関東大学リーグ戦(リーグ戦)で見事優勝を飾ったワセダから、今年は4人の選手がJクラブへ加入する。FW岡田優希主将(スポ4=川崎フロンターレU18)がJ2・FC町田ゼルビア、GK小島亨介(スポ4=名古屋グランパスU18)がJ1への昇格が決ま…

 関東大学リーグ戦(リーグ戦)で見事優勝を飾ったワセダから、今年は4人の選手がJクラブへ加入する。FW岡田優希主将(スポ4=川崎フロンターレU18)がJ2・FC町田ゼルビア、GK小島亨介(スポ4=名古屋グランパスU18)がJ1への昇格が決まった大分トリニータ、DF冨田康平(スポ4=埼玉・市浦和)がJ2・京都サンガFC、MF相馬勇紀(スポ4=三菱養和SCユース)がJ1・名古屋グランパスへの加入内定を合同記者会見で報告した。選手たちはULTRAS WASEDAによる慣れ親しんだチャントと共に入場し、動画を流しながら他己紹介を行うという、例年とは異なる新しいスタイルの会見でプロへの抱負を語った。


4選手と外池監督が登壇した

 リーグ戦では2部降格、そして1部、2部それぞれで優勝を経験するという、まさに波乱万丈の4年間だった。代表質問ではチームの印象や自身のアピールポイントの他、4人全員が苦楽を共に過ごしてきた同期に対する感謝の思いを口にした。待ち受けているのは決して楽な道ではないが、プロの先輩として外池大亮監督(平9社卒=東京・早実)は「自分を壊して成長していくチャレンジをしてほしい」とエールを送った。大学でサッカー選手としても、人間としても大きく成長できたと語る4人がプロの世界でも活躍する日々は、そう遠くないだろう。『日本をリードする存在』、そして『世界をリードする存在』となるべく新しい舞台へと羽ばたいていく。

(記事 大山遼佳、写真 守屋郁宏、森迫雄介、堤春嘉)

会見内コメント・代表質問質疑応答

外池大亮監督(平9社卒=東京・早実)


――監督からプロの先輩という立場に変わりますが、4人へ向けたアドバイスは
このメンバーには技術的に何かを教えたというのはほとんどなくて、それまでに高校や(古賀監督のもとで)3年間やってきた中で彼らが持っているもので、サッカー的なものはほぼ完成していました。当然これからまだまだ伸びるし、この1年間で伸びたものはあるんですけど、それはいろんなものを吸収して、自分の中で考えをつくって、それを言葉にしたりプレーで表現したりということができるような姿になってきたということだと思います。僕も大学とプロを経験しましたけど、自分の名前がひとつの看板となって生きていくということになるので、その重さもあったり、周りからいろんな要求をされたり、世の中的に何かを求められるということが多くなると思うんですけど、その中で彼らは3ステップくらい伸びていくだけの素材だと思っていて、今の姿だけにとらわれず、これからひとつふたつ自分を壊してより成長していくというようなチャレンジを、ぜひしていってほしいなと思います。サッカーの領域のプロとして世界のトップレベルを目指せる一員になったので、今年のビジョンだった『日本をリードする存在』というくらいに、ぜひ引っ張っていってほしいと思います。

◆外池大亮(とのいけ・だいすけ)

1975年(昭50)1月29日生まれ。東京・早実高出身。1997年(平9)社会科学部卒。大学時代は、4年時に関東大学リーグ戦で優勝を経験。卒業後は、ベルマーレ平塚(現・湘南ベルマーレ)に加入し、以降Jリーグでは11年間プレー。計6クラブで活躍した。2018年(平30)より、早大ア式蹴球部監督に就任し、初年度で関東大学リーグ戦で優勝。


FW岡田優希(スポ4、FC町田ゼルビア加入内定)


――プロ入りを控えた今の気持ちは
ワクワクしているという気持ちです。それしかないです。

――早大での4年間はどんな時間だったか
一日一日が長かったです。決して1年生の時から試合に出ていたわけではないし、順調に来たわけではないですけど、その分長かったですし、苦しんだ分成長できた4年間だったと思います。

――加入するチームの印象は
本当に町田はこれからのクラブだと思います。ここの3クラブ(名古屋、大分、京都)とは全然違って、それこそこれからJリーグを新たに作っていくとか壊していく存在のクラブだなという印象があります。

――町田はライセンスの問題もあり、いつJ1に立てるかもわからない環境だが、なぜ加入を決めたのか
いろんな障害とか条件とか逆風はありますけど、クラブとしても、クラブにいる人たち一人一人を見ても、そこを何とか変えていこうとしたり、自分たちはもっと上に行こうという姿勢があって、すごく野心的なクラブです。自分自身がワセダでの4年間で培ってきたものと町田がすごくリンクして、自分がプロとしてのスタートを切る上で、そういう姿勢にすごく共感できたので、町田に決めさせていただきました。

――どんなプレーを見てほしいか
ワセダでゴールを奪うためのプレーは全て身につけてきたと思うので、結果を出すというところと、自分がボールを持った瞬間を楽しみにしてほしいなという気持ちです。ここで何かをアピールするというよりも、見てほしいです。

――プロでの抱負は
今年町田が最終節に優勝の可能性があって、あと1ゴールの差で優勝できなかったというあの経験は僕も見ていたので、まずはゼルビアのJ2優勝に貢献するというところ、そして個人的にはJ2得点王を狙います。自分のゴールによってゼルビアの夢を叶えられるような選手になりたいと思います。

◆岡田優希(おかだ・ゆうき)

1996年(平8)5月13日生まれ。身長170センチ、体重67キロ。神奈川・新城高出身。前所属・川崎フロンターレU18。今季のリーグ戦で21試合出場15得点5アシスト。1部リーグ得点王とベストイレブンを受賞。


GK小島亨介(スポ4、大分トリニータ加入内定)


――プロ入りを控えた今の気持ちは
うれしいとともに、責任感がより芽生えているというところが率直な気持ちです。

――早大での4年間はどんな時間だったか
自分と向き合う時間を多くつくれた4年間だったと思います。同期の存在というのはすごく大きくて、自分に足りないところや良いところを常に評価してくれたり、時には厳しい口調で追及してくれたりしました。それがあってこそ今の自分ができているので、本当に大学サッカーに来てよかったなと感じています。

――加入するチームの印象は
練習参加した際にすごくチームの雰囲気が良くて、全員が目標に向かって真摯に取り組んでいる姿に心を打たれました。自分もそこに加わっていきたいというふうに思いましたし、クラブやサポーターから必要とされて愛される選手になるために今後取り組んでいきたいと思います。

――どんなプレーを見てほしいか
強みとしてはシュートストップです。あとは大分トリニータはGKも11人目のフィールドプレーヤーとして攻撃に関わっていくというチームなので、自分としてもそこに良さを出していきたいです。まだまだなところはありますけど、練習で向上心を持ってやっていけば全然通用はすると思っているので、そこは意識しながらやっていきたいと思います。

――プロでの抱負は
できるだけ早くJ1のピッチに立って、チームの勝利に直接的に貢献するとともに、チームやサポーターの方々に必要とされ愛される選手を目指し、日々精進していきたいと思います。

◆小島亨介(こじま・りょうすけ)

1997年(平9)1月30日生まれ。身長183センチ、体重79キロ。愛知・東海学園高出身。前所属・名古屋グランパスU18。U21日本代表。今季のリーグ戦で21試合出場。リーグMVP、1部リーグベストイレブン、特別賞を受賞。


DF冨田康平(スポ4、京都サンガF.C.加入内定)


――プロ入りを控えた今の気持ちは
未だにそこまで実感が無いんですけど、これから自分がプロの舞台に立つということを考えるとワクワクするので、それを早くピッチで表現したいなと思います。

――早大での4年間はどんな時間だったか
小中高といったカテゴリーを踏まえても、この4年間が一番つらかったというか、悩んだ時期が本当に多かったです。でも、本当にいろんなことを学ばせてもらったので、これからつらいことだったり悩むこともあると思うんですけど、この経験をしっかり生かして、次のステップへ成長していけるようにやっていきたいと思います。

――加入するチームの印象は
昨日新しいユニフォーム(サプライヤー)が発表されたり、新スタジアムを建設してくださっているということもあったりと、京都サンガは今新たに生まれ変わろうとしているチームだと思います。そこに自分も乗っかって、よりチームを強くしていけるように支えていきたいなと思います。

――どんなプレーを見てほしいか
自分のストロングポイントはスピードに乗った攻撃参加と、(サイドを)上がった後に戻り切るというところまでが自分の強みだと思っています。攻守にわたって左サイド全てを制圧するような勢いに乗ったプレーに、ぜひ注目してもらいたいなと思います。

――プロでの抱負は
自分はここにいる3人と比べて、4年間の中で直接的に結果を残すというプレーは少なかったと思います。この先は結果を残すことが全てだと思うので、自分の力で結果を残して、本当の意味でチームに必要とされるような、こいつがいないと駄目だと思わせるようなそういう選手になりたいと思います。

◆冨田康平(とみた・こうへい)

1996年(平8)6月9日生まれ。身長176センチ、体重68キロ。埼玉・市浦和高出身。今季のリーグ戦で15試合出場。特別指定選手としてJ2リーグ2試合出場。


MF相馬勇紀(スポ4、名古屋グランパス加入内定)


――プロ入りを控えた今の気持ちは
(今年も)自分は特別指定選手として試合に出させていただいたんですけど、今年はもし良くなくても早稲田という帰ってくる場所がありました。でも、来年はもしダメだったとしてもどこにも帰る場所がないので、結果だけを目指してやっていきたいです。でもワクワクして楽しみな気持ちです。

――早大での4年間はどんな時間だったか
特に人間的な部分で、多くを学んだ4年間でした。入学当初は人の話も聞かず、自分の要求ばっかりして同期と揉めたり、ミーティングでたくさんぶつかって泣いた時もあったんですけど、みんなでぶつかりながら人として成長した4年間だったと思います。この4年間は自分にとってかけがえのないもので、本当にワセダに入れてよかったと思っています。

――加入するチームの印象は
全員がプロフェッショナルなチームだと思います。それと同時に、前期を勝ち点10で終えたところからあそこまで巻き返して残留できるという力があるので、ACLや優勝を目指していけるチームだと思っています。自分はそこの核として活躍できるようにしていきたいと思います。

――どんなプレーを見てほしいか
爆発的なスピードのところと、ラストパスの精度、そしてゴール前でのポジショニングです。攻撃だけと思われるかもしれないんですけど、自分は守備の対人も得意なので、チームに貢献するハードワークだったり、一対一というところを(見てほしいと思います)。負けず嫌いな性格なので、小学校の頃から習ってきた目の前の敵に負けないというところは、常に意識してプレーしていきたいです。

――プロでの抱負は
結果としては、10ゴール10アシスト以上を求めていきたいと思います。今年も特別指定選手としてプレーさせていただく中で、試合に出させてもらったからには絶対にひとつは結果を残すというものを軸としてプレーしてきました。できれば34試合すべてに出場して、34回のアシストやゴールを出していきたいと思います。

◆相馬勇紀(そうま・ゆうき)

1997年(平9)2月25日生まれ。身長165センチ、体重66キロ。東京・調布南高出身。前所属・三菱養和SCユース。今季のリーグ戦で20試合出場9得点11アシスト。1部リーグアシスト王とベストイレブンを受賞。特別指定選手としてJ1リーグ9試合出場、1得点3アシスト。