2019年3月17日(日)、東京都・府中市の府中の森芸術劇場にて、ダブルダッチの日本代表を決める大会『DOUBLE DUTCH CONTEST JAPAN 2019 FINAL』(以下、JAPAN FINAL)が開催された。“ダブルダッチの…

2019年3月17日(日)、東京都・府中市の府中の森芸術劇場にて、ダブルダッチの日本代表を決める大会『DOUBLE DUTCH CONTEST JAPAN 2019 FINAL』(以下、JAPAN FINAL)が開催された。

“ダブルダッチの祭典”とも称される『DOUBLE DUTCH CONTEST』は、キッズから大人まで参加するダブルダッチ最大規模の大会。今年は10の国と地域で予選大会が開催され、各国予選の上位チームが、同年8月に開催される『DOUBLE DUTCH CONTEST WORLD 2019』への出場権を手にすることとなる。

その日本予選にあたる今回は、全部門で過去最多となるトータル226組の参加となった。これに伴い、今年から16日(土)の『DOUBLE DUTCH CONTEST JAPAN 2019』予選は2つのステージで各5人ずつ、別々の審査員が評価を付けるシステムとなった。その予選の上位チームが、17日(日)開催のJAPAN FINALのステージに立つ。

30秒間、高速で回される縄の中で跳んだ回数を競うSPEEDでは、JUNIOR部門の覇者「BRIGHT」、U-19部門覇者「ROYAL ILLUSION」、OPEN部門の覇者「マイケル」が、“FASTEST JUMPER”の座を賭けて激突。見事激闘を制し栄冠に輝いたのは、記録124回でOPEN部門の「マイケル」となった。


マイケル/ photo by TABASA

PERFORMANCEは小学生までのJUNIOR部門、中学・高校生のU-19部門、大学生・社会人のOPEN部門に分かれ勝者が決まる。激戦を制したチームが名を連ねるJAPAN FINALなだけに、会場には終始歓声が響き渡っていた。

JUNIOR部門にて見事栄冠を手にしたのは、中央区立有馬小学校の「BRIGHT」。小学生とは思えない13人の圧巻のパフォーマンスにより、SPEEDの部門優勝との“二冠”を達成。表彰式では、賞品のテーマパークのチケットに嬉しさを隠しきれず、パフォーマンスとは対照的な一面も見せた。


BRIGHT/photo by TABASA

そして、U-19部門の優勝は栄光ROYAL「ROYAL ILLUSION」。卓越した技術による表現は、まさしく“イリュージョン”。こちらもSPEEDの部門優勝との“二冠”を達成。檀上で涙ながらに健闘を称えあう彼らの姿に涙する観客が印象的だった。


ROYAL ILLUSION/photo by TABASA

そして、出場チーム最多となるOPEN部門。数年ぶりに復活を遂げた伝説のチーム「Waffle」や実力派OBが名を連ねる「Elephant OiOi」、更には『DOUBLE DUTCH DELIGHT JAPAN 2018』で優勝し、本大会へのシード権を手にした「毘沙門天」などの強豪チームが勢ぞろいしたなか、栄えある1位に輝いたのは「平成たぬき合戦ぽんぽこ」。東西の若手OBたちによる会場を沸かす笑いの力と安定したスキルで、見事日本一の栄誉を勝ち取った。


平成たぬき合戦ぽんぽこ/photo by TABASA

また同時に、ダブルダッチソロバトル世界一決定戦『DOUBLE DUTCH ONE’S FINAL 2018-2019』も開催された。年間を通し、ソロプレイヤーの頂点を競う『DOUBLE DUTCH ONE’S』。東西6回にわたる予選の覇者と、ヨーロッパ大会を制したSAYEN(SKIP-R Crew)、そしてFINAL出場選手のラスト1枠を争う“LAST ONE CYPHER”の権利を獲得したREGSTYLEのKO-YAを加えた、強豪揃いのファイナリスト8名が、世界一の称号を賭けて激闘を繰り広げた。
一昨年・昨年と2連覇のKEITA(REGSTYLE)が準決勝で敗れる波乱の展開となった今年、決勝戦は自身のムーブがSNSで世界中に拡散された“今最もバズってる男”DAICHI(YUTTY KINGDOM.)と、KEITAを下したKO-YAが激突。どちらが勝っても初優勝となるこの勝負、悲願のソロプレイヤーの頂点に輝いたのはDAICHIとなった。結果発表直後、溢れ出る感情を堪え切れなかったDAICHIとKO-YA。会場は感動に包まれた。


DAICHI/photo by TABASA


DAICHI/photo by TABASA

元来、ストリートカルチャーに端を発するダブルダッチ。鬼気迫る選手のパフォーマンス、湧き上がるオーディエンス。それらが全て揃い、初めてショーケースが完成することを改めて思い知らされた時間だった。それに加え、音楽を司るDJや、陰ながら運営を担う全てのスタッフたち。様々な人々が『DOUBLE DUTCH CONTEST』という一つの芸術作品を創り上げていく過程に、言語の壁を悠々と超える鮮烈な感動と興奮があったことは確かだ。
8月のCONTEST WORLDを始めとする、今後のダブルダッチイベントの展開を心待ちにしたい。

優勝者インタビュー

CONTEST JAPAN CHAMPION:「平成たぬき合戦ぽんぽこ」

(KSY,ユート,せーやま,Yoshiki,KamE)

―日本一、おめでとうございます! まずは今の率直なお気持ちをお聞かせください
KSY「純粋に、シンプルに嬉しいです!(笑)」

―皆さんはこの大会、一体どんな思いを賭けて臨まれていたのでしょうか
KSY「自分たちは実は5人チームじゃなくて、本当は6人チームで。1人“KENGO”という、今シルク・ドゥ・ソレイユでダブルダッチを頑張っているメンバーがいるんですけど、そいつが8月のCONTEST WORLDから(自分たちのチームに)加わり、フルメンバーで出来るということで、それを目標にして頑張っていました」

―ということは、CONTEST WORLDでは6人のパフォーマンスが見られるということでしょうか…?
せーやま「そうです。でも今回のパフォーマンスは、僕らだけじゃなくてあいつとも一緒に考えて、練習して出来た結果なので。だからあいつと一緒に世界大会に行って、優勝します」

―それは楽しみです。それでは最後に、そのCONTEST WORLDに向けた意気込みなどありましたら、ぜひお聞かせください!
せーやま「ゼッテェ勝つ。with スギノケンゴ(KENGO)」
ユート「REGSTYLE(※1)ブチのめす」
Yoshiki「ぽんぽこー」
KamE「…」

―ありがとうございました!

※1:「REGSTYLE」…2017年・2018年のCONTEST WORLD覇者。今年は同大会のシード枠として参戦。8月、「平成たぬき合戦ぽんぽこ」と世界一の座を争うこととなる。

DOUBLE DUTCH ONE’S CHAMPION:DAICHI

―まずは、世界一おめでとうございます! 悲願のCHAMPIONとなったわけですが、今の率直なお気持ちをお聞かせください
「いやもう、めちゃくちゃ嬉しいですね! このイベントは何年も前からやってて、僕は第1回から参加しているのですが、優勝したことはなくて。何年も賭けて掴み取った瞬間だったので、めちゃくちゃ幸せでした」

―なるほど。ではDAICHIさんは今回、SEASON通してどんな思いで戦いに臨まれたのでしょうか
「そもそも僕はフリーロープ(※2)の中で人に何かを魅せるのが自分の強みだったり、存在意義だと思っていて。そこが自分のいるべき場所だと思っていたし、だからこそ出続けるべきだと自分で思っていたから、毎回それなりに思いがありました。でも、僕は思いを強く持ちすぎると勝てないタイプだったので(笑)、今日はとにかく『終始楽しもう!』と思って臨みました」

―そうしましたら最後に、今回世界一になったわけですが、これからの目標などありましたらお聞かせください
「誰が見ても、どんなジャンルの人が見ても、一般の人が見ても『この人は凄いんだな』と分かって、ダブルダッチが色んなところに広まるきっかけになるようなプレイヤーになること、です!」

―ありがとうございました!

※2:「フリーロープ」…フリが予め決められているショーケースとは異なり、音楽に合わせて即興で縄を跳ぶこと

DOUBLE DUTCH CONTEST JAPAN FINAL 2019 結果

■SPEED
JUNIOR優勝:BRIGHT(中央区立有馬小学校・JUMP JUMP ARIMA)
U-19優勝:ROYAL ILLUSION(栄光ROYAL)
OPEN優勝:マイケル(柏なわとびクラブ)
FASTEST JUMPER:マイケル(柏なわとびクラブ)


マイケル / photo by TABASA

■PERFORMANCE
〈OPEN部門〉
1位:平成たぬき合戦ぽんぽこ(一般)
2位:who’s who(一般)
3位:Elephant OiOi(一般)
4位:All you need.(一般)
5位:達磨(立命館大学)


平成たぬき合戦ぽんぽこ / photo by TABASA

〈U-19部門〉
1位:ROYAL ILLUSION(栄光ROYAL)
2位:Little Queen(藤一・Ju☆p Steady Fam)
3位:跳Eru-dore(津田沼高校・跳)


ROYAL ILLUSION/ photo by TABASA

〈JUNIOR部門〉
1位:BRIGHT(中央区立有馬小学校・JUMP JUMP ARIMA)
2位:狛☆Min-Tina(狛江ダブルダッチクラブ)
3位:RULER BURST(KENSHIN・Ja☆p Steady Fam)


BRIGHT / photo by TABASA

■DOUBLE DUTCH ONE’S FINAL 2018-2019
CHANPION:DAICHI(YUTTY KINGDOM.)


DAICHI / photo by TABASA

【大会概要】
■名称
「DOUBLE DUTCH CONTEST JAPAN 2019」「DOUBLE DUTCH CONTEST JAPAN FINAL 2019」

■日程
CONTEST JAPAN:2019年3月16日(土)
CONTEST JAPAN FINAL:2019年3月17日(日)

■会場
CONTEST JAPAN:BumB東京スポーツ文化館
CONTEST JAPAN FINAL:府中の森芸術劇場・どりーむホール

■主催
特定非営利活動法人日本ダブルダッチ協会(JDDA)

■主管
ダブルダッチコンテスト実行委員会

■協力
有限会社 OVER THUMPZ,合同会社NICO,日本学生ダブルダッチ連盟(JSDDL)

■協賛
SMBCコンシューマーファイナンス株式会社
G-SHOCK,kipling,株式会社コロンビアスポーツウェアジャパン,FREEGUN JAPAN

文・Daisuke Yamamoto