に相当する高得点。来シーズンに向けて大きな手応えを得た。

マライア・ベル(22歳)

【国別対抗戦】SP 70.89(5位・8ポイント)/FS 135.17(6位・7ポイント)

 世界選手権に続き、総合得点が200点以上を上回る安定した演技で、着実にポイントを獲得。来シーズン以降の、主要大会での上位進出に弾みをつけた。アメリカ勢にはテネルだけでなく、今年の全米選手権を最年少の13歳で制したアリサ・リウという若き逸材も出てきており、同国のライバルとの戦いも激しくなりそうだ。

【3位・ロシア】

エリザベータ・トゥクタミシェワ(22歳)

【国別対抗戦】SP 80.54(2位・11ポイント)/FS 153.89(1位・12ポイント)

 2015年に世界選手権を制して以降は度重なるケガなどに苦しんだが、今シーズンはGPシリーズのスケートカナダで優勝し、GPファイナルでも3位に入って見事に復活。さらに国別対抗戦ではSP、フリー共に自己ベストを更新する圧巻の演技で観衆を魅了した。競争が激化するロシア勢の中で、「女帝」とも呼ばれる彼女の存在感が再び増してきている。

ソフィア・サモドゥロワ(16歳)

【国別対抗戦】SP 68.61(6位・7ポイント)/FS 138.84(4位・9ポイント)

 フリーで自己ベストに迫る138.84点を記録し、同じ16歳の紀平梨花を上回る4位に入った。昨年から習得を目指しているトリプルアクセルをモノにすれば、来シーズンはさらなる高得点が期待できる。1月の欧州選手権で、同国のアリーナ・ザギトワを抑えて優勝を果たした新星は、まだ伸びしろを残している。

【4位・フランス】

ロリーヌ・ルカブリエ(22歳)

【国別対抗戦】SP 62.53(8位・5ポイント)/FS 107.71(9位・4ポイント)

 2016-2017シーズンのフランス選手権で優勝し、同シーズンの欧州選手権では自己ベストの総合188.10点で5位に食い込んだことで注目を浴びた。それ以降は苦戦が続いたが、今シーズンは1月の欧州選手権で再び180点台を記録。課題となっているジャンプを安定させ、さらなる進化を目指す。

マエ・ベレニス・メイテ(24歳)

【国別対抗戦】SP 59.45(10位・3ポイント)/FS 114.22(8位・5ポイント)

 2013年からフランス選手権を3連覇。2016-2017シーズンに台頭してきたルカブリエとの競争の末に平昌五輪の出場権を獲得し、ソチ五輪に続く2大会連続の出場を決めた。その平昌五輪SPでは、スカートがついていない黒のズボンタイツの衣装で登場し話題となった。今後もさまざまな形でフィギュアスケートの可能性を見せてくれるだろう。

【5位・カナダ】

ガブリエル・デールマン(21歳)

【国別対抗戦】SP 64.33(7位・6ポイント)/FS 107.48(10位・3ポイント)

 カナダを代表するスケーターとして活躍してきた彼女にとって、今シーズンは健康上の不安から休養を経験するなど苦しいシーズンになった。最終戦の国別対抗戦でも本来の実力を示すことはできなかったが、1月のカナダ選手権SPでは70.18点で首位に立ったように、徐々に力を取り戻しつつある。来シーズンの完全復活に期待したい。

アレイン・チャートランド(23歳)

【国別対抗戦】SP 52.36(11位・2ポイント)/FS 94.91(12位・1ポイント)

 2016年に総合201.99点でカナダ選手権を制したものの、その後は得点を伸ばせずに平昌五輪出場も逃してしまった。その悔しさを経て迎えた今シーズンは、演技の安定性には課題が残ったものの、3年ぶりにカナダ選手権で頂点に立つなど、収穫が得られたシーズンになった。

【6位・イタリア】

マリーナ・ピレッダ(16歳)

【国別対抗戦】SP 60.33(9位・4ポイント)/FS120.22(7位・6ポイント)

 昨年12月に行なわれたイタリア選手権のジュニア部門を、2位に大差をつける総合153.32点で優勝した新星。3月の世界選手権にも出場し、国別対抗戦ではSPのトップバッターながら演技を披露し、フリーも健闘して総合180点を超える高得点を獲得した。

ロベルタ・ロッデギエーロ(28歳)

【国別対抗戦】SP 48.45(12位・1ポイント)/FS106.64(11位・2ポイント)

 2014年から3年連続でイタリア選手権2位を獲得。2015-2016シーズンからはGPシリーズでも活躍していたが、昨シーズンは大会に出場せず。スケーターとしてはベテランだが、今シーズン復帰して最終戦まで戦い抜いた。