盛り上がった今年のプロ野球ドラフト会議から1か月。マニアの関心はすでに来季のドラフト会議へと移っています。 来年は高校…

 盛り上がった今年のプロ野球ドラフト会議から1か月。マニアの関心はすでに来季のドラフト会議へと移っています。

 来年は高校生投手に逸材がそろいます。大船渡(岩手)のMAX157キロ右腕・佐々木朗希に、明治神宮大会・高校の部では準優勝に輝いた星稜(石川)の150キロエース・奥川恭伸、さらには夏の甲子園1回戦では創成館(長崎)を相手に16奪三振の鮮烈デビューを飾った創志学園(岡山)の西純矢の3人を、早くも「高校BIG3」と呼ぶメディアもあるほどです。

 野球メディア…特にスポーツ新聞のアマチュア野球担当記者は「BIG3」とくくることが、なぜか好きです。プロ野球選手と比べて、世間的にまだそれほどの知名度を有さないこともあり、何とか「紙面映え」させたいというところからの発想と見られます。

 しかし、アマチュア時代は「BIG」でも、プロ入り後はなかなか順風満帆でないのも事実だったりします。近年のドラフト「BIG3」とその後を検証してみました。

 

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【2003年・社会人BIG3】
 東京ガス・内海哲也、東芝・香月良太、三菱ふそう川崎・森大輔の3人です。出世頭は言わずもがなの内海でしょう。いずれもその年のドラフト自由獲得枠でプロ入りしますが、巨人入りした内海は06年にチームトップの12勝を挙げ、左のエースとしての座を確立。以降はローテーションの軸として機能し、原巨人に黄金期をもたらしました。36歳になった今でも、投手陣の精神的支柱として元気いっぱいです。

 香月は近鉄に入団。球団消滅により「最後の猛牛戦士」と称されることになります。オリックス移籍となった2年目には47試合に登板と頭角を現し、09年には64試合に登板。オリックスのブルペンを支えました。トレードによって13年からは巨人に戦いの場を移し、内海とはチームメートに。プロ12年間で371試合に登板するなど、確かな働きを見せました。

 残念だったのは森です。社会人時代に発症した左肘のけがにも苦しみ、入団3年目のオフには早くも戦力外通告。1軍で登板する機会は一度も訪れませんでした。

【2007年・高校BIG3】
 大阪桐蔭・中田翔、仙台育英・佐藤由規、成田・唐川侑己の3人です。いずれもプロの世界で存在感を示した好例です。中田は日本ハムの不動の4番打者を務め、由規はけがに苦しみながらも、神宮でヤクルトファンから愛される存在になり、来季からは杜の都で育成選手として再出発します。唐川も11年には12勝を挙げましたが、今季は1勝止まり。まだまだ老け込む年齢じゃありません。

 ちなみにこの「2007年高校生ドラフト」でプロ入りした選手の中で、出世頭は千葉経大付のエースだった広島・丸佳浩。高校生ドラフト3巡目でした。

 

【2007年・大学BIG3】
 東洋大・大場翔太、愛知工業大・長谷部康平、慶応義塾大・加藤幹典の3人です。ソフトバンク入りした大場はプロ1年目、3月23日の楽天戦でパ・リーグ史上初のプロ初登板で無四球完封勝利。4月5日のロッテ戦では7者連続三振を含む球団新記録の16奪三振で2度目の無四球完封勝利とど派手なスタートを切りますが、その後は伸び悩み、プロ7年間で15勝に終わりました。

 楽天入りした長谷部はプロ通算11勝、ヤクルト入りした加藤は同1勝止まりと、あらためてプロの世界はアマとは違う、異次元の世界であると痛感します。

【2011年・大学BIG3】
 東海大・菅野智之、東洋大・藤岡貴裕、明大・野村祐輔の3人。菅野は日本ハムからの1位指名を拒否して1年間の浪人生活を送りましたが、現在では巨人の、というより日本を代表するエースに進化しました。野村も広島のローテ投手として、16年には16勝をマークするなど、7年間で65勝と申し分のない成績を残しています。

 藤岡はロッテで期待通りの成績を残せず、今季は日本ハムにトレード移籍。来季、北の大地での活躍が待たれるところです。

【2012年・高校BIG3】
 花巻東・大谷翔平、大阪桐蔭・藤浪晋太郎、愛工大名電・浜田達郎がそう呼ばれました。活躍の舞台を世界に移し、全米を驚嘆させた大谷、さらには阪神で1年目から3年連続2けた勝利を挙げながら、ここ数年は苦しみつつも、今季は投手として21世紀初の満塁ホームランをかっ飛ばしちゃう藤浪と比較すると、中日・浜田の地味さが逆に目立ってしまいます…。現在は育成契約。はい上がってほしいものです。

【2016年・大学BIG3】
 創価大・田中正義、桜美林大・佐々木千隼、明大・柳裕也の3人はこう称されました。いずれも即戦力の期待を受けてのドラ1指名でしたが、この2年、結果を残せていません。しかし、評価を下すのは時期尚早というもの。来季に勝負の3年目に注目しましょう。

 いかがだったでしょうか。結論としては、

 「3人全員がプロでも活躍するのは至難の業である」

 「とはいえ、内海や中田、大谷や菅野など球界を代表する選手も輩出しており、同世代で切磋琢磨した形跡もうかがえる」

 「3人が3人とも活躍できないケースもあり、過剰な期待をするのも考えもの」

 といったところでしょうか。2019年の「高校BIG3」の成長を、温かく見守っていきましょう。

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]