2019年3月2、3日の二日間、千葉県印西市・松山下公園総合体育館にて「スポーツクライミング第32回リードジャパンカップ」が行われ、高難易度の課題に苦戦する選手が続出する中、男子は藤井快(TEAM au)が、女子は野口啓代(TEAM au)…
2019年3月2、3日の二日間、千葉県印西市・松山下公園総合体育館にて「スポーツクライミング第32回リードジャパンカップ」が行われ、高難易度の課題に苦戦する選手が続出する中、男子は藤井快(TEAM au)が、女子は野口啓代(TEAM au)が優勝、王者の座を掴み取った。
準決勝では新世代が活躍
準決勝女子では、予選でも両ルートでの完登を果たし、1位通過の平野夏海(私立国士舘高等学校)が見事完登、1位で決勝へと進んだ。平野のほか野口啓代(TEAM au)、森秋彩(つくば市立手代木中学校)、田嶋あいか(慶應義塾大学)、中川瑠(大阪府山岳連盟)も完登。完登組に続き谷井菜月(橿原市立光陽中学校)、小池はな(埼玉県山岳連盟)、野中生萌(XFLAG)の合計8名が決勝進出となった。
準決勝男子では楢崎智亜(TEAM au)と田中修太(新潟県立直江津中等教育学校)が完登、楢崎1位、田中2位で予選を通過した。3月2日に行われた予選を1位で通過した清水裕登(愛媛県山岳連盟)も3位につけ、藤井快(TEAM au)や西田秀聖(私立天理高等学校)、杉本怜(マイナビ)、是永敬一郎(埼玉県山岳連盟)、楢崎明智(TEAM au)ら8名が決勝に進出。原田海は予選を2位で通過していたが、準決勝では惜しくも9位となり準決勝で敗退となった。
ベテラン勢が実力を発揮
女子決勝では、野口と森秋彩が高度記録40+となり、カウントバックで野口が2年ぶり7度目の優勝、森が準優勝に決まった。予選、準決勝のルートを全て完登している平野夏海に全ルートの完登の期待が寄せられていたが惜しくも高度記録34+でフォールし、平野は3位となった。平野は「日本で三位になれたことは嬉しいが、優勝できなかったのはすごく悔しい。ボルダリング、リードのW杯での優勝へ向けて、一歩ずつ進んでいきたい」と語った。
男子決勝では、藤井が唯一の完登を記録し、初優勝に輝いた。楢崎智亜は完登直前でトップホールドを掴みきれず、惜しくも2位となった。楢崎は「2年連続2位だったので、『やっと優勝できた』と言いたかったが、残念ながら今年も2位となってしまった。完登できる自信はあったが、油断があった。」と悔しさをにじませた。予選1位通過の清水裕登は3位入賞となった。
優勝者コメント
男子優勝:藤井快
今回表彰台に登れればいいかなと思っていたので優勝できたことに自分自身驚いています。しっかり完登できたことが自分の中で良かったと思います。最後のホールドを取ることができたのは皆さんの声援のおかげだと思っています。応援、本当にありがとうございました。
女子優勝:野口啓代
ウォールの中間部でムーブがわからず悔しくて、結構気持ち的にもカツカツだったのですが、たくさん声援をいただいたおかげで最後は登ることができました。応援いただきありがとうございました。
「スポーツクライミング第32回リードジャパンカップ」結果
男子
優勝:藤井快
準優勝:楢崎智亜
3位:清水裕登
女子
優勝:野口啓代
準優勝:森秋彩
3位:平野夏海
THE MOMENTS of 「スポーツクライミング第32回リードジャパンカップ」
「スポーツクライミング第32回リードジャパンカップ」とは
「スポーツクライミング第32回リードジャパンカップ」はリード種目日本一を決める大会。歴史は古く今回で32回目の開催となり、歴代優勝者には、平山ユージや安間佐千、小田桃花が名を連ねている。
2017年に行われた「第31回スポーツクライミングリードジャパンカップ」では男子は本間大晴、女子は森秋彩が優勝している。
リードとは
リードとはスポーツクライミングの一種目。高さ15メートル以上の壁を安全のためのロープをクイックドローと呼ばれる器具に引っ掛けながら登り、6分の制限時間内に到達できた高度を競う。
開催概要
名称:スポーツクライミング第32回リードジャパンカップ
主催:公益社団法人日本山岳・スポーツクライミング協会(JMSCA)
後援:スポーツ庁(申請中)、公益財団法人 日本スポーツ協会、公益財団法人 日本オリンピック委員会、印西市
主管:千葉県山岳連盟
協力:公益社団法人東京都山岳連盟、埼玉県山岳連盟
協賛:KDDI株式会社、三井不動産株式会社、住友商事株式会社、オリエンタルバイオ株式会社、日本航空株式会社、久光製薬株式会社、牛乳石鹼共進社株式会社、キョーリン製薬ホールディングス株式会社、八海醸造株式会社、日新火災海上保険株式会社、ニチハ株式会社
期日:2019年3月2日(土)〜 3日(日)
会場:印西市 松山下公園総合体育館
文・金子修平