写真:石川佳純(木下アビエル神奈川)/撮影:ラリーズ編集部<Tプレミアリーグ2018/19シーズン 2月9日(土)横浜文化体育館>9日、横浜にてノジマTリーグの試合が行われ、首位を走る木下アビエル神奈川(以下、KA神奈川)と、2位の日本生命…

写真:石川佳純(木下アビエル神奈川)/撮影:ラリーズ編集部

<Tプレミアリーグ2018/19シーズン 2月9日(土)横浜文化体育館>

9日、横浜にてノジマTリーグの試合が行われ、首位を走る木下アビエル神奈川(以下、KA神奈川)と、2位の日本生命レッドエルフ(以下、日本生命)が対戦した。勝点44で首位を走りながらプレーオフ進出を決めているKA神奈川と、勝点36で2位の日本生命の首位攻防戦に注目が集まった。雪が降る寒い日になったが、KA神奈川の初の神奈川県内での試合とあって2,360名という多くの観客が横浜文化体育館に足を運んだ。

試合は3-1で首位のKA神奈川が日本生命を下し、勝点を47に伸ばす結果に。ダブルスを奪われる嫌な流れの中でも、石川佳純(KA神奈川)がしっかりとエースの役割を果たし、チームの勝利に貢献した。勝利後のインタビューで石川は「勝つことができてすごく嬉しい。ファンのみなさんが暖かくなって帰れるような試合を(したい)と思って、一生懸命準備した」と、勝利の喜びとファンへの感謝の気持ちを語った。

KA神奈川 VS 日本生命 各マッチの解説

株式会社横浜銀行・取締役常務執行役員の前迫静美氏の始球式により、横浜での首位攻防戦が幕を開けた。始球式の相手役は、神奈川県出身の長﨑美柚が務め、試合前の時間を盛り上げた。




写真:前迫静美氏と長崎美柚(木下アビエル神奈川)/撮影:ラリーズ編集部

1番:長﨑美柚/杜凱琹 0-2 常晨晨/蒋慧

始球式が終わり、試合が始まると会場のボルテージが一段階上がった。良い雰囲気の中でスタートした第1マッチは、長崎/杜凱琹ペア(KA神奈川)と、常晨晨/蒋慧ペア(日本生命)の対戦に。KA神奈川は新しいペアリングを試す形だ。

日本生命にとって安心感のある存在になっている常/蒋ペアが第1ゲームから主導権を握る。緩急をつけたプレーでKA神奈川ペアのミスを誘い、第1ゲームをあっさりと奪ってみせた。続く第2ゲーム、5-4と日本生命ペアがリードしたところでKA神奈川側がたまらずタイムアウトを取るが、流れは変わらず。日本生命ペアがそのまま11-6でストレートで勝負を決めた。KA神奈川ペアは、長崎が得意とするチキータレシーブをうまく打たれてしまい、リズムをつかめなかった。




写真:常晨晨(左)・蒋慧(ともに日本生命レッドエルフ)/撮影:ラリーズ編集部

2番:石川佳純 3-0 平野美宇

第2マッチでは石川(KA神奈川)と平野美宇(日本生命)が対峙した。先週の仙台での試合以来、1週間ぶりの対戦に。

第1ゲームは「サーブ・レシーブで変化をつけた」という石川が怒涛の7点連取で突き放し、11-6で先制する。するとこれで勢いに乗ったか、石川がラリーになっても終始主導権を握り、第2ゲームも平野を圧倒。11-3と全く寄せ付けずに連取した。後がない平野だったが、打てども打てども返ってくるボールに、最後まで勝ち筋を見出すことが出来ず、ストレートで敗北を喫した。

石川は先週もゲームカウント3-0で平野を下しているが、今回は平野相手に合計14点しか与えない快勝。ホームでの勝利に笑顔を滲ませた。




写真:石川佳純(木下アビエル神奈川)/撮影:ラリーズ編集部

3番:木原美悠 3-1 蒋慧

マッチカウント1-1の同点で迎えた第3マッチには、ともにバック面に表ソフトラバー(相手の回転の影響を受けにくく、スマッシュが打ちやすいラバー)を使う木原美悠(KA神奈川)と蒋が登場した。

第1ゲーム中盤までバック対バックのラリーを中心に互いに一歩も譲らない展開が続いたが、6-6から蒋が4点連取で突き放し先制した。第2ゲームも、蒋の丁寧なプレーが木原を苦しめる。5-3と蒋がリードしたところで、木原がタイムアウトを取る。この1分間のタイムアウトで木原が見事に立て直し、フォアのコースをうまく使うことで逆転に成功。ゲームを1-1に持ち込んだ。

第3ゲーム以降は、互いにフォアのコースのラリーになることが多くなったが、ドライブの蒋に対してスマッシュを叩き込む木原の得点力が勝る形に。ラリーが続くと厳しい蒋はリスクを負いながら早い段階で強打を狙うが、ミスが多くなってしまい、万事休す。全日本選手権2位の木原が3ゲーム連取で逆転勝利を決めた。




写真:木原美悠(木下アビエル神奈川)/撮影:ラリーズ編集部

4番:杜凱琹 3-1 森さくら

ここで勝負を決めたいホームのKA神奈川は、杜を起用した。対する日本生命は森さくらに望みを託す形に。

第1ゲーム、鋭いコースへの決定打を決めながら、リードを広げたのは森だった。打点の早いバックハンドと、決定力のあるフォアハンドが噛み合い、森が先制した。第2ゲームは、互いに譲らずにハイレベルなラリー展開が続き、デュースにもつれ込む接戦に。緊張感の高まる場面でチキータをうまく使った杜がこのゲームを奪い返す。これで勢いに乗った杜が、安定感のある両ハンドで得点を積み重ね、第3ゲームも10-6とリードを広げる。ここから森が10-9まで追い上げたが、杜が嫌な流れを見事にシャットアウト。勝負強さを見せた杜が勝利まであと1ゲームと迫った。第4ゲームは森の3点連取でスタートしたが、森の反撃もここまで。杜が冷静に5点連取でリードを奪い返し、そのまま逃げ切った。




写真:杜凱琹(木下アビエル神奈川)/撮影:ラリーズ編集部

杜の勝利により、KA神奈川のマッチカウント3-1での勝利が決まった。KA神奈川のホームゲームとあって、会場は2,360人の観客の大歓声に包まれた。

KA神奈川 3-1 日本生命

長﨑美柚/杜凱琹 0-2 ◯常晨晨/蒋慧
6-11/6-11

◯石川佳純 3-0 平野美宇
11-6/11-3/11-5

◯木原美悠 3-1 蒋慧
8-11/11-6/11-7/11-6

◯杜凱琹 3-1 森さくら
8-11/12-10/11-9/11-8

文:ラリーズ編集部