◆平成31年度第91回日本学生氷上競技選手権大会◆

1月5日 日光市霧降スケートセンター

1月5日に全日本学生フィギュア選手権大会が日光で行われた。この大会は、全国から好成績を収めた選手たちが集まるため、今までの大会に比べてレベルが非常に高い。立大からは東インカレで活躍した5人の選手が出場した。

3級女子


小泉(文3)

6分間練習では思うように体が動かなかった。1番滑走、気持ちを整える時間は短い。そんな小泉にコーチは「もう最後なんだから、氷と仲良く滑りなさい」と声を掛けた。この言葉に後押しされ、「行ってきます」と笑顔でリンクサイドを離れた。気持ちを切り替えスタート位置につく。

冒頭のレイバックスピンは安定したポジションで8回転回り切り、好調な出だしを見せるもシングルアクセル+シングルオイラー+ダブルサルコウは最後のジャンプが両足着氷となってしまう。続くダブルサルコウ。6分間練習では調整が間に合わなかったが、「1番確率の高いジャンプ」と今までの練習量が自信となり、高さも流れもある完璧なジャンプを決めた。曲の壮大な雰囲気に合わせた美しいコレオシークエンス、技と技の間で魅せる丁寧なステップは小泉の強みだ。体力が厳しくなる後半でもシングルアクセルをクリーンで決めた。フライングシットはキックアウトとなってしまったが、その後のシングルフリップ+シングルループは難なく綺麗に着氷した。最後はジャッジの前でキャメルの足変えコンビネーションスピンをしっかりと決めフィニッシュ。

客席に向けて挨拶する彼女は「やりきった」という表情をしていた。昨年インカレ出場を逃した悔しさ、大会直前の右足の怪我、技の試行錯誤などいろんな壁を乗り越え挑んだインカレ。一緒に成長し、磨きをかけてきたこのプログラムとは今大会を最後にお別れとなる。来シーズンはスケート人生最後のシーズンだ。「スケートが大好きなのでやめたくない気持ちが1番なんですけど。残り1年、何をしたいかなって考えて、悔いなく終われるようにしたい」とスケートに対する熱い想いを語った。来年またこの舞台で、ひと回りもふた回りも成長した彼女の姿を見られることだろう。


岩崎(現1)

初めてのインカレに終始緊張している様子でリンクに登場した岩崎。ラテン調の音楽に乗せてリズム良く、持ち前の華麗なスケーティングで魅せる。序盤のシングルアクセルではクリーンで着氷。前回課題としていたフライングシットではキックアウトでノーカウントとなるものの、アウトイーグルからのコンビネーションジャンプでは安定した美しい演技で観客を魅了した。最後のキャメルコンビネーションスピンは監督も本人も納得の出来で決め、演技を終えた。初のインカレに対して「レベルが高く、ミスをしないで綺麗に滑ることに重要性を感じた」と語る岩崎。次のバレンタインカップではよりレベルの高い4級として試合に臨む。課題としているスピンを完璧に決め、笑顔で演技を終えることが楽しみだ。

5級女子


山口(観1)

東インカレから衣装を新調し、今大会へ望んだ山口。多くの歓声のなかリンクに現れた。柔らかな落ち着いた演技で観客を惹きつける。最初のコンビネーションジャンプはクリーンで着氷。ダブルルッツも綺麗に決め、キャメルコンビネーションジャンプの回転数も十分だった。テンポの早い曲調に変わり、スピード感のあるスケーティングに。終盤のジャンプも全てクリーンで決め、軽やかで美しいステップシークエンスで堂々と自身の演技を披露した。最後はレイバックからのヘアカッターのコンビネーションスピンで締めくくり、安心した表情でリンクを後にした。今大会で山口は女子5級クラス5位という好成績を収めた。


澤野(済3)

名前がコールされ、大きく息を吸いながらスタート位置へ向かう。チームメイトからの「がんば!」という大きな声援がリンクに響いた。
冒頭のジャンプ、ダブルフリップ+ダブルトウループのコンビネーションはトウループで両足着氷となってしまったものの、大きなミスは避けた。伸び伸びとしたスケーティングと振り付けで曲の優しい雰囲気を演じる。しかし、ダブルルッツで状況は一変した。本来ならばここでダブル+ダブルのコンビネーションジャンプを予定していたが、タイミングが合わず、最初のジャンプが抜け、転倒。以前から怪我をしていた左膝を強打し、痛めてしまった。彼女から笑顔が消えた。続くバックエントランスからのキャメルコンビネーションスピンは回りきったものの、ダブルループの着氷を堪えきれなかった。「レベルをちゃんと取りたい」と語っていたレイバックとヘアカッターのコンビネーションスピン。スピード・ポジション・回転数も完璧なスピンを決める。そしてシングルアクセルもクリーンで着氷。曲の盛り上がりで魅せたY字のコレオシークエンスは足の痛みを感じさせない美しい滑りだった。しかし、ダブルループで転倒。左膝はもう限界まで来ていた。最後のコンビネーションスピンは軸足が耐えきれず、座り込み、動けなくなってしまった。

曲が終わっても座り込んだままだった。リンクサイドから心配そうに見守る監督とチームメイト。このまま幕を閉じるかと思われた。しかし、澤野は最後の力を振り絞り、足をふらつかせながら力強くポーズを決めた。スケーターとしての意地を見た瞬間だった。怪我をした脚への負担が大きいにも関わらず、今シーズンあえてジャンプに挑戦した理由を、「出るからには5級としてのプライドがある」と語っていた澤野。怪我と向き合い続けた2年間、多くの困難を乗り越え、インカレという大舞台まで登りつめた。澤野の真の実力を見せつけることはできなかったが、この舞台で「スケーターとしてのプライド」を全身全霊で表現した唯一の選手だった。

6級女子


島田(営2)

冒頭、スピードのある入りからのダブルルッツ+ダブルトウループをクリーンで着氷。ダブルフリップ+シングルオイラー+ダブルサルコウを決めると、流れはそのままにフライングキャメルからのコンビネーションスピンを安定したポジションでしっかり8回転回り切った。続くダブルサルコウ+シングルアクセル、ダブルフリップも軽やかに決め、流れを掴む。そしてプログラムの見所である島田のステップシークエンス。徐々にテンポが速くなる難しいステップだが、音を1つ1つ丁寧に捉え、力強いスケーティングで『マラゲーニャ』の世界観を表現する。後半もスピードは衰えず、ダブルルッツ、ダブルループ、シングルアクセルを難なく着氷。そして、ポジション・スピード・回転数申し分ない美しいサイドウェイズリーニングのコンビネーションスピンを魅せると、最後はジャッジの前でバックエントランスからのキャメルコンビネーションスピンを完璧に決め、フィニッシュ。
ハイレベルな戦いが繰り広げられる女子6級クラスで見事13位という好成績をおさめた。絶対に失敗しない“立教のドクターエックス”こと島田。インカレという大舞台でも彼女の強さが光った。

インカレという大きな舞台のもと緊張で思うように自分の演技を全て出し切ることが出来なかった選手も多いように感じた。しかし、練習は彼女たちを裏切らないはずだ。より完成度の高い演技を求め、毎日のように練習を続ける選手たちを追い続ける。
(2月15日 大上文・富田早紀)