師弟関係で結ばれている2人

今シーズン開幕6連敗を喫した後でキャバリアーズのヘッドコーチを解任されたタロン・ルーが、早くも新たなポジションに就いた。そのチャンスを与えたのは、恩師ドック・リバースだった。

クリッパーズ指揮官のリバースは、ルーをアドバイザー的な形でチームに迎え入れたことを、『LA Times』に語った。正式な肩書きこそ付いていないものの、リバースによれば、ルーはクリッパーズの試合を見て、気づいたことを報告し、助言する役割を与えられているという。

リバースとルーの間には、師弟関係が存在する。1998年から2009年まで現役を続けたルーは、マジックに所属した2003年にリバースの指導を受けた。そして引退後の2011年、ルーはリバースのスタッフとしてセルティックスのアシスタントコーチに就任。クリッパーズでもリバースのアシスタントを務めたルーは、2014年からキャブズのコーチに就き、その2年後の2016年、デビッド・ブラット解任後ヘッドコーチに昇格し、レブロン・ジェームズと共に、NBAファイナル史上初となる1勝3敗からの大逆転優勝を果たした。

リバースは、今年の10月、キャブズを球団初優勝に導いたルーについて「私のチームでプレーし、コーチとして支えてくれた人物の中でも、タイ・ルー以上に誇らしく思える人間はいない」と語った。ルーも以前、コーチとしての基本をリバースから学んだと話したほど、2人は強い絆で結ばれている。

今シーズンのクリッパーズは、スター選手こそいないもののチーム力を駆使し、激戦区である西カンファレンスで6位につけている。選手としてもレイカーズ時代に2回の優勝(2000、01)に貢献し、指導者としても優勝を知るルーというブレーンを加え、2年ぶりのプレーオフ進出に挑む。