マーリンズのイチロー外野手は28日(日本時間29日)、本拠地でのカージナルス戦に代打で出場し、二塁打を放った。一二塁間を痛烈なゴロで破る一打となったが、本人は試合後に「ヒットならそれでいいですよ」と苦笑いを浮かべて振り返った。■強打者のよう…

マーリンズのイチロー外野手は28日(日本時間29日)、本拠地でのカージナルス戦に代打で出場し、二塁打を放った。一二塁間を痛烈なゴロで破る一打となったが、本人は試合後に「ヒットならそれでいいですよ」と苦笑いを浮かべて振り返った。

■強打者のような打球速度の2998安打目に苦笑、「ヒットならそれでいいですよ」

 マーリンズのイチロー外野手は28日(日本時間29日)、本拠地でのカージナルス戦に代打で出場し、二塁打を放った。メジャー通算2998安打で、3000安打へついに「2」。一二塁間を痛烈なゴロで破る一打となったが、本人は試合後に「ヒットならそれでいいですよ」と苦笑いを浮かべて振り返った。マーリンズは4-5で敗れた。

 2点を追う7回、イチローは1死一塁の場面で代打で登場した。右腕ブロクストンの92マイル(約148キロ)の直球を完璧に捉えると、痛烈なゴロが一二塁間へ。一塁手のアダムスが飛びついたが及ばず、打球はあっという間にフェンス手前に到達。右翼手のピスコッティがあわてて捕球したが、イチローは大歓声の中で快足を飛ばして二塁に到達した。

 一二塁間を抜く「ライト前ヒット」で二塁打。それでも、イチローは「でも、(右中間方向へ)シフトしてるからね、ライトが」と淡々と振り返った。強打者でも見られないような痛烈な打球だったと振られても「そんなこと言われても困ります」と苦笑。さらに、チームの主砲スタントンのような打球と例えられると「そんなことないしょう。この体でそのスピード出るんだったら、誰だって出ますよ。どれだけスピード出ているか知らないですけど」と再び苦笑いを浮かべた。

■日に日に大きくなる地元ファンの歓声は「知ってます」

 ただ、42歳が放ったとは思えない圧倒的な打球速度のゴロだったことは確か。納得の打球か、との問いに「それを言うと自画自賛とかになるから別に」と言ったイチローは「そんなわけでもないし、ヒットならそれでいいですよ」と話した。

 このヒットでマーリンズは1死二、三塁とチャンスを広げ、エチャバリアの遊ゴロで三塁走者のリアルミュートが生還。1点差に迫ったが、追いつくことはできず、プレーオフ進出争いのライバルとなっているカージナルスとの4連戦初戦を落とした。ただ、イチローについて、「試合に勝つために理にかなった起用をしていく」とするマッティングリー監督の言葉を証明するような、チームにとって大きな一打だったことは間違いない。

 3000安打へ、いよいよ2本。代打での1打席が続く中、地元ファンの歓声は日に日に大きくなっている。それを聞かれたイチローは「知ってます」とだけ答えた。本拠地での連戦は残り3試合。地元達成を願うファンの期待は感じている。これまで通り勝利のために必要なヒットを積み重ね、金字塔へ一歩ずつ近づいていくだけだ。