27日に行われたボルダリングの国内王者を決める「第14回ボルダリングジャパンカップ」。世界トップクラスの選手層を誇る日本の2019年王者には、男子は石松大晟、女子は野中生萌が輝き、いずれも初の栄冠となった。以下、決勝を戦ったファイナリスト12名のコメント一覧。

野中生萌コメント(女子優勝)
「ずっと優勝できず悔しい思いをしてきたので、すごく嬉しく思っています。今までは練習量が少なくて、どちらかというと休んでコンディショニングをして大会に臨んでいたんですけど、(3種目をこなす体力作りへの意識もあり)もっと練習を積んでベースを上げていこうと、調整の仕方を変えてきました。世界で戦うとなると、足を滑らせてアテンプトを重ねてしまうミスはどんどん響いてくると思うので、一発で決めるといった細かい修正はこれから必要だと思います。今季の一番の目標は世界選手権で優勝することなので、そこでしっかりと優勝して、オリンピックの出場権を獲得したいです」
野口啓代コメント(女子2位)
「優勝できなくて残念でした。苦手な(コーディネーション系の)第2課題を登れなかったのが敗因だと思っています。3課題目だけ唯一私だけが登れたので、自分の強みを出せる場面もあったのは良かったと思っています。生萌は昨シーズンも最終戦まで争ったり、ずっとライバルのような存在なので今回も最終課題まで一緒に競えて楽しかったですし、今シーズンも切磋琢磨できたら。日本の大会はすごくプレッシャーがありますが、今日はチケットも完売と聞いているので、今年の世界選手権に向けてもこれだけ注目されていることは嬉しいですね。今シーズンは世界選手権にピークを持っていこうと思っています」
伊藤ふたばコメント(女子3位)
「(最後の課題で)一撃すれば優勝できることはわかっていたので、そこで1手目で落ちてしまい決め切れず3位になってしまったのはすごく悔しいです。パワー系や距離のあるランジの課題に対応できるようになってきましたが、まだプレッシャーがかかる中での決定力がないと思ったので、これから(W杯の始まる)4月に向けて修正していきたいです」
平野夏海コメント(女子4位)
「ファイナルに残ることが目標だったので、それを達成できたのが嬉しかったです。ただ、上位の人たちとのレベルの差をすごく感じたのでもっと頑張らなければいけないなという気持ちです。コーディネーション課題をたくさん練習してきていたので、決めきれなくて悔しかったです。去年は予選落ちだったので、準決勝に進出できたのは成長を感じることができて本当に良い大会になりました」
倉菜々子コメント(女子5位)
「決勝に行くという目標を果たせて、豪華なメンバーの中で一緒に登ることができてすごく楽しかったですし、1課題1課題集中してできたので良かったです。まだまだ上の選手との差を感じたので、それを次の大会や、W杯などで頑張って上の選手たちについて行きたい。今シーズンの目標は、去年のW杯は準決勝で終わってしまったので、決勝の舞台に上がれるようにしたいです」
中村真緒コメント(女子6位)
「決勝に残れたのは目標にしていたことですし、生萌ちゃんにだけまだ人生で1回も勝ったことがなくて勝ちたかったので、(準決勝1位通過によって)それができたのは本当に嬉しいです。でも、もちろん決勝で順位を落としたこともそうですし、課題に対応できなかったこともあるので、嬉しさと悔しさが半々くらい残ってます。(表彰台の3人との差は?)私は周りの人たちが登れていない時に出ていくと強いと思っているんですけど、反対に先に周りが登っているとすごく弱いので、メンタル面が弱点だと思います。保持力もそうだし、ペース配分もそうですし、課題が山ほど見つかりました。でもスラブ課題など自分の強みで少しでも勝つことができたのはポジティブな面でした」
石松大晟コメント(男子優勝)
「子どもの頃からBJCで優勝するのが夢だったので最高に嬉しいです。前まで大会には順位を狙って出場していたんですけど、そこはもう考えずに、1課題1課題楽しもうと思って参加しました。(第4課題登れなかったことで逆転される可能性もあったが)そこもあまり考えませんでした。順位のことは何も考えずにこの課題をただ登ろうと思って。だから逆転されたらされたで、もう仕方ないかなと思っていました。(楢崎智亜は同学年で意識する相手か)雲の上の存在というか、それくらい敵わない選手だと思っていました。今日の結果でどっちが上というのは考えていないですね」
楢崎智亜コメント(男子2位)
「4課題目は大晟が登らなかったら優勝のチャンスがあると思ってて、その状況になってこれは優勝できるなって思っていました(笑)。最終課題も得意系だったのですが、最後のムーブを読み切れずに登れなかった。『やっちゃった』という気持ちがあります。今年の最大の目標は世界選手権で優勝することです。ボルダリングに関しては今のところ上手く苦手をつぶしていけているので、スピードとリードを8月までにしっかり磨き上げていきたい」
土肥圭太コメント(男子3位)
「予選・準決勝を通過して、日本代表の代表権を得ることが目標だったので、自分の実力を考えると今回の結果は良すぎるぐらいなので、びっくりしています。失うものは何もないので決勝という舞台を楽しめれば…という気持ちで臨みました。決勝は準決勝より落ち着いて登れたと思います。自分が好きな緩傾斜の課題が多くなることはわかっていたので、楽しかったですね」
村井隆一コメント(男子4位)
「最初のオブザベーションの段階では(走る系をはじめ)自分の苦手ばかりでマズいと感じていたんですけど、思いのほか最初の2課題に上手く対応できました。そのまま流れを持っていけると思ったんですけど、3課題目がすごく惜しいトライで登れず、それをズルズル引きづって失速する感じになってしまいました。(岩場での活動がメインのため)正直コンペのためのトレーニングはほとんどしていません。ジムで登ることと、岩場でただ難しい課題を練習するというだけで。今自分が目指しているのは、岩をメインにしながら、どこまでコンペティターに対抗できるかというスタイル。トレーニングの方針は変えずに、このままいきたいと思います」
杉本怜コメント(男子5位)
「オブザベの時に全課題かなり難しいと思っていたら、前の2人がさくっと登ってきて、僕は少し出遅れてしまった。一撃するチャンスがあったんですけど、あそこで我慢しきれなかったのは大きなミスでした。そこから気持ちを持ち直すのが上手くできませんでした。(今大会の自己採点は?)70点くらいですかね。決勝に残れたので赤点まではいかないかな(笑)。今年は、まずはボルダーを頑張りたいと思っています。ボルダーで良い成績を出すことによって、(世界選手権の)コンバインド決勝にも行けるはず。今シーズンの最終目標は世界選手権なので、そこで一花咲かせたいです」
藤井快コメント(男子6位)
「四連覇のプレッシャーはたしかにありました。逆に言うと、これまで三連覇できたことが凄かったのかなとも思います。今日の決勝は自分の苦手なタイプの課題が多かった。今大会を通して、苦手な動きがよりはっきりとしてきたので、今後はそこをしっかり潰していきたいです。(2月、3月の大会に向けて)スピードは練習では6秒台を出せるようになってきた。スピードジャパンカップでは公式戦で6秒台を出すことを目標に取り組んでいきたい。リードは今年一番重点的にやりたいと考えている種目なので、しっかり準備をして結果を求めていきます」

CREDITS

取材・文

編集部・篠幸彦 /

写真

大杉和広