第62回ボクシング早慶定期戦(早慶戦)の結末は歯がゆく、悔しい結果に終わってしまった。昨年、一昨年と二連敗を喫している早大は三年ぶりの勝利を目指すべく敵地日吉のリングに上がった選手7人。応援部を中心してホームの慶應大の応援に負けない雰囲気…

 第62回ボクシング早慶定期戦(早慶戦)の結末は歯がゆく、悔しい結果に終わってしまった。昨年、一昨年と二連敗を喫している早大は三年ぶりの勝利を目指すべく敵地日吉のリングに上がった選手7人。応援部を中心してホームの慶應大の応援に負けない雰囲気を作る早大だったが、相手の積極的なボクシングに圧倒される場面も多く、厳しい戦いが続く。主将である土田大輔(教4=富山・呉羽)が敢闘賞をもらう激戦を繰り広げるも早大は7戦全敗。ライバルである慶応大に完敗、0−7で早慶戦3連敗となってしまった。

 まずはライトフライ級の青木真誉(理1=埼玉・早大本庄)がリングに上がった。相手のペースで試合は始まったものの、粘りのボクシングを展開。それでも相手のコンビネーションに押し切られ、3R48秒でRSC負けとなってしまった。続くフライ級津田大賀(人2=香川・高松第一)は開始早々顔面に相手の的確なパンチをもらいなかなか攻勢に出ることができない。素早いパンチで手数を増やし反撃を狙うも、相手の勢いそのままに1R2分47秒でRSC負けとなった。なんとかこの流れを断ち切りたい早大の思いはバンダム級三輪裕之(文2=神奈川・鎌倉学園)に託された。素早いフットワークで相手のパンチをかわしつつカウンターを狙う。相手の強力なパンチに苦戦するもジャブを確実に当てていき、応戦する。「途中から相手のペースに合わせてしまった」(三輪)と語ったように、徐々に相手の攻め気なボクシングを展開されてしまう。三輪のカウンターを狙う粘りも素晴らしかったが、3R終了しての判定は0-3で慶應大に軍配が上がった。


最後のリングを戦い抜いた土田

 3連敗と早大が勝ち越すためにはもう一戦も落とすことができない。そんな中でリングに立ったライト級首藤巧大(国1=東京・芝)だったが、開始早々相手の猛攻を受ける。なかなか手が出せない中で相手の強烈な左を顔面に喰らってダウンしてしまい、そのままRSC負け。次のライトウェルター級の藁品健介(理2=神奈川・鎌倉学園)だったが相手の強気な攻めに徹したボクシングに押され、RSC負けとなってしまった。なんとか一矢報いたい早大はウェルター級の土田大輔主将(教4=富山・呉羽)がリングに立った。現役最後のリングである土田に人一倍力強い声援が送られる。「思い切り相手を殴りに行けた」(土田)と言うように気持ちのこもったパンチを繰り出す。しかし相手の素早い連打に対し少し大振りになってしまう。スタミナの消費が激しい展開が続く中、「(セコンドからの言葉で)ちょっとグッときたので何が何でもという気持ちがあった」(土田)と語ってくれたように気持ちで攻めを続ける。徐々に相手の的確なパンチをもらう回数が増えていく。最後だぞ土田、そんな声が絶えず周りから飛び交う。懸命に拳を振り続けた土田だったが、レフェリーの判定は無情にも青コーナー、慶應大の勝利だった。最後の試合はミドル級上野秀希(教2=神奈川・横浜国際)。フットワークを生かし左中心に攻めていくが、リーチの差があり思うように攻勢に出ることができない。不運にも2R途中での相手選手の怪我により勝負はその時点での判定に、0−3で負けてしまった。


これからの早大の飛躍に期待

 7戦7敗と厳しい結果に終わってしまった早慶戦。しかし、最後のリングに立った土田主将を中心とした4年生の姿や思いは確実に届いているはずだ。土田を除く全メンバーが1・2年生と若いチーム構成である早大には未来がある。この悔しさをバネにしたチームのさらなる飛躍に期待したい。

(記事 森田和磨、写真 小林理沙子)

※掲載が遅くなり、申し訳ありません

 

第62回早慶定期戦
階 級早 大スコア慶大
LF青木 真誉●RSC(3R)○ 古山 皓介
津田 大賀●RSC(1R)〇成澤 諒
三輪 裕之●0(27-30  26-30  27-30)3〇井上 慈元
首藤 功大●RSC(1R)○松木 健太
LW藁品 健介●(1R)○武智 琉馬
土田 大輔〇1(29-28  28-29  28-29)2●北岡 秀石
上野 秀希●0(17-20  18-20  18-20)3○林 麟太郎

コメント

土田大輔(教4=富山・呉羽)

――早慶戦を終えて今のお気持ちは

最後ということで負けはしましたけどすっきりはしましたし、やりきったかなと思います。

――応援部の方やOB、保護者など応援もたくさんあったと思いますがそこに関しては

それが一番申し訳ないというか、勝ちたかったです。

――きょうのご自身のプレーはいかがでしたか

戦い方とか技術は抜きにして、思い切り相手を殴りに行けたので、気持ちの面では良かったというか悔いなく出来ました。

――判定負けという結果に関しては

負けは負けなんで、仕方ないです。

――ラウンド間にセコンドからはどのような言葉がかけられましたか

色々言ってくれて2ラウンドと3ラウンドの間はこれが最後ということで、ちょっとグッときたので何が何でもという気持ちがあったんですけど、力で負けました。

――後輩に残したい言葉があればお願いします

今回の早慶戦は僕以外1、2年生でやってたんですけど、全員絶対に無理ということはないので来年再来年と挫けずに頑張ってもらいたいです。

三輪裕之副将(文2=神奈川・鎌倉学園)

――早慶戦終えての率直な気持ちをお聞かせください

7―0という結果だったので、すごく悔しいなという思いがあります。

――意気込みはどのようなものでしたか

個人としては絶対に勝とうと思っていたので、負けて悔しい思いが強いです。

――試合内容を振り返っていかがですか

結構相手に押されちゃったという感じですね。もっと自分なりにできたかな、と思います。

――ラウンド間にはセコンドからどのように声をかけられましたか

1、2ラウンド目は細かくやって、3ラウンド目はがっつり大胆にいこう、という感じだったので、それをやろうと思ったんですけど途中から細かくできなくなってしまって相手のペースに合わせちゃって。それも敗因の一つです。

――今後の目標はありますか

とりあえず頑張るしかないですね(笑)。

――引退される4年生への思いはありますか

今回、土田先輩(大輔主将、教4=富山・呉羽)が出場して負けてしまったんですけど、本当に今まで練習に毎日来てくれて、背中で語ってくれたので、それはすごく尊敬しています。後、馬場先輩(友成、スポ4=神奈川・湘南学園)が試合に出る予定だったんですけど、首をケガしてしまって出られなくなってしまったんですけど、それでもしっかりサポート役に回ってくれて、お陰でスムーズに試合ができたので本当に感謝しています。精神的な部分でも、僕は馬場先輩にすごく助けてもらった部分が多かったので、すごく感謝しています。馬場先輩はイケメンなので。岸本先輩(拓也、スポ4=兵庫・明石城西)もトレーナーとして準備から何まで、裏方としてサポートをすごくしてくれて、後輩のために。器の大きい人だな、と思います。すごいエリーとなので、岸本先輩はかっこいいです。4年生は今3人バラバラで、個性があるんですけど、すごくいい人たちです。