手負いの梅林太朗(スポ2=東京・帝京)が国際舞台で意地を見せた。7月末日、インドの地で開催されたアジア・ジュニア選手権。早大からは4月に行われたJOCジュニアオリンピックカップで2位に入賞したことで出場権を得た梅林がフリースタイル74キ…

  手負いの梅林太朗(スポ2=東京・帝京)が国際舞台で意地を見せた。7月末日、インドの地で開催されたアジア・ジュニア選手権。早大からは4月に行われたJOCジュニアオリンピックカップで2位に入賞したことで出場権を得た梅林がフリースタイル74キロ級で出場した。ジュニアでの最後の大会ということもあり優勝を目指し臨んだ梅林だったが、大会中に負ったケガの影響もあり結果は3位。しかし、その中でも世界を相手に健闘を見せ、確かな手応えを感じる有意義な大会となった。

 1回戦は拮抗(きっこう)したロースコアの展開となった。互いに点を取り合い1点をリードして迎えた試合終了間際に失点のピンチを招いたが、辛くも逃げ切り3−2で勝利を収めると、続く2回戦は中国の選手を相手に9−2の完勝で準決勝進出を決める。しかし、この試合で梅林は左ひざを負傷。「負傷度合いがとても試合できる状態ではなかった」という梅林だが、監督やコーチ、ドクターに志願し準決勝へ出場した。しかし、準決勝で先制を許した際に再び左ひざを痛めてしまった梅林はその後一方的に攻め込まれ、0−10のテクニカルフォール負け。目標としていた優勝はかなわなかったが、それでも手負いの状態で迎えたその後の3位決定戦を3−0で勝利し、国際舞台での表彰台へと登った。

  優勝を狙っていただけに悔しさも残る結果となったが、「負傷しながらも試合をして勝てたことは今後プラスになる経験になったと思う」と梅林は振り返った。また、大会を通して自身の攻撃が世界でも通用すること、一方で3位決定戦以外は全て失点している点を踏まえた守りの部分など、今一度自身の実力を見直す実りの多い大会となった。今回の経験を糧に8月末に開催される全日本学生選手権(インカレ)や、その後控える大会での躍進に期待したい。だが、まずはこの大会で負ったケガを癒すことが最優先となりそうだ。

(記事 林大貴)

※フリースタイルは10点差がつくとテクニカルフォールで試合終了となる

結果

男子フリースタイル
▽74キロ級
梅林 3位

1回戦 ◯3−2
2回戦 ◯9−2
準決勝 ●0−10
3位決定戦 ◯3−0

コメント

梅林太朗(スポ2=東京・帝京)

――今大会はどう行った位置付けで臨んだのでしょうか

今大会は日本ではなくアジアで今自分がどの位置にいるのかを確認するのが大きな目的でした。優勝を目指し大会に臨みました。

――以前この大会では新しいことに取り組みたいとおっしゃっていましたが、何か意識的に行っていたことはありますかか

遠くから飛び込んでタックルに入るいつものパターンではなく、近くから組手を使って攻撃を意識的に取り入れるようにしました。

――3位という結果についてはどう捉えていますか

優勝を狙えた分悔しい気持ちはもちろんありますが、まだまだ自分の実力不足を実感しました。結果をしっかり受け止めて次に繋げたいと思いました。また、負傷しながらも試合をして勝てたことは今後プラスになる経験だったと思ってます。膝の負傷度合いがとても試合ができる状態ではありませんでしたが、監督、コーチ、ドクターと相談し僕のわがままを聞いてくださり最後までマットに上がらせていただけたことに感謝したいです。

――優勝するのに足りなかった部分はどこにあると思いますか

試合運びがまだまだ上手くないので攻めるところ守るところのメリハリをつけることが必要かなと感じました。体力と力負けはしなかったので、技術、試合運びに焦点を当てて今後取り組みたいと思いました。

――海外の選手と試合をして手応え、収穫などはありましたか

1回戦、2回戦と地に足がつかない状態で試合をしていたのですが、自分の攻撃は世界でも通用すると自信になりました。3位決定戦以外全て失点しまっているので守りも強くしていきたいと今後の課題にもつながりました。

――今後、インカレなどに向けて一言お願いします

まずはしっかりケガを治すこと。それしか考えていません。