進む競技人口の減少 特に顕著なジュニア世代の軟式野球の衰退 2018年12月9日、平塚市中学野球普及強化実行委員会主催の…
進む競技人口の減少 特に顕著なジュニア世代の軟式野球の衰退
2018年12月9日、平塚市中学野球普及強化実行委員会主催の野球普及事業「平塚やきゅフェス」がバッティングパレス相石スタジアムひらつかにて、開催された。
平塚市中学野球普及強化実行委員会とは、平塚市立旭陵中学校保健体育科教員の里倉徹哉委員長が中心となり、若年層の野球離れに対し、アクションを起こそうと2017年7月に発足した。
現在、全国的に野球の競技人口減少は急激に進行している。中でも、日本野球の“ジュニア世代”を担っている軟式野球人口の減少は顕著である。日本スポーツ協会管轄のスポーツ少年団が発表する登録状況と公益財団法人日本中学体育連盟の加盟校調査集計が示す人数を合わせると2011年度の39万8532人から2016年度は29万9905人まで減少した。9万8627人減(減少率およそ24.7%)と、野球人口の減少が進んでいる。
加えて、平塚市内の学童野球と中学部活の競技人数を合わせた軟式野球人口は、「神奈川タウンニュース(2017年9月7日号)」の里倉氏コメントによると2011年度の1170人から年々減少、16年度は777人(減少率約33.6%)と、減少傾向が顕著に進んでいる。
平塚野球復活に向けて初開催された「やきゅフェス」
今回初開催となった「やきゅフェス」では、里倉氏の呼びかけにより、15人超の教員に加え、当日、子どもたちの見本にもなった硬式社会人野球クラブ「神奈川中央クラブ」のメンバー5名が集結した。
午前は平塚の中学軟式野球部選抜(オール平塚)と3年育成会のメンバーへの野球教室。午後は5、6年生を中心とした斎藤隆氏による野球教室と野球体験コーナー「ボールパークイベント」が同時開催された。
午前中の野球教室を受講した中学野球部員は、引き続き午後からお手伝いとして活動を補助した。斎藤隆氏は中学軟式から東北福祉大3年でピッチャーとなり、プロ入り。どこでどんな転機があるかをよく知っている。
5、6年生を中心とした意図として、里倉氏は
「小学校から中学校へ上がるまでの間に、野球を続けようという気持ちが途切れないようにしたい。そこで、中学で野球に取り組むカッコいい先輩たちと触れ合いながら、プロから野球を学べる機会を作りたい」
というのが、今回の野球教室開催のきっかけだと語った。
今後の野球競技人口減少に対して、アクションを起こすべきポイントは「継続率」ではないだろうか。
キャッチボールから始まり、内野を使ったボールまわしやファウルゾーンでの内野ノックを行い、神奈川中央クラブの面々が中継の見本を披露し、子どもたちを驚かせた。その後、バッティング練習をして、全行程を終えた。当日は「ボールまわし賞」と「ホームラン賞」が準備されており、子どもたちは大いに盛り上がりを見せた。
外野の芝生の上では、未就学児や野球未経験者の子どもたちに対し、「ボールパークイベント」を開催した。
開催内容は
・ティーボール体験
・ストラックアウト
・平塚ベース体験
・キャッチボール体験
の4つの体験スペース。ストラックアウトでは、当日のイベント会場となった“バッティングパレス相石スタジアムひらつか”のネーミングライツを持つ「バッティングパレス」が、ストラックアウトボードを貸し出した。
体験を通じ未来へつなぐ 「野球は楽しい」と感じてほしい
“平塚ベース体験”とは、「誰でもできる簡単ルールの野球」である。打者は、ティースタンドのボールを打ち、各ベースを踏むごとに得点になる。守備側は、近くにあるアウトスペースにボールを運べばアウトとなる。
今回の企画段階から参画していた斎藤隆氏は、現役時代(横浜ベイスターズ)の縁もある平塚の地で
「失敗しない子どもなんていない。楽しく、怪我せず、野球を楽しんでほしい」
と子どもたちに語りかけた。
また、当日参加していた指導者に対しても「失敗に対して、怒ってばかりではいけない」と、子どもたちの気持ちも汲みながら、自身の想いをぶつけた。
斎藤氏は、今回初開催のイベントを振り返り、
「中学野球への敷居の高さを感じてしまう児童もいる。そこの意識を変えたい。硬式や軟式、中学では色々な選択肢があってどれも良さがある。自分のやりたいところでプレーし、継続していれば必ず上手くなるし『野球は楽しい』という希望を持たせてあげたい」
と話した。
今回のイベントを含め、平塚市中学野球普及強化実行委員会は平塚市の各学校の教員が協力して行っている。「もっと野球の普及に携わる大人が増えてほしい」と参加した教員からも声があがっており、今後のさらなる発展に向け、平塚市は進んでいく。初開催となった「やきゅフェス」は、ケガ人もなく大きな盛り上がりを見せた。来年は硬式のチームとも一緒に行うことを計画している。(大森雄貴 / Yuki Omori)