ナイキは4月5日、大坂なおみとのスポンサー契約の締結を発表した。これまで大坂がウェア契約を結んでいたアディダスからの変更となる。全米オープン以来オファーが殺到している大坂だが、実力はもちろんの…

ナイキは4月5日、大坂なおみとのスポンサー契約の締結を発表した。これまで大坂がウェア契約を結んでいたアディダスからの変更となる。全米オープン以来オファーが殺到している大坂だが、実力はもちろんのこと、人柄の良さと国際性がスポンサー人気に一役買っているようだ。

♦︎新シューズは4月22日から

昨年の全米オープン優勝を機に、スターダムに駆け上った大坂。日増しに存在感を増す彼女に、スポンサー契約のオファーが相次いでいる。従来はアディダスとの巨額の既存契約を更新するものと見られていたが、ナイキへの鞍替えとなった。一部報道によると、ほかにユニクロなどがオファーしていたという。

契約に伴い、4月22日にドイツで開幕するポルシェ・テニス・グランプリから、ナイキのシューズ「ズームゼロ」を着用する。なお、アパレル企業と契約した場合、他企業のロゴをウェアに貼付することは通例禁止されるが、大坂は特例扱い。現在契約中の日清食品およびANAのロゴの保持が認められる。

これら3社のほかにも、企業の顔として大坂を採用する企業が相次いでいる。昨年夏の時点で、ヨネックス、WOWOWが契約を結んでいたが、優勝を果たした2018全米オープン前の8月末にはシチズン時計がこれに加わったほか、9月には日産も彼女をブランドアンバサダーに迎え、テレビCMを制作している。さらには資生堂にP&Gと、後に続く企業は数多い。

♦︎親しみやすい性格が強みに

大型の契約が大坂に押し寄せる理由は、実力に加えて彼女の性格にもある、とForbes誌は捉えている。ハツラツとした人柄と素直さが好感を呼んでいるようだ。そこへ輪をかけて全米オープンでセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)に勝利したことで、スポンサー人気に火がついた。また、元々はヨネックスなど日本企業に注目されていた彼女だが、現在ではアメリカ企業からも熱烈なオファーが相次いでいる。日本に生まれた後、3歳でアメリカに移住した大坂。こうしたバックグラウンドにより、日米両方の企業と上手くコネクションを確立した、と同誌は見る。

なお、実際に契約交渉を進めるのは大坂本人ではなく、代理人となるマーケティング企業だ。同誌の3月の記事によると、大坂はスポーツマネジメント企業のIMGを代理人に指名している。同社にはノバク・ジョコビッチ(セルビア)や錦織圭など、各種広告に多数出演するテニスプレーヤーが在籍する。所属選手の近年の活躍で、大きく業績を伸ばしている企業だ。同社はリー・ナ(中国)などアジア圏出身の選手の伸びに注目しており、可能性に満ちたアジア地域への進出に力を入れているという。日米両方のバックグラウンドを持つ大坂と、アジア市場に注視する国際マネジメント企業とが、抜群のコンビネーションで契約を獲得している。

♦︎女子スポンサー収入ランキングでトップも視野

契約を結びたい企業はこの先も増えることだろう、とForbes誌は予想している。女子アスリートの収入世界ランキングにおいては、上位10人中、実に8人がテニス選手となっている。成功すれば多額の賞金と契約金が約束されているスポーツだけに、大坂の収入は今後飛躍的に伸びるものと見られる。さらには定額の契約金だけでなく、活躍に応じてボーナスが支給される可能性も。大坂が全米オープンを制した際にシチズン時計は、追加の報奨金を支払うことを発表していた。

賞金以外での収入額で大坂はWTAトップになるだろう、と早くもTennis誌は予測している。各スポンサー契約の額は公表されていないが、アディダスとのウェア契約で大坂の代理人は800万ドル(約8億9000万円)越えを目指していたと、以前Times紙は報じていた。好感度抜群の大坂だけに、イメージを託す大手企業はこれからも増え続けるだろう。(テニスデイリー編集部)

※写真はスポンサーからのオファーが殺到している大坂(Leonard Zhukovsky / Shutterstock.com)