130年以上の歴史と伝統を誇る、ラグビー欧州6ヶ国対抗戦「シックス・ネーションズ」が現在開催中。 第2節「スコットランドvsアイルランド」の試合終了後、同大会を生中継しているWOWOWで番組ゲストを務めた元日本代表の畠山健介選手に、この一…

 130年以上の歴史と伝統を誇る、ラグビー欧州6ヶ国対抗戦「シックス・ネーションズ」が現在開催中。

 第2節「スコットランドvsアイルランド」の試合終了後、同大会を生中継しているWOWOWで番組ゲストを務めた元日本代表の畠山健介選手に、この一戦の感想や第3節以降の見どころ、また、9月に開催されるラグビーワールドカップ2019にて日本代表と対戦することが決まっているこの両チームについて、独占インタビューを行った。

 

(c)WOWOW

 

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日本代表選手としてワールドカップに関わりたい

 

──スコットランドvsアイルランドのゲスト解説を終えて、いかがでしたか?
畠山:トシさん(廣瀬俊朗さん)との解説はとても楽しかったです。そしてやはりアイルランドとスコットランドはワールドカップという大舞台で日本代表の対戦相手となるチームなので、その両チームの対戦を見ることができたのも良かったと思っています。ただ、ワールドカップで同じプールに入るチーム同士の対戦ということもあって、どこまで手の内をさらすのか、といった駆け引きを解説することの難しさを感じました。もちろんお互い負けたくないという思いを感じることができた、見応えのある試合でしたけどね。

──この試合で一番インパクトを残した選手として、アイルランドのフルバック、ロブ・カーニー選手を挙げました。
畠山:はい。そしてトシさんが挙げたアイルランドのプロップ陣も仕事量が豊富でした。スクラムを押し、ボールを持って、ディフェンスでも献身的に動いていました。こういった選手がプロップにいるのはアイルランドの強みですね。スコットランドも要所要所では頑張りましたが、セットピース(スクラムやラインアウト)は試合中盤までアイルランド優勢だったので、スコットランドがなかなか敵陣に入れなかったのはそれが原因だったと思います。

──畠山選手が楽しみにしている今後の注目カードは?
畠山:第3節のウェールズvsイングランド(2/23[土]深夜1:30~[WOWOWライブ])が特に楽しみですね。今のイングランドに対抗できるのはウェールズだけ、という印象を受けています。スコットランドはこのアイルランド戦のようなパフォーマンスではイングランドに勝つのは難しいでしょう。

──そのイングランドの印象はいかがですか?
畠山:メンバーがしっかりしていますね。2016年にエディー(・ジョーンズ ヘッドコーチ)が就任した当時からはかなりメンバーが変わっていますが、それでもかなりのハイパフォーマンスを見せていますし、育成の面で効果が出てきていることがうかがえます。いよいよワールドカップに向けて仕上げてきているなという印象です。

 

──今後のシックス・ネーションズはどう展開していくと予想していますか?
畠山:優勝候補の筆頭だったアイルランドが第1節でイングランドに負けたことを考えると、イングランドを止めるのはどのチームもなかなか難しいと思います。他のチームがイングランドに対して包囲網を張るしかありません。イングランドはケガ人が出ていますが、入れ替わった選手もいいパフォーマンスをしているので、まさに磐石です。

──アイルランドとスコットランドに対して、ワールドカップで日本代表に勝機が見出せる部分があるとすればどのあたりでしょうか?
畠山:両チームともセットピースはハイレベルで、献身的です。唯一攻略法があるとしたら、今の日本代表はキッキングラグビーを推進していますので、キックの面で活路が少し見えた気がします。フィジカルやセットピースで差が出てしまうようであればキックの優位性を活かせなくなりますが、逆に圧力を与えることができれば勝機が見えてきそうです。アイルランドはイングランド戦がそのいい例でしたし、スコットランドはこのアイルランド戦がそうでした。そこにフォーカスしたトレーニングを迷わず進めてほしいと思います。

──畠山選手自身はどのようにワールドカップに関わりたいと考えていますか?
畠山:選手、サポーター、ファン、僕自身いろいろな立ち位置や関わり方があると思いますが、やはり一番望んでいるのは選手として関わるということです。少ないチャンスをものにして、日本代表としてワールドカップに関わりたいと思っています。

──最後に、今まで見ていなかった人たちにラグビーを見ていただくためにはどうすればいいと考えますか?
畠山:テレビでラグビーを視聴してもらう前提として、まずは試合会場に行ってラグビーを体感していただきたいですね。そのためには、スタジアムに行きたくなる要素を僕らラグビー界の人間が用意していく必要があります。なぜ見に行くのか、行かないのかという理由を抽出してその課題に対してひとつずつ対応していかなければなりません。体感してもらうための何かを提供することが僕らにとって必要なことだと思っています。

[文/構成:ココカラネクスト編集部、取材協力:WOWOW]

■『生中継!ラグビー欧州6カ国対抗戦 シックス・ネーションズ』
(第3節)
フランスvsスコットランド 2/23(土)夜11:00~[WOWOWライブ]
ウェールズvsイングランド 2/23(土)深夜1:30~[WOWOWライブ]
イタリアvsアイルランド 2/24(日)夜11:50~[WOWOWプライム]