第1回は男子ノルディック複合競技(コンバインド)の傳田英郁(スポ3=長野・飯山)と山本涼太(スポ3=長野・飯山)。昨年度のインカレではコンバインド競技においてそれぞれ1位と3位に入り、創部史上初の男女アベック総合優勝に大きく貢献した2人は高校時代から同じ環境で競技を続けている。地元長野県で開催される今年度のインカレにおいても力を発揮することができるか。

※この取材は10月29日に行われたものです。

「確実にレベルアップしてきている」(傳田)


昨年度のインカレでは当時2年生ながら優勝を果たした傳田

――徐々に試合が行われてきていますがシーズンインしているのでしょうか

傳田 一応オフシーズンではあるんですけど試合はあるんでオフシーズンっていう感じではないですね。

――まだ計れる段階ではないかもしれませんが、調子の方はいかがですか

傳田  でも徐々に上がってきている感じはします。春から練習はしてきているので確実にレベルアップはしているんじゃないかなと思います

山本 ジャンプとクロスカントリー(クロカン)の両種目があるんですけど僕はジャンプに関してはずっといい感じでは来ています。クロカンに関しては少しうまくいっていない部分もあったりして少しイメージを変えるようなトレーニングをしてシーズンに向けて調整中という感じです。

傳田 毎年のことではあるんですけどこの時期はジャンプが良くなくて、ことしも夏はジャンプの調子が良くなくて課題が多く残る遠征になりました。長野県の白馬でジャンプのトレーニングをして、昨日(10月28日)帰ってきたばかりなんですけど、いい手ごたえをつかめたのでジャンプはこの感じのままいければなと思っています。クロカンの方は去年フォームを変えてそこからいい感じで滑れていて、ことしは上半身の強化もしてきているので自分の中では楽しみというか自分で期待をしていますね。

――フォームの変更にはどのような狙いがあったのでしょうか

傳田 今までのフォームのままだと腰が痛くなることが多くて、レース中に腰が痛くなって動けなくなるくらいになることもあってまともにレースができなくなることもあったのでそこの改善をしてみたら、今そのフォームがハマってきている感じなのでそれを続けていければという感じです。

山本 試合が9月の22日からだったんですけど出発が18日、現地に着いたのが19日というかなりタイトなスケジュールで大体の試合は1週間以上前に出発して1週間前には現地についておくということが多いんですけど、今回は4日後くらいがもう試合という感じで調整が難しかったですね。ジャンプに関しても、ローラーではあるんですがクロカンに関してもあまり練習ができない状態でそのまま試合に臨むという形になってしまったので、遠征前の実力でしかいけない、それ以上の結果を出すのが難しいという状態だったので、自分的には記録会も数回してましたけどそんなにいい状態では無くて少し不安も残る中の試合でした。案の定行った日にジャンプの調子も悪くなってすごく不安な状態で試合に臨むことになり、色々と試す中で何もうまくいかない状態であまり良くはなかったかなと思います。次回につなげるという意味では、今回の様に短いスパンで試合に臨まなければいけない時には何か方法を考えないといけないなということを考える良いきっかけにはなったと思います。というのも今年度のインカレが国体の2~3日後になってさらに国体が札幌でインカレが長野なので、そう考えると今回のような感じになりそうだという想定はできるのでそういう面も含めて課題が多く残る遠征でしたね。

――順位に関してはどう捉えていますか

山本 順位だけでいうとポイントが30番から付くのでその点ではポイントが取れたということでまずはそれが達成できたということはある程度評価はできると思います。ただその中でももう少し上の順位も狙えたのではないかなと思います。

――課題点が多く上がりましたが逆に収穫などはありましたか

山本 いやまあいつもそんな感じですね(笑)。シーズンが始まってからなので今の時期は毎年ですけど悩んでいますね。

  今の時期は悩んで、もがいて、練習してって感じですね。冬と夏ではスキーの感覚とかも違って、ローラーも似た感じではあるんですけどやっぱりクロカンとは違う部分も多くて。

山本 だから夏に調子が良いからといって冬にも同じように調子が良いかと言われたらそういうことでもないよね。

 それに逆に夏に調子がすごく悪かったとしても冬は調子が良いっていう時もあるので。

山本 そういう面で僕らの競技は難しいですね。

――では今の段階で調子というのは分からないですね

山本 そうですね、同じ条件で記録をとるという場面ではそれができるんですけど、冬に関してどうなっているか記録をとるっていうことがすごく難しいので。

傳田  スキーの乗り方によってもそれが上手い人は雪上で速いし、操作が下手だと夏が速くても完全には直結しないことの方が多いですね。色々な面があって何とも言えないのが正直なところですね。

傳田 僕はできるだけことしはランニングを多めにしようと思って意識的に多く練習に取り入れてきました。

山本 陸上の選手になろうと思ってね。

傳田 いやいやいや(笑)。僕は元々ジャンプの方が得意で、ジャンプはそれなりに飛べて、海外の選手は後半のクロカンがすごく速くてそういう選手と戦うとどうしても走り負けてしまうことが多くてその点でだいぶ劣ってしまうので、そこを強化しようと思って体力づくり、スタミナをつけるという意味でもランニングやローラーを中心にやってきたのが一番ですね。でも今は逆にジャンプがやばいですね(笑)。

山本 本当に?そんな走った?(笑)

傳田 本当だよ、めっちゃ走ったよ。

山本 おかしいな(笑)

――練習はお二人で一緒にはされないんですか

傳田 そうですね、基本的に僕はあまりみんなで練習をするのが好きではなくて自分が好きなメニューを好きな時に自分のタイミングでしたいので。

山本 僕はラブなんですけどね(笑)。一緒にやろうぜって部屋のドアを開けるともういないんですよ(笑)。逃げられてるんですかね。

――練習メニューは自分で考えるのですか

 今僕らは全日本の強化指定選手に入っていて基本的にはそこで決まっているのでその中で何をするかっていう感じですね。一日一日のメニューってなると自分たちですけど、大まかには決まってますね。

 やるならこういうメニュー、っていう感じのはあります。あとは、その組み合わせとかは自分で決めます。

――山本選手は夏まで重点的に行ってきたトレーニング等ありますか

山本 何にもないかもな、ことしは(笑)。去年色々あって練習があまりできなくて、それをどうするかということを考えながらことしは練習してきたつもりではありますね。去年は大体1日に1時間分くらいしか走れないような状態で。集計表という1年間でどのくらい飛んでどのくらい走ったかということを記録しておくものがあるんですけど、それを見た時に前の年に450時間だったので1日約90分くらいを走っている計算だったんですけど去年はそれが1日1時間走れているか走れていないかくらいまで落ちてしまったので、それを戻すということでもまだ体がその強度に慣れていなくて、それをまずは直すことに精一杯でしたね。ジャンプに関しては調子の良い時と悪い時があってかなり調子の波が大きくあるジャンプをしていたんですけど、ことしは監督とも話したりしてずっと調子を維持できるような考え方というか体の使い方をマスターしてきつつあるのでジャンプに関してはすごくいい感じでまとまってきています。クロカンに関しては正直まだ不安があるというか、課題が何かもわからないような感じですね。

――ジャンプに関しては雪の無い時期にはどのような練習をするのでしょうか

山本 サマージャンプと言って人工芝とプラスチックの上に水を流して飛べるんです。

傳田 冬と同じ台で溝があってそこに水を流して滑りを良くして。

――ジャンプの方は夏と冬では感覚はほとんど同じなのでしょうか

山本 ほぼ一緒ですね。ただ天候によって水がかからなかったりして滑りが悪くなってしまうときはありますね。冬は氷なのでそれに比べたら少し滑りという面では落ちるかなという感じです。

――お二人とも同じ種目、そして高校時代から同じですがお互いにどのような存在でしょうか

山本 いじめられる(笑)。

傳田 うるさい(笑)。

山本 いつ帽子を投げられるか怖い。

傳田 それはだいぶ昔の話ね(笑)。

山本 小学校3年生くらいの時に、僕が普通に試合のアップしてたら後ろから急に帽子とられて。名前も知らないやつに帽子とられて投げられて埋められて(笑)。

――それが傳田選手で、2人の最初の出会いということになりますか

山本 そうですね、めちゃくちゃやんちゃでしたよ。

傳田 まあ僕はそれあんまり覚えてないんですけどね(笑)。たぶん見たことない子がいて、あんな子見たことない、誰だと思って。

山本 見たことないやつの帽子奪って埋めるんですよ。絶対コイツと関わりたくない、って思っていましたね。

――今はどうですか

山本 今はなんていうか普通じゃない?

傳田  普通。ライバルって感じではないよね。

――おふたりともここまでどの大会でも近い成績を残してきていると思いますがそれでもライバル意識というものはないですか

山本 僕は、明治にも2人同じようにここまで来た選手がいるんですけどその4人で誰かがいい結果を残したら、頑張ってるんだなと思いますね。別にやばいなとかっていうことは特別思わないかもしれないですね。思わないわけではないですが、他の選手に比べたら妬み的な悔しさなどはないかもしれないです。お互いに認め合ってるというか、自分が調子悪くてもあっちが調子いいししょうがないか、って感じで。

傳田 みんなが同じレベルで段々と上がってきて誰かがドンと飛び出ることが無くて同じレベルで切磋琢磨しながらここまで来ている感じなので誰かが良い結果出したら素直におめでとうっていう感じですね。もちろん時々悔しさも感じますけど、基本的には表に出るほどでもなくて。普通に「なんなん」って言い合いますね。

山本 本当の妬みって言わないじゃないですか本人に。でも自分たちは本人たちに言っちゃうっていう(笑)。そういう仲なんでライバルって感じではないかもしれないですね。

――ライバルというより仲間という面が強いということですかね

傳田 そうですね、全然仲良いですよ。

山本 大会も同じになるので大会終わった後もみんなで遊びながら帰ったりするし、同じ飛行機とってみんなで帰りますね。

傳田 たぶん競技人口があんまり多くないっていう事も大きいかもしれないですね。だからみんな仲良いので、和気あいあいじゃないですけど。

――オフの日には一緒に過ごしたりもしますか

傳田 遊びに行ったりは全然オフがあればしますね。

 大学1年の時とかは普通にふたりで買い物しに行ったりしてたよね。

傳田 確かにまあまあ行ってたね、意味わかんないけど(笑)。

山本 とりあえず池袋行こうみたいな(笑)

傳田 どうせ暇でしょみたいな(笑)

――今はどうですか

傳田 今は必要があればって感じですね。

山本 今は合宿とかが多くて。ことしは本当に土日ずっと合宿に行っていたり、本当に多かったよね。

傳田 そうなるとやっぱり休みが平日しかなくて、でも平日は大学の授業あるし。

山本 ことしはワセダのコンバインド部門のチーフが合宿を多く取り入れていきたいという方針でやってきたので。

――毎年方針は異なりますか

山本 そうですね毎年チーフによって全然違いますね、来年は僕らの代になるのでどうですかね(笑)。

傳田 まあことしほどは行かないかなっていう話はしています(笑)。

山本 ある程度土日でオフは欲しいですね。

――ご飯とかには行かれますか

山本 あ、きょう僕らで鍋しますよ。僕らふたりと、もうひとりコンバインドの先輩と(笑)。本当は4人でしようと思ってたんですけど、1人もう帰ってしまって。だから3人で、久々にやりますかって感じで。

傳田 豚バラと白菜買ってきていて。これが終わって仕込み始めたらいい時間に食べられます。

山本 あ、でもご飯無いんだよ。

傳田 じゃあ買ってこなきゃ(笑)。

「自分が調子悪くてもあっち(傳田)の調子が良いから仕方ない、と思える」(山本)


昨年、山本はゴール後真っ先に傳田のところへ行きハイタッチでお互いの健闘を称えた

――おふたりの趣味やハマっていることはありますか

傳田 次のオフは北海道に行きます。合宿が5日(11月)からあるので1日(11月)から北海道で遊ぶ予定です。本当は3、4日に試合があったらしいんですけど諸事情で…。知らなくて…。

山本  たまたま全日本のコーチがいらっしゃって見てくださるということなので、聞かれたら言っちゃおうかなと思っているんですけど(笑)。「傳田どこに行ったんだ」って聞かれたら「北海道にいます」って(笑)。

傳田 いるにはいるんですけどね(笑)。なんでかな。あと、最近僕はコーヒーメーカーを買いました。豆を挽くところからできるプレス式の。朝や夜はコリコリ豆を挽いて楽しんでますね。コーヒー飲むことにハマってますね。

――コーヒーは昔からお好きだったのですか

傳田 そうですね。親が結構飲んでいたので自分も時々飲むくらいで。嫌いではなかったんですけどちょっと欲しいと思うようになって買ってみたらハマりました。

山本 豆の木から育てちゃってね。

傳田 うんそうそう、って(笑)。部屋に帰ってからひとりでコーヒー飲むことにハマってます。

――寝れなくなったりはしないですか

傳田 エナジードリンクとかコーヒーで毎日のようにカフェイン摂取してるんで寝れなくなったりはしないですね。

山本  危ない人ですよ。

傳田 だから全然効かないですね(笑)。

――山本選手は何かありますか

山本 なんだろう、人と話すことかな。

傳田 いや本当うるさいよね(笑)。

 たぶんそうですね、人と話すことが趣味なんだと思います。

――昔からかなりおしゃべりですか

山本 いや、小学校の時は小学1年から6年で800字以内に書けるくらいしか喋ってないです(笑)。

傳田  そんなに喋るタイプじゃなかったんですよ昔は。大学入ってからだいぶ社交的になったんだと思います。高校の時もそんなに喋る人っていう印象はないです。

 僕らが1年生の時の4年生の主将がいけないです。俺はあの人のせいだと思ってるから(笑)。

――大きく影響を受けたということでしょうか

傳田 その主将っていうのが中々クレイジーな人で(笑)。同じ種目やっていて今は日本のトップでやっているような選手なんですけど。今年もオリンピックにも出ていました。山元豪(平29スポ卒=富山・雄山、現ダイチ)って人なんですけど。その人の影響を一番受けちゃったのが涼太ですね(笑)。

山本 いつもとなりにいたらこんなになってしまいました。

傳田 いやもう朝から大変なんですよ(笑)。

山本 「あ、なんか車出てきたあぶねー」とかひとりでよく言ってますよ。これが巷で言うところの大学デビューってやつですね。

傳田 髪型まで変わっちゃって。高校までは坊主とかに平気でしてくるような感じでした。

山本 坊ちゃん刈りとかもよくやってたよね。

傳田 全然部で強制とかではないんですよ。

山本 いつも父親が髪切ってくれてたんですけどその時はちょっとミスってそのまま6ミリでいくことになって(笑)。

傳田 それ以外にも小学生の男子がよくやる髪型が普通だったんですけど、大学入ってから髪の毛伸ばし始めて、かきあげ始めて、色気づいてきちゃってね(笑)。

山本 いや違う、趣味は流行に乗ることかな。そうじゃない?そこら辺の普通の人になる。

傳田 まあ確かに。何でもしてるかも。

――何か最近の流行はありますか

山本 そう聞かれると中々出てこないんだよね(笑)。

傳田  興味があったらとりあえずやってみるっていう感じですね。

山本 自分に興味があったらすぐにやってみたり見てみたりしてますね。

――それは競技にも活かしたりしますか

山本 全然ありますね、偶にトレーナーさんとかついてくれたり、違う種目のトレーナーさんと会ったりすることがあるとそこで聞いたことを今でも続けていたりとか。結構トレーナーさんの話とかで興味あったり、タメになると思ったら取り入れてます。例えば、僕らでいえば全日本のコーチとか合同合宿するときのトレーナーさんとか。今はそれこそ先輩でもある渡部暁斗さん(平23スポ卒=長野・白馬、現北野建設)とかが活躍してくださっているので、まだまだだとは思うんですけどコンバインド種目の強化費が多くなってきていて、そういう色々な方と関わらせていただくことが増えつつありますね。新たな情報がすぐに入ってくるようなすごく良い状態でトレーニングさせてもらってます。

――コンバインドという種目はかなり早大出身者が多く活躍している種目でもありますよね

傳田 そうですね、ことしのオリンピックに出た4人全員ワセダの先輩ですし、コーチもワセダの方です。河野孝典(平3人卒=長野・飯山南、現飯山)さんって方なんですけどオリンピックでもメダルを数多く獲得されています。

――早大の方が多いということで全日本チームでも居心地の良さも感じますか

山本 そうですね、もちろん感じますが競技人口も少ないので大学とか関係なくみんなが仲良い感じですね。

傳田 もう昔から知っている選手ばかりなので。

山本 全然喋りにくい人とかいないですね。簡単に言うと早稲田大学っていうチームもですけどそれよりも日本っていうひとつのチームっていう面が強いですね。海外の選手たちが普通でいう他大学の選手っていうイメージですね。狭いといったら狭いってことだけど。

傳田  コンバインドだけではなくてアルペン競技であったりクロカン競技の選手とでもスキー界で仲が良い感じですね。

――種目の境がないということでしょうか

傳田 大体の選手は知り合いだったり知り合いの知り合いでつながっているような関係なので仲が良くなってという感じですね。

山本 特に僕らの種目はジャンプとクロカンと2つあるので、それぞれ会場に行けばジャンプだけの人もいるし、クロカンだけの人もいるのでそこで知り合ったりって感じですね。

傳田 やっぱり色んなところに行くとそこで色々な人に会って、楽しいですね。

山本 そういう面でスキーという種目は日本全体でいい関係が築けている競技だと思いますね。

ジャンプが得意な傳田、クロカンが得意な山本


後半のランでの追い上げにつなげるためにジャンプが重要になってくる

――これまでに印象に残っている大会はありますか

傳田 中学3年生の時の全中(第50回全国中学校スキー大会)のスペシャル(スペシャルジャンプ)ですかね。

山本 あ、泣いたやつ、号泣してたやつでしょ?

傳田 そう泣いたやつ。僕、昔コンバインドが嫌いで。走るのが好きじゃなくて。

山本 今でも僕らの同期、僕以外みんなランは嫌いですね。

傳田 それで本当はジャンプだけの競技に出たかったんですけど長野県ではそれができなくて、大体コンバインドやることになっていて。

 決まってるんですよね、高校まではとりあえずコンバインドはやれって感じで。

傳田 それが北海道とかに行くと逆にコンバインドはやらなくていいんですけどジャンプを優先的にやるとかになるんですよね。長野はコンバインドが強いからコンバインドに出ることになって。だからスペシャルで優勝したかったんですよ本当は。それでジャンプに懸けていたんですけど、でも失敗してしまって5番になってしまって。めちゃくちゃ泣いた記憶がありますね。なぜかその時優勝したのはコンバインドが好きな涼太なんですよね(笑)。それでなおさら悔しくって。ショックもあり、悲しかったですね。

――負けて悔しかった思い出の方が印象に残っているんですね

傳田 そうですね、それで翌日がコンバインドだったんですけどなぜか嫌いだったのに僕が優勝してしまって(笑)。あれ、おかしいなって思いましたけどね(笑)。そこからはもうコンバインドの成績の方が上がってきてしまって。

山本 そこで傳田と僕と今明治の子が1番から3番を独占したんですよ。みんな長野なんですけど。それで全日本のジュニアのコーチが目をつけてくださって3人が全日本に入るっていう感じでしたね。

傳田 その明治の子と涼太は中学も同じで、僕も合わせて3バカトリオみたいな感じで呼ばれてましたね(笑)。バカばっかりやっていたので。大体国内の大会ではその3人が1から3番を取ってましたね。だからより一層ひとくくりで見られていました。僕はその中に入れられるのが気に食わなかったですけど(笑)。

――ある意味人生を変えた試合でもありますよね

傳田 そうですね、それを機にコンバインド種目専門になったというかならざるを得なかったというか(笑)。

山本 思いつかないからずっと話繋いでたんですけどね、全然出てこないです(笑)。なんか勝負をそこまで勝負っていう風に感じていないというか、逆にそれがいい時もあるのかもしれないですけど。自分の実力を毎試合、毎試合で出し切るっていう事を目標にやっているのでそこまで順位に固執していないというか。

――では、試合ごとに毎回一喜一憂することはあまりないですか

山本 試合終わった直後はもう少しできたんじゃないかとか色々思うんですけどそれを次につなげることしか考えていないのであまりずっと落ち込んだりっていうことはないですね。

――今年度、一番に照準を合わせている大会はありますか

傳田 1つはもう終わってしまったんですけどサマーグランプリですかね。それが大きな大会で、その大会がワールドカップの選考に関わる大会で。もう1つは12月からアメリカでコンチネンタルカップという位置づけではワールドカップの1つ下に当たる大会があるのでそこの総合で3番以内に入るとワールドカップに出場する権利がもらえるので、今はそこを目標にしてやっています。シーズンの最初でかなり難しいのでどうしようかと思っています。

――ユニバーシアードも開催されますが

傳田 うーん、それはあるけどないんですよね。本来であればコンバインド種目もあるんですけど、開催の有無は開催国が決めることができて。

山本 僕らの種目ってオプション的な要素があるんですよね。というのも世界的にはコンバインドを主にやっていて大学にあがる人が少ないんです。日本の選手の多くは高校卒業したら大学に進学して競技を続けるんですけど、海外の選手は大学では無くて企業で競技を続けるんです。それで開催国での大学生の競技人口が多ければコンバインドも開催されるんですけど少なかったら逆に開催されないこともあるので…。

傳田 それで今年度はないことになったそうです。それがあればそこを目指していたことになっていたと思うんですけど。ユニバーシアードはオリンピックの管轄なので3番以内、メダル獲得の評価が他の大会よりも高くて。大事な試合だったんですけどダメで。2年後はスイスで開催されるんですけどそこでもあまり大学でコンバインド種目が競技されていなくて。台も少ないし。

山本 でも2大会連続でないというのも考えにくいのでどうなるかわかんないですけど開催してほしいです。

傳田 やってもらわないとこっちとしては困るんですけどね…。大学卒業して1年目の年なんですけど、卒業して1年目までであれば出場資格があるのでそれが最後かもしれないです。ギリギリですね。

山本 僕もほとんど同じなんですけど、やっぱり僕らの目標っていうのがワールドカップに上がってそこで残り続けるっていうことが目標としてあるのでそこに上がるためのチャンスはいくつかあるんですけど最後のところまで来ているのでその最後のチャンスをどう生かすかというのが大切になってくるのでコンチネンタルカップがすごく重要な試合になります。日本代表として6人までが出場できて日本代表のAチームが4人いて、そこにプラスで僕らのBチームから2人上がっているのでそのそこで入れ替わりのような形で上がれるかという感じなので。その今の2人がAチームで良ければBチームに戻ることはないのでチャンスは少ないんですけど、そのチャンスがコンチネンタルカップでいかにベストなパフォーマンスを出すことができるのかということが重要になってくるので大切です。

――インカレについては去年の大会のことは覚えていますか

山本 すごく覚えています(笑)。僕は板を失敗したので。ジャンプは調子が悪かったのでそれなりなんですけど、スキーは路面状態によって板を変えてその選択肢をうまく生かさないといけないんですけど、去年のインカレはコースの中に日向の場所と日陰の場所があって、どこを標準にして合わせるのかが重要で難しいんですけど、あの時は日向ばかりを見ていたということもあってわかりにくくて。いざスタートしてみるとすごく滑ってかなりいい感覚で滑っていたんですけど、林に入って日陰になった瞬間に詰まって(笑)。すごくつらい状態で。結果的には3番で表彰台に上がったんですけどその時には全く表彰台に上がれるなんて思ってもいなくて。入賞を目指すのが現実的な目標になっていました。そうしたらみんなも落ちてきて、やはり難しかったんですかね。

傳田 僕はジャンプはそれまで調子良かったんですけどインカレの時はあんまり調子が良くなくって。

山本 いいじゃん少々、俺に勝ってるんだから、良かったです、で(笑)。

傳田 でもまあ他の選手もあんまり飛べていなくてジャンプ終わった時点で、この差だったら大丈夫と思ってました。当時はクロカンもフォームを変えてタイムも徐々に上がってきつつある状態だったので勝てる自信はありましたね。周りの選手がどれくらいの力でどのくらいで走れるかということを大体みんな知っているのでジャンプ終わった時点で大丈夫かなと思っていました。

山本 僕はジャンプ終わった時点ではトップまで行くつもりだったんですけどね。

傳田 その時ジャンプの時点で1番だった選手はジャンプが特に得意な選手で、僕は逆に板がドンピシャでハマったのでコースどこでもかなり滑っていたので前半その選手がかなり早かったんですけど後半案の定落ちてきて、1位の自身はありました。去年は色々と上手くいった年でしたね。風もそんなに悪くなかったし、良い状態で終わることができたので僕個人としては良いイメージでしたね。本当は涼太が続いてくれると思っていたんですけどね(笑)。

山本 板が当たっていればなー。

傳田 でもどんな状態でも表彰台には来ると思っていたので。

山本 頑張りましたね。かなり頑張りました。

傳田 でも2番に入った子が明治の子なんですけど予想外で国内の大事な試合で強い選手で。インターハイとかインカレとかで実力を発揮してくるタイプの選手らしくて。ワンツーフィニッシュの予定だったんですけどその子に阻まれた形になりました。

山本 追いつけるはずだったのに、全然追いつかなくて。

傳田 涼太は走力あるから来るだろうと思っていたんですけど…。

山本 っていう余裕を見せていたんですよね、こっちは必死に走ってたのに(笑)。

傳田 そうですね、全然追う側と追われる側では精神的に違って。

――追う側の方が大変ですか

傳田 そうなんです、追う側はまず追いつかないといけないのでそれまでに体力を使わないといけないので。逆に前で走っている選手はフォームを意識して自分の楽なペースで走れるので追いつかれそうになればペースを上げることができるので心理戦的な駆け引きもできます。去年はコーチが後ろとの差を教えてくれるんですけど、それが詰まってもいなかったしペースを保つだけで心理的にも楽でした。でも後ろの人は逆にどんどんペースを上げないといけないので、そういう面でも有利な立場にいたのかなと思います。

山本 僕らはペースを変えることができるので追われる側の方が楽ですね。陸上とかだとそのペースがほとんど全力で中々駆け引きは難しいですよね。僕らは抜かれなければいいっていう考えなので、常に全力という訳ではないし。クロカンの選手とかはずっと全力でタイムを競っているんですけど、僕たちの種目はタイムではなくて1番にゴールすることを目標にやっているのでそこが大きく違うかもしれないですね。大げさに言えば、最終的に1番にゴールしさえすればそれまで歩いていてもいいんで(笑)。心理戦の面も大きいです。

傳田 たぶん見ている側からしてもおもしろい種目だと思います。駆け引きがあって、どこで仕掛けるとかがあるので。

山本 自転車競技とかも近いかもしれないですね。

――では今年も明大の選手たちがライバルになってきますか

山本 そのはずだったんですけど明大の選手たちはそれぞれケガしちゃって出れないことが決まっている選手もいるので。少し寂しくはなりますね。遠征とかにもいないので。でもということはどちらかが勝つしかないので。あとは板をミスらないことですね今年は。

――スキーという競技ではかなり用具の面で大きく変わってきますか

傳田 そうですね、用具8割みたいなところありますね。スキーは道具の世界みたいなところあるので。道具が少し違うだけで全然結果が違ってきますね。

――最後にインカレの目標をお願いします

傳田 目標はコンバインド優勝、スペシャル入賞です。去年男女アベック優勝できたんですけど、正直去年は4年生が強くてポイントを獲ってくれたことが大きくて。今年はやっぱりコンバインド部門でもしっかりと稼がないといけないと思っています。インカレでは早稲田大学というひとつのチームが力を合わせてひとつの目標を達成する唯一の大会だと思っているので、自分もそこに貢献したいし貢献しなければいけないので、インカレは何かの選考に関わってくるわけではないんですけど、全種目が同じ場所に集まって開催される大会もないのでいい機会ですし、ワセダのみんなで最後に喜びを分かち合いたいと思っています。

山本 僕は目標としては順位的なことをあまり深く考えないようにしていて、確実なスキルを試合で全て出すことが僕の中での最大の目標です。というのも試合の中で焦ってしまい悩んでしまって上手くいかないこともこれまでの競技人生においても多かったのでその部分をいかになくして本来の力を発揮できるかというところなので、それが僕の目標です。もちろんその先に優勝があると思っています。

――ありがとうございました!

(取材・編集 斉藤俊幸)


インタビュー中もふたりの仲の良さをうかがうことができました

◆傳田英郁(でんだ・ひでふみ) ※写真左

1997(平9)年12月16日生まれ。171センチ。長野・飯山高出身。スポーツ科学部3年。ノルディック複合競技。

◆山本涼太(やまもと・りょうた) ※写真右

1997(平9)5月13日生まれ。169センチ。長野・飯山高出身。スポーツ科学部3年。ノルディック複合競技。