17日に決勝レースが行なわれたスーパーフォーミュラ(SF)第3戦富士。この時期にしては低めの温度条件での戦いだったが、戦いの模様は特に終盤、好バトル満載の大熱戦となった。そして王座争いも大混戦になってきている。いろいろなことがあった富士戦だ…
17日に決勝レースが行なわれたスーパーフォーミュラ(SF)第3戦富士。この時期にしては低めの温度条件での戦いだったが、戦いの模様は特に終盤、好バトル満載の大熱戦となった。そして王座争いも大混戦になってきている。
いろいろなことがあった富士戦だが、表彰台に立った3人は今季過去2戦ノーポイント。そして、今大会前のシリーズ上位2名が今回無得点で、シリーズ3位だった者も1ポイント、同4位も3ポイントの獲得にとどまった。
その結果、7戦中3戦を終えてのドライバーズポイント獲得状況は以下のように変化している(上位10人)。
13点 #16 山本尚貴(TEAM 無限/ホンダ)
10点 #19 J-P. デ・オリベイラ(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL/トヨタ)
9.5点 #2 国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING/トヨタ)
9点 #1 石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING/トヨタ)
9点 #10 塚越広大(REAL RACING/ホンダ)
8点 #37 中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM'S/トヨタ)
7.5点 #36 A. ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM'S/トヨタ)
7点 #41 S. バンドーン(DOCOMO TEAM DANDELION RACING/ホンダ)
7点 #3 J. ロシター(KONDO RACING/トヨタ)
6点 #20 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL/トヨタ)
優勝10点(1レース制の場合。2レース制は各半分が基本)、ポール1点のSFなので、チャンピオンシップは現時点で誰にでもオープン、という状況である。
ロッテラーとともにこのポイント状況を見た彼の担当エンジニア、TOM'Sの名将・東條力さんは「すごい低レベル(笑)」と冗談めかして言うが、もちろん点数のレベルが低いだけで、内容が例年通りの高レベルであることは承知の上(低得点の原因には第2戦岡山がハーフポイント決着だった影響も)。今回2位に入った中嶋一貴も、「ポイントを見たら、みなさん近くにいるんで(苦笑)。ここから開幕戦という感じですね」との旨を語っている。
今年は不運かつ不本意なレース続きで目下無得点の#8 小林可夢偉(SUNOCO TEAM LEMANS/トヨタ)にも、まだまだチャンスはある。その可夢偉は今回、1周目の他車との交錯でペナルティを取られ、一時はほぼ最後尾まで落ちるも、辛抱強い走りで10位完走。次につながる内容だったと評せよう。
「ポイント的にはそんなにかけ離れているわけではないですし、まだまだ(チャンピオン争いの)チャンスはある。明日のテストを含めてクルマ(セッティング)の改善をしっかりしていって、次のレースで頑張りたいと思います」と、可夢偉本人もポジティブな気持ちを捨てていない。逆襲に期待大だ。そして今回、自身3戦目初ポールを獲得した大器バンドーン(現在7点)も、もちろん争覇圏内にいる。
次戦ツインリンクもてぎでは、ヨコハマ製ワンメイクタイヤのドライ用2スペック供給という新たな試みが実施され、エンジンも後半戦仕様へと切りかわる。シーズンのターニングポイントとなるかもしれない一戦は8月20~21日の開催で、そのエンジンとタイヤも登場する予定の公開テストが富士戦決勝翌日(7月18日)に富士で実施される。これも重要なテストとなるだろう。
残り4大会は、第4戦もてぎがドライタイヤ2スペック戦、第5戦岡山が土・日にそれぞれ予選と決勝を行なう“新2レース制”、第6戦SUGOは通常1レース制、そして最終第7戦鈴鹿は(おそらく)例年通りの土曜予選&日曜決勝×2の2レース制と、毎回なんらか異なるフォーマットでの戦いとなる。この点もチャンピオン争いの行方に影響するかもしれず、戦い模様の変化も含めて楽しみなところだ。
#8 小林可夢偉撮影:遠藤俊幸
#8 小林可夢偉撮影:遠藤俊幸
#41 バンドーン撮影:遠藤俊幸
#16 山本尚貴撮影:遠藤俊幸
#2 国本雄資撮影:遠藤俊幸
#10 塚越広大撮影:遠藤俊幸
#3 ロシター撮影:遠藤俊幸
天候微妙な週末だったが、最終的には大熱戦となった第3戦富士。撮影:遠藤俊幸
第3戦の表彰台。左から2位中嶋一貴、優勝の星野監督&オリベイラ、3位関口雄飛。撮影:遠藤俊幸